長距離トラック運転手の平均年収は400万円!年収1000万円を稼げるか?

年収・給与

長距離トラック運転手が稼げるのか気になる方や、短距離・中距離の運送から長距離トラックへの転職を検討されている方にとって、収入面はやはり重要なポイントになるかと思います。

特に、「高収入を目指せる仕事を探したい」「求人サイトなどで長距離ドライバーの情報をよく見るけど、実際のところはどうなのか」といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 


本記事では、以下のような疑問を解消できるよう、できる限りわかりやすく解説していきます。

 

・長距離トラック運転手はどのくらい稼げるのか

・男女別、年齢別、地域別にどのような差があるのか

・年収1,000万円を超えるような高収入は実現できるのか

 

また、中型免許をお持ちの方や、他の運送業で働くことを検討している方にとっても、この記事が職種選びや今後の方向性を考えるための参考となれば幸いです。

企業によって待遇や勤務形態が異なる点にも触れながら、実態に基づいた情報をお伝えしていきます。

 

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長距離トラック運転手の仕事内容とは?

 

長距離トラック 年収

 

長距離トラック運転手とは、一般的に片道300km以上の距離を運転して荷物を運搬する仕事に従事する方のことを指します。

物流業界では、このような長距離輸送の役割を担う運転手は重要な存在とされており、担当するルートや車両の種類によって勤務スタイルや収入の違いも見られます。

 


ここでは、短距離・中距離・長距離トラック運転手それぞれの移動範囲についても紹介するので、仕事を検討されている方が「どの距離が自分に向いているか」を判断する参考になればと思います。

なお、中距離トラック運転手は半径およそ100〜200km、短距離運転手は50km以内の地域を担当することが多く、それぞれ運転時間や勤務時間、必要な体力、求められる車両技術などに違いがあります。

 


東京インターチェンジ(IC)から見た距離の目安は以下の通りです。

 

・東京IC - 横須賀IC:約50km

・東京IC - 大宮IC:約80km

・東京IC - 佐野藤岡IC:約110km

・東京IC - 甲府IC:約140km

・東京IC - 静岡IC:約160km

・東京IC - いわきIC:約200km

・東京IC - 名古屋IC:約300km

・東京IC - 仙台宮城IC:約400km

・東京IC - 梅田IC:約500km

 

たとえば静岡県や名古屋市への配送は、長距離輸送に分類されることが多く、トラック運転手のなかでも体力的・時間的な負担が比較的大きい傾向にあります。

運搬ルートによっては深夜に走行することもあり、労働時間や拘束時間が長くなるケースも少なくありません。

 


ただし、法律で定められた休憩や仮眠の時間は確保されており、体調管理や安全運転を最優先に勤務することが求められます。

車両についても、長距離運転には大型トラックや中型トラックを使用することが多く、積載する荷物の種類によって必要な免許やスキルが変わる点にもご注意ください。

 


長距離トラック運転手の主な業務内容は、次の3つに分けられます。

 

  1. 集荷・積込
  2. 輸送・配達
  3. 荷下ろし


集荷・積込では、配送元の企業や個人宅を訪れて荷物を受け取り、指定の順序でトラックに積み込みます。

荷物の積み方には効率性と安全性が求められ、重量や種類に応じた対応が必要となります。


輸送・配達では、預かった荷物を事故や破損のないよう安全に運び、決められたルートで配送先へ向かいます。

 

ここでは時間管理も重要で、納品スケジュールや道路状況に応じた柔軟な対応が求められます。


荷下ろしは配送先で行う最後の業務で、商品や日用品、精密機器などさまざまな荷物を慎重に降ろしてお渡しします。

特に重い荷物や大型の資材を扱う場合は、体力と注意力が必要になるため、事前に運送会社が主に取り扱っている荷物の内容を確認することが大切です。


また、企業によってはフォークリフトやパワーゲート車両を使って効率よく積み降ろしを行っているところもあり、働きやすさや労働負担の面でも差が見られます。

勤務先を選ぶ際には、そのような業務の特徴や運営体制の情報もチェックしてみてください。
 

 

