
運送業で人手不足が慢性化している今、
「人材を確保するためにどうすればいい」とお悩みではないでしょうか。
国内全体でドライバーの人手不足が起きていますが、
自分の会社でもなぜ人手不足が起きているのかその原因を考える必要があります。
本記事では、運送業の人材不足はどうすればいいのか、
人材不足の原因や人手不足の解消の事例について、詳しく解説します
運送業界でドライバーが人手不足になっている原因3つ
運送業界で、ドライバーが人手不足になっている原因には、
以下のようなものがあります。
年収が低い
国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」では、
日本の平均年収は460万円となっています。
それに対して、
e-Stat「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(職種)第5表」より、
大型トラックドライバーの平均年収は485万2,800円、
中小型トラックドライバーの平均年収は437万8,300円です。
ドライバーの仕事は、長時間労働、過酷な労働環境・労働条件などといわれる中、
相対的に年収が低いことが人手不足の原因となっています。
将来への不安
上記のように、年収が低いこと将来への不安につながるでしょう。
また、トラックドライバーの仕事は、ただ運転するだけでなく、
荷積み・荷下ろしなど作業も含まれますので、
体力的に将来へ不安が出てくることも含まれます。
外国人採用の難しさ
日本人のドライバーのなり手が少ない今、
運送会社では外国人の採用を積極的に試みています。
外国人は日本で特定技能資格を申請することで
特定技能ドライバーとして働くことが可能です。
ただ、雇用契約書は日本語のものだけでなく、
内定者が理解できる言語もセットにしなければならないなど、
日本人を採用するときより手続きに難しさがあることが1つのハードルとなっています。
運送業界のドライバー求人倍率はどのくらい?
厚生労働省「統計からみるトラック運転者の仕事」によると、
2022年9月のトラックドライバーの有効求人倍率は2.12で、
全職業平均よりも2倍近く差があることがわかりました。
有効求人倍率とは、求職者1人に対して、何人の求人があるかを示す数値で、
有効求人倍率が1より大きければ、求職者よりも求人数が多いことを示しています。
運送業界のように、有効求人倍率が高い場合、
運送会社側としては応募者がなかなか集まらない状況です。
公益社団法人鉄道貨物協会「令和4(2022)年度本部委員会報告書」の調査では
2028年のドライバー不足は27万8,000人に達するといわれています。
これらのデータをみても、
運送業界の人手不足が慢性的になっていることが理解できるでしょう。
運送業界のドライバーの人手不足を解消するための対処法3つ
運送業界のドライバーの人手不足を解消するためには、
以下のような対処法が考えられます。
広報活動を強化する
人材を確保するためには
ドライバー募集などの広報活動は必ず行なわなければなりません。
求人サイトでの求人募集はもちろんのこと、
ドライバーの仕事に特化した運転ドットコムや、
株式会社ジャパン・リリーフのサイト利用した広報活動は
より広報活動の成果を発揮します。
女性ドライバーの積極採用
ドライバーは男性の仕事と思われがちですが、
国土交通省は「トラガール促進プロジェクト」を実施し、
女性ドライバーを積極採用する動きをとっています。
更衣室の完備、清潔なお手洗い、急な休みが取れる環境など、
女性が働きやすい環境を作ることで、女性の応募数が増え、
人手不足解消につなげられるでしょう。
給料や福利厚生の見直し
ドライバーのなり手が少ない要因として、
給料の低さや充実性のない福利厚生が挙げられます。
人材不足を解消するためには、自社の収益のことを考え、
労働者が十分に生活できる給料を設定する必要があります。
また給料だけでなく、労働者がリフレッシュするための休日、
労働時間を設定しなければなりません。
特に現在では、より良い働き方を求める労働者が多いことから、
労働環境・労働条件を見直しする必要があるのです。
実際に運送業のドライバー不足を解消した事例3つ
実際に運送業のドライバー不足を解消した事例についてみていきましょう。
広報活動を強化した
ドライバーを幅広く募集するためには、ネットを利用した求人サイトの利用、
ハローワークへの求人掲載などさまざまな方法があります。
中でもドライバー職に特化した「運転ドットコム」への求人掲載は非常に効果的です。
また、株式会社ジャパン・リリーフではドライバーの人材紹介を行なっており、
幅広い人材を紹介してくれますので、人手不足を解消することができるでしょう。
労働環境を改善した
上記のように広報活動を行なう際、魅力ある求人を作成する必要があります。
今の会社の労働環境が労働者にとっていいものなのか、
もしそうでなければ労働環境の改善が必要です。
賃金の上昇、休日の確保など、労働環境を改善することで、
ドライバー不足解消することができるでしょう。
業務効率化を図った
佐川急便では、小売流通の効率化支援・共同配送を実践しています。
複数の荷主の荷物を同じトラックやコンテナに積み込み、配送することで、
人手不足の解消だけでなく、コスト削減を目指しているのです。
ただ、複数の荷主の商品が混在することから、管理方法などの課題が残されていますが、
このサービスが確立されることで、ドライバー不足を解消することができます。
ドライバーに聞く!運送業界の人手不足への意見3つ
ドライバーに聞いた運送業界の人手不足の意見についてみていきましょう。
~意見①~Yさん・40代・勤務歴8年
人手不足を痛感するタイミングとして、
当日中に配達しなければいけない荷物が配達しきれないことです。
しかし、お客様からの指定がある場合は、
荷物を配達しなければいけませんので、残業をして対応するようにしています。
しかし、年間の時間外労働時間の上限が制限されていることから、
いつまでもこの状態を続けられるわけではありません。
会社は、好条件を提示して、1人でも多くのドライバーを雇用すべきだと思います。
~意見②~Sさん・30代・勤務歴5年
ドライバーの仕事をしている人は年齢が高い人が多く、
若い人はドライバーになりたがりません。
その背景として、労働環境・労働条件がよくなったり、
給料が安いということが挙げられます。
会社は、若いドライバーが安心して働ける環境づくりをしてくれれば、
若いドライバーはたくさん集まるように感じます。
~意見③~Mさん・50代・勤務歴2年
労働者は、収入を得るために働くのはもちろんですが、
自分の時間を大切にしたいと思っています。
残業をたくさんするほど収入が増えることは間違いありませんが、
収入が増えることより、自分がリフレッシュできる時間を確保したいのです。
ドライバーが自分の時間を確保するためには、会社が新しくドライバーを雇用して、
人手不足を解消することが先決であると思います。
まとめ
運送業の人材不足はどうすればいいのか、
人材不足の原因や人手不足の解消の事例について、ご理解深まりましたでしょうか。
ドライバーの人材不足を解消するためには、まず原因を知ることが大切です。
人手不足を解消する方法は複数挙げておきましたので、
できることを進める必要があるでしょう。
本記事を参考に、あなたの会社の人材不足を解消してみてはいかがでしょうか。