キャリアカー運転手を目指している方は以下のような疑問をお持ちではありませんか。
「キャリアカー運転手の具体的な仕事は何か」
「キャリアカーの種類は何があるのか」
「1日の流れを知りたい」
本記事ではこのような疑問を解決するとともに、キャリアカー運転手の仕事内容を解説します。
キャリアカー運転手とは?
キャリアカー運転手の仕事内容は、自動車の積み下ろしや運搬作業です。運ぶ車両は小型車から乗用車、小型トラックなど多岐に渡ります。ただ運搬するだけでなく、車両に傷をつけないよう慎重に取り扱わなくてはなりません。車両が動かないよう固定する装備もあるため、装備を扱う業務もあります。
キャリアカーの用途は以下のようにさまざまです。
・新車をメーカーの工場からカーディーラーへ運ぶ
・中古車をオークション会場から販売店へ運ぶ
・走行できない故障車を運ぶ
キャリアカーに似た車両に、重機運搬車があります。重機運搬車は、建設や土木業界の現場で使われる、ショベルカーやブルドーザーを運搬するための車両です。どちらの用途も車両の運搬ですが、運搬可能な車両や目的が異なります。
キャリアカー運転手が運転する車の種類
キャリアカーを大きく分類すると、以下の3種類に分かれます。
・ローダー
・単車
・トレーラー
それぞれ詳しく解説します。
ローダー
1つ目はローダーです。ローダーは2トントラックをベースとしたトラックであり、積載台数は1台です。トランポとも呼ばれます。カーディーラーや自動車整備工場への運搬やロードサービスなど、幅広い用途で使えるため、最も使用されています。キャリアカーのなかで唯一、普通免許でも運転可能です。ただし、積載する車両のサイズや数によって運転するキャリアカーのサイズが異なるため、それぞれに応じた運転免許が必要です。
単車
2つ目は単車です。単車は大型トラックであり、積載台数は2台〜5台程度です。トラックの車体と荷台が固定されているため、一つの車体で単車と呼ばれます。単車の多くはローダーと異なり、荷台が上下2段に分かれています。大型トラックのため、運転するために大型免許が必要です。
トレーラー
3つ目はトレーラーです。トレーラーは単車よりもさらに大きいトラックであり、積載車両は最大6台です。道路法によりサイズも定められており、最大全長が19メートル以内でなければなりません。ただし、構造改革特別区域に申請した県については、最大21メートルのトレーラーで最大8台まで積載できます。
なお、該当する県は以下のとおりです。
・岩手県
・宮城県
・静岡県
・愛知県
・福岡県
トレーラーで車両を運搬するためには、ローダー・単車と異なり、大型運転免許に加えけん引免許が必要です。この3つの種類は、運搬する車両の大きさや数によって使い分けられます。
キャリアカー運転手の1日の流れ
キャリアカー運転手の1日の流れを紹介します。
・8:00 出社
・8:00〜 点呼や当日業務の確認、車両点検など
・8:30〜 1か所もしくは複数箇所で車両の積み込み
・10:00〜 車両の運搬、各所で納車
・13:00〜 昼休憩
・14:00〜 引き続き車両の運搬、各所で納車
・16:30〜 帰社し業務報告
・17:00 退社 キャリアカー運転手の1日は不規則です。
上記のように1日をかけて運搬をすることがあれば、半日で終わる日や1日では終わらない日もあります。また、午前3時から業務が始まる朝の早い会社もあります。求人を選ぶ際は、働く時間帯や走行距離に注意すると良いです。
キャリアカー運転手になるために必要な資格・免許
キャリアカー運転手に必要な免許は以下のとおりです。
車両の種類 | 必要な免許 |
---|---|
ローダー |
・普通免許、準中型免許、中型免許、大型免許のうちひとつ ※車両の大きさにより必要な免許が異なります |
単車 | ・大型免許 |
トレーラー |
・大型免許 ・けん引免許 ※けん引免許は第一種免許の取得が一般的です。 |
キャリアカー運転手の給料
正社員のキャリアカー運転手の平均年収は、420万円〜480万円(賞与抜き)です。月給換算で35万円〜40万円、手取りを月給の80%とすると28万円〜32万円です。ボーナスの支給有無や支給額は会社によります。運転するキャリアカーの種類により、給料は大きく異なります。トレーラー >単車>ローダーの順で扱いが難しく、必要な免許の取得難易度が高いため、トレーラー運転者の給料が最も高いです。キャリアカー運転手は、軽貨物ドライバーやレッカー車運転手などと異なり、歩合給制度はありません。ただし、無事故手当や安全報奨金などの福利厚生がある会社は多いです。キャリアカー運転手の給料について、詳細が書かれた記事も併せてご覧ください。
キャリアカー運転手の給料を上げる方法
キャリアカー運転手が給料を上げるためには、主に以下のような方法があります。
・勤続年数を上げる
・資格を取得し業務の幅を広げる
・転職する
キャリアカー運転手は勤続年数を上げることで給料も上げられます。勤続年数により給料が上がる定期昇給制度を採用している会社が多いためです。また、運転する車両はトレーラー>単車>ローダーの順に給料が高い傾向にあります。そのため、資格を取得し、より大型の車両を運転することも給料の増加に効果的です。
キャリアカー運転手として働くメリット
キャリアカー運転手として働くメリットは以下のとおりです。
・他のドライバー職よりも給料が高い
・コミュニケーションをとる機会が少ない
・さまざまな車に携われる
・力仕事が少ない
・丁寧な運転・操作技術を身につけられる
キャリアカー運転手は人手不足のため需要があり、平均年収は会社員全体よりも高いです。また、ほかのドライバー職と比較すると業務が難しいため、ドライバー職のなかでも給料は高水準に位置しています。業務自体は力仕事が少なく、コミュニケーション力もあまり必要とされません。そのため、女性やコミュニケーションを苦手とする方も活躍できます。また、運搬をするうえで多種多様な車両に携われ、丁寧な運転技術も身につけられます。車好きの方にはおすすめの仕事です。
キャリアカー運転手として働く際のきつい点
キャリアカー運転手として働くデメリット(きつい点)は以下のとおりです。
・労働時間が長い
・高い運転・操作技術が求められる
・事前に走行ルートの確認が必須
会社によりますが、2日以上にわたり運搬を行うこともあるため、労働時間が長くなりやすいです。運転するトラックは大きくなるほど、高い運転技術が求められるため、コツをつかむまでは大変に思う方もいます。また、大型トラックゆえに小回りが効きにくく、ルートを間違うと復帰に時間がかかります。そのため、道を間違えないよう事前のルート確認は欠かせません。
まとめ
今回はキャリアカー運転手の仕事内容について解説しました。キャリアカー運転手の仕事内容は、自動車の積み下ろしや運搬作業がメインです。新車をカーディーラーに運ぶときや中古車を販売店に運ぶときなど、さまざまな場面で役立ちます。
運搬する車両は以下の3つに分けられます。
・ローダー
・単車
・トレーラー
キャリアカー運転手を目指している方は、仕事内容や車両の種類を理解したうえで、自身の希望に沿った求人を探してみてください。