長距離トラック運転手の仕事の給料(年収)

 

長距離トラック 給料

 

長距離トラック運転手の年収は、約400万円から750万円ほどが一般的な相場です。

これはトラックの大きさや運転する距離、働き方によって大きく差が出ます。

たとえば中型トラックよりも大型トラックの方が積載量が多く、走行距離が長いため、必然的に勤務時間も長くなる傾向があり、その分、給料も上がることがあります。


国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」によると、令和2年度における日本の平均年収は433万円です。

それと比較しても、長距離トラック運転手は高収入が見込める職種のひとつといえるでしょう。

ただし、誰でもすぐに高年収を実現できるわけではなく、勤務先の企業の方針や労働環境、本人の勤務スタイルによって収入は大きく変動します。

 


たとえば「月収100万円以上稼ぎたい」という目標を掲げている方もいらっしゃるかもしれませんが、現実にはかなり厳しいといえます。

1990年以降の規制緩和で新規参入が増え、運賃が自由化されたことにより、業界全体の単価が下がり、運転手の給料にも影響が出るようになりました。

さらに、労働基準法の改正で長時間労働の制限が強まり、時間外勤務を前提とした収入モデルは実現しにくくなっています。


それでも、なかには年収800万円前後を目指せる求人も存在しています。

その多くは下記のような条件が設定されていることが一般的です。

 

  1. 大型免許または中型免許が必須
  2. 給与体系が歩合制である
  3. 車両ごとに異なる業務内容や責任を求められる
  4. 長距離かつ連日勤務になる可能性がある

 

こうした求人は、転職サイトや求人情報を扱う専門サイトなどでも掲載されていますが、応募前には必ず労働条件の詳細を確認することをおすすめします。

 


男女別の給料差


トラック運転手業界における年収は、男性が約400万〜450万円、女性が約300万〜350万円となっており、一定の差があります。

この差は主に、女性は結婚や出産を機に一度離職するケースが多く、勤続年数が短くなる傾向があるためです。

とはいえ、近年では女性向けの求人も増えており、ワークライフバランスを重視したい方には、長距離よりも短距離・中距離輸送や日勤の仕事のほうが選ばれる傾向にあります。

 


また、企業によっては「女性ドライバー歓迎」と明記されている求人もあり、性別を問わず活躍できる環境を整えた会社も増えてきました。

自分の生活リズムに合った働き方を選ぶことが、長く続けるためのポイントになります。

 


年齢別の収入の違い


長距離トラック運転手の給料は、基本的に経験年数や勤続年数に比例して増加する傾向があります。

20代は年収が低めですが、地道にキャリアを積み上げることで、30代・40代には安定した収入を得られるようになります。

たとえば高卒で就職し、早期から運送業界に入り、中型車両や大型車両の運転経験を積むことで、徐々に高収入を目指す道もあります。

 


また、近年では「人間関係に疲れた」「安定した収入を得たい」といった理由から、他業種からの転職者も増えています。

とくに工場勤務や営業職などから転職するケースも多く、異業種からの就職も珍しくありません。

高卒と大卒で基本給の差はあまりなく、大卒の場合は社会常識や文書処理能力に強みを持つことで評価されやすい面もあります。

 


地域別の年収比較


運送業は全国に仕事があり、地域ごとに年収の傾向も異なります。

たとえば関東エリアでは、東京都や千葉県、埼玉県、神奈川県を中心とした配送ルートが多く、平均年収も全国的に高水準となっています。

 

逆に九州や沖縄などでは輸送量が比較的少ない地域もあり、年収は全国平均より低めとなることもあります。


地域別の平均年収(大型トラック運転手)データは下記のとおりです。
 

地域 年収
北海道/東北 356万円
関東 426万円
東海 411万円
甲信越/北陸 378万円
関西 417万円
四国 392万円
関西 417万円
中国 385万円
九州/沖縄 364万円



