
ドライバー業界では、慢性的な人手不足が続いています。
運送会社によっては長期的な人手不足が続いていますが、
ドライバーの人手不足は会社が悪いという見方もあります。
本記事では、ドライバーの人手不足は会社が悪いのか、
ドライバーを集める方法について、詳しく解説します。
ドライバーが人手不足なのは会社が悪い!?
ドライバーが人手不足は、会社が悪いという見方があります。
その背景としては以下のような理由が挙げられます。
人材不足は業務請負すればいいと考えている
運送会社は求人募集を出すものの、
人材が集まらなければ他社に請負してもらえばいいと
考えている運送会社が少なくありません。
中小の運送会社は、自社で仕事を直接受注するのが簡単ではないため、
大手運送会社からの仕事依頼を受け入れているところが多くあります。
また個人事業主で運送業を営んでいるところもありますが、
個人事業主の場合、ほとんどの仕事は大手から回してもらっているため、
大手運送会社からすると
「自分のところで対応できなければ中小の運送会社や個人事業主の運送会社に任せればいい」と考えているのです。
運送業界ではこのような風習が残っていることから、
人材確保にあまり力を入れていない姿が見られます。
免許をもっていない人は相手にしない
タクシー業界は、普通免許しかもってないドライバーに対して、
自社養成として2種免許の取得を支援するところが多くありますが、
運送業界はそのような養成をしていないところが圧倒的に多いです。
運送会社によっては、大型免許や2種免許を自身で取得してからであれば、
後日、その費用を支払ってくれるところはありますが、
それらの免許を取得するためには数十万円の費用が必要になります。
ドライバーの仕事に就きたいと思っている人がいたとしても、
免許がない人にとって、免許を取得するための初期費用が大きな負担となるのです。
運送会社では、これから免許を取得する人に対して、
初期費用を出すという方法を取らない限りは、人材を集めるのは簡単ではないでしょう。
人手不足の運送会社がドライバーを集める方法4つ
人手不足の運送会社がドライバーを集める方法についてご紹介します。
運転ドットコムに求人掲載する
運転ドットコムは、運転のお仕事探しに特化した求人サイトです。
運転ドットコムでは、働き先の都道府県、雇用形態、職種、福利厚生、手当、給与、
必要免許などさまざまなジャンルから求人検索できるサイトとなっています。
掲載求人数は1,500件超えており(2025年2月23日現在)、
ドライバー職に就きたい多くの方が閲覧しているサイトです。
運転ドットコムに求人掲載することで、人手不足を解消することができるでしょう。
株式会社ジャパン・リリーフで人材紹介してもらう
株式会社ジャパン・リリーフでは、
ドライバーになりたい人材を紹介してもらえるサイトです。
日本人ドライバーはもちろんこと、
2025年2月からは、外国人特定技能ドライバーの人材紹介も開始しています。
幅広く人材を紹介してもらえますので、人材不足を解消することが可能なのです。
求人サイトを利用する
現在では、indeedなど、さまざまな求人サイトが存在します。
求職者のネットを使って仕事を探すことが一般的であるため、
求人サイトへの掲載は、求職者を集めるのに効果的といえるでしょう。
ハローワークを利用する
前職を退職された方は、失業手当の申請をする際に、
ハローワーク(公共職業安定所)を利用することになります。
ハローワークは求職者だけでなく、失業者に対しても求人の紹介を行なっていますので、
ハローワークに求人掲載するのも効果的といえるのです。
前述のindeedなどの求人サイトでも、
ハローワークに掲載されている求人は確認できますので、
合わせて参考になさってください。
それでもドライバーが集まらない場合の対処法
上記の媒体で求人募集をかけてもドライバーが集まらない場合は、
以下の対処法を参考にしてみましょう。
求人内容を見直してみる
求職者の集まらない原因の1つとして、求人内容に魅力がないことが挙げられます。
後述する給料面のほかに、労働時間、残業時間、休日、福利厚生など、
労働者が働きやすい環境になっているかを確認する必要があるでしょう。
ドライバー職は「労働時間が長い」「休みが少ない」といったイメージをもたれがちで、
プライベートな時間の確保を重視する求職者が多い今、
適切な労働条件になっているかを見直してみてください。
給料を見直しする
求職者は、上記で述べたような求人内容の中でも、とくに給料について注目しています。
労働時間が長く休みが少ないといった環境の中で、給料が少なければ、
いくら求人募集をかけてもドライバーが集まるわけはありません。
給料については、自社の収益に見合った金額を設定する必要がありますが、
他社より給料が低いと人材の応募件数は少なくなるでしょう。
他の企業との差別化を図る
多数ある運送会社の中から求職者は、労働環境・労働条件が良い運送会社を選ぶために、
他企業との比較を必ずといっていいほど行なっています。
他の企業との差別化を図るために、
例えば、給料が高額にできなくても福利厚生を充実させるなど、
自社でできることを試行錯誤し、人材募集に努めてみましょう。
人手不足の運送業界は今後どうなる?