こうした年収の差は、地域の生活コストや物価、求人数、配達件数などに影響されます。

また、都市部では交通量が多く効率的な配送が難しい反面、需要が高く配送単価も高くなりやすいという傾向があります。

地方では長距離運転が必要なケースもあるため、勤務スタイルや希望する生活の質によって、地域を選ぶ基準も変わってきます。

 


以上のように、長距離トラック運転手の年収にはさまざまな要素が関係しており、「とにかく稼ぎたい方」向けの求人もあれば、「勤務時間や生活リズムを大切にしたい方向け」の仕事もあります。

自分に合った働き方を見つけることが、無理なく収入を上げていくための第一歩となるでしょう。
 

長距離トラック運転手は年収1000万円を稼げるのか?

長距離トラック運転手は、果たして年収1,000万円を目指せる職種なのでしょうか。

 

結論からお伝えすると、現在の運送業界の環境では非常に難しいのが現実です。

 


かつてバブル景気に沸いた1980年代後半には、年収1000万円を超えるような高収入を得ていたトラック運転手も存在していました。

当時は長時間労働が常態化していたことに加え、運賃単価が高く、経験と努力次第でかなりの収入を得ることができた時代でした。

 


しかし近年では、運送業界全体がホワイト化を目指し、労働基準法の遵守を重視する方向へと進んでおり、長時間労働が制限されています。

拘束時間に対する制限や、安全運転義務の強化もあり、無理をして働くことが難しくなっています。

これが、収入の上限を抑えてしまっている大きな要因のひとつです。

 

なぜ、長距離トラック運転手の給料は高くないのか?

長距離トラック運転手の仕事は、家に帰れない日が続いたり、夜勤・早朝勤務が多かったり、重い荷物の運搬作業が伴うなど、決して楽な業務内容ではありません。

それにもかかわらず、給料がそれほど高くないのはなぜなのでしょうか。

 


代表的な理由として、以下の2点が挙げられます。

  1. 歩合制であるため
  2. みなし残業制が適用されているため


歩合制は、運んだ荷物の量や件数に応じて給料が決まるため、安定した収入が得にくいというデメリットがあります。

 

また、繁忙期と閑散期の差が大きく、月によって手取り額に大きなばらつきが出るのも特徴です。

さらに、みなし残業制の場合は、ある程度の残業時間を想定して固定給が設定されており、実際の拘束時間が長くても超過分が支払われないこともあります。


そのため、長時間勤務=高収入という構図は成り立ちにくく、「働いた時間の割に報われない」と感じる方も少なくありません。
 

長距離トラック運転手の仕事の給料を上げる方法

このような課題がある中で、長距離トラック運転手として年収を上げていくためには、以下のような工夫や選択肢があります。

 

  1. 勤続年数を重ねる
  2. 資格を取得し手当を得る
  3. より良い条件の会社に転職する


まず、長く同じ会社に勤めることで、ベース給与が上がったり、運転する車両やコースの種類が増えて手当が増えることがあります。

中型免許から大型免許へステップアップすることで、大型車両を担当できるようになり、より高い運賃の案件を任されることもあるでしょう。


次に、資格取得によるスキルアップも効果的です。たとえば、けん引免許を取得するとトレーラー輸送が可能になり、さらにフォークリフトや玉掛け資格なども荷積み作業において重宝され、業務範囲が広がることで手当が増えるケースがあります。


そして、収入や待遇に不満がある場合は、条件の良い企業へ転職することも選択肢の一つです。

最近では比較的ホワイトな労働環境を整えた企業や、勤務時間や休日のバランスを重視する求人も増えてきています。

 

求人サイトでは地域別・雇用形態別などの検索もでき、未経験者向けや高収入求人など特徴の異なる求人情報を簡単に比較できるようになっています。


応募前には、自分が希望する勤務スタイルや給与水準、運ぶ荷物の種類、企業の社風などをしっかり確認することが重要です。

生活スタイルに合った職場を見つけることが、長く安定して働くうえで大切なポイントとなります。
 

アメリカの長距離トラック運転手の年収はどれくらい?

就職情報サイト「グラスドア」によると、アメリカの長距離トラック運転手の平均年収は約55,000ドルとされています。

これは、為替相場によって多少前後しますが、日本円に換算すると約800万円以上になることもある高水準な収入です。

 


アメリカにおける配送業の働き方の特徴として、日本と大きく異なる点がいくつかあります。

まず、アメリカでは多くのトラックドライバーが個人事業主として働いており、企業に直接雇用される形態よりもフリーランスに近い働き方が主流です。

会社に所属するケースもありますが、その場合でもトラック車両を自前で所有していることが前提の求人が多く見られます。


そのため、就職や転職を考える際には、初期投資としてのトラック購入費用を用意する必要があるという点が重要なポイントです。

新車を購入すると費用が高くなりますが、中古車両をうまく活用することでコストを抑えることも可能です。

購入方法やメンテナンス制度などは州や会社によって異なるため、事前にしっかりと調査することが大切です。

 


アメリカでは、走行距離が長くなる傾向があるため、長距離輸送に適した大型トラックが多く利用されています。

日本のトラックと比較すると、車両のサイズや構造、燃料タイプなどの仕様が異なる種類も多く存在し、それに応じた運転技術や資格も求められる場合があります。


また、働き方や報酬制度が多様であり、走行距離や貨物の種類に応じた報酬体系を採用している会社もあります。

 

たとえば、長距離運転が中心のドライバーには「マイルごとの報酬」や「配送件数ごとの出来高制」などが取り入れられており、自分の働き方に応じて収入をコントロールしやすいというメリットがある反面、安定性を求める方には慎重な判断が求められます。

 


「アメリカで働いてみたい」「もっと自由な働き方を実現したい」と考えている方にとっては、キャリアの選択肢として魅力的なフィールドであることは間違いありません。

近年では、日本国内の求人サイトでも海外勤務を紹介しているケースがあり、海外向けの求人情報に特化したサービスを利用することで、応募条件や必要なビザ制度なども比較的スムーズに確認できるようになっています。


アメリカの長距離トラック運転手の仕事は、日本とは異なる条件や文化の中で働くことになるため、自分に合った制度や勤務条件、生活環境をよく調べた上で検討することが重要です。

興味がある方は、まず情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
 

まとめ

今回は、長距離トラック運転手の年収について詳しくご紹介しました。


長距離トラック運転手の年収は、おおよそ400万円〜750万円とされており、勤務先の企業規模や勤務時間、担当する車両の種類、走行エリアによって収入に差が出るのが特徴です。

中には年収800万円以上を目指せる求人もありますが、それには大型免許や特殊資格の取得、長距離の連続勤務など、一定の条件が必要となる場合が多くあります。

 


また、給与体系は歩合制やみなし残業を採用している企業が多く、拘束時間が長くても手取りが思ったより少ないと感じることもあるため、あらかじめ給与制度をよく理解しておくことが重要です。

求人情報を探す際には、単に収入だけで比較せず、勤務時間のバランスや休日日数、福利厚生なども含めて総合的に判断することをおすすめします。


最近では、未経験からの就職や転職も比較的増えており、求人サイトなどでも「未経験歓迎」「資格取得支援あり」といった条件の仕事が多く見られます。

「高収入を目指したい」「体を動かす仕事がしたい」という方にとっては、長距離トラック運転手という働き方が一つの選択肢となるでしょう。

 


本記事が、運送業界に興味を持っている方や、新しい働き方を検討中の方にとって、少しでも役立つ情報になれば幸いです。

今後のキャリアを考える上で、ぜひ参考にしてみてください。

 

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