ドライバーの仕事は「きつい仕事」「長時間の仕事」「不規則な仕事」
というイメージがあることから、 慢性的な人手不足が続いています。
しかし、国土交通省「令和5年度 宅配便・メール便取扱実績について」をみると、
荷物の取扱量は、前年度と単純比較すると増加していることが分かります。
コロナ禍は、よりネット社会を浸透させたことから、
オンラインショッピングの利用者が急増しました。
そのような背景から、運送業界の人手不足が、より深刻さを増します。
また、2024年4月1日より、ドライバーの残業時間に上限が定められ、
さらに運送業界では人材不足に陥っているのです。
荷物の量が増えると、送料による収入が増える一方で、
運送会社は残業時間の上限が定められたことで、
これまで残業していたドライバーが働けなくなったことから、
新たにドライバーを雇用しなければなりません。
このような背景から、運送業界はしばらく人手不足が継続すると予測されていますが、
今後は人手不足解消のために
各運送会社で給料が上げられるなどの動きがみられると見込まれています。
ドライバー不足の現状と今後の見込みについては、
運転ドットコムの下記の記事も役に立ちますので、合わせて参考になさってください。
ドライバー不足の現状と今後の見込みについて紹介!2024年問題の次は2030年問題!
運送業界の人手不足に関するドライバーの本音3つ
運送業界の人手不足に関するドライバーの本音についてみていきましょう。
~本音①~Fさん・30代・勤務歴2年
現在の運送会社に勤務して2年が経ちますが、人手不足に関しては日々痛感しています。
都心を中心に荷物を配達しているのですが、
都心は会社数が多いことに比例して、荷物量も多いです。
もう少しドライバーがいれば、ゆとりをもって配達できるのではないかと感じています。
~本音②~Kさん・20代・勤務歴3年
宅配便の仕事をしていますが、
自社のドライバーだけですべての荷物を配達できていないのが現状です。
会社はドライバーを採用するために求人を掲載しているものの、
なかなか求人応募してくれる人がいません。
そのため会社では個人事業主のドライバーに仕事を振っていますが、
個人事業主のドライバーの仕事を請け負ってくれなくなった場合、
現状の荷物を配達しきれないことを考えると、
早い段階で人材を採用してほしいと常々思っています。
~本音③~Hさん・40代・勤務歴10年
私が今の運送会社に勤めた当初は、残業時間が多く、
自分の時間がなかなかとれませんでした。
これまで自社に求人応募してきた人もいますが、
プライベートの時間がもてないことを理由に、就職しない人もたくさんいます。
その後は、自社でも労働時間労働環境の見直しが行なわれ、
今では働きやすい環境となりました。
他社と比較すると、
自社はスピーディーに労働環境・労働条件の改善を行ないましたので、
今後新しい人材が採用されることを願っています。
まとめ
ドライバーの人手不足は会社が悪いのか、ドライバーを集める方法について、
ご理解深まりましたでしょうか。
ドライバーの人手不足が続いている会社は、求人広告の見直しなど、
できることがたくさんあります。
またドライバーを集める方法には、様々な方法があることをご紹介しました。
本記事を参考に、自社の人手不足を解消し、
ドライバーを集めてみてはいかがでしょうか。