トレーラーのような牽引車を運転する際に
バックさせなければならないときがありますが、
トレーラーのバックは難易度が高く、コツをつかんでいなければいけません。
コツをつかむためには、トレーラーに乗る時間を重ねて、練習するほかないでしょう。
そこで本記事では、トレーラーのバックのコツや練習方法・注意点について
詳しく解説します。
トレーラーのバックが難しい理由5つ
トレーラーのバックが難しい理由は、以下のものが挙げられます。
理由①車両が長い
トラックそのものの全長が長いのにも関わらず、
そこにトレーラーを連結すると総全長はかなり長くなります。
トレーラーのサイズは申請していない場合は、
一般道で最大16m、高速道路で最大12mですが、
申請をして許可を得た場合は最大21mにもなるのです。
セミトレーラーのように荷台部分をけん引するときも総全長は長くなります。
車両が長いほどバックは難しくなるため、トレーラーのバックは難しく感じます。
理由②直進バックが不可能
一般車や大型トラックの場合は、まっすぐバックすることができますが、
トレーラーはハンドルを少し切るだけで、
連結部分の状態によっては大きく曲がってしまうのです。
バックの途中で軌道修正を試みるために、ハンドルを反対に切ると、
思いもよらない方向に大きく曲がってしまいます。
このように直進バックはし慎重な操作をしなければなりません。
理由③運転感覚が異なる
トレーラーをバックさせると、
運転席とけん引している部分が折れ曲がっていきますが、
折れ曲がった際は、反対側がまったく見えなくなるのです。
トレーラーを前進で右左折した後は、運転席部分が曲がり切ったとしても、
トレーラー部分の内輪差を考えながら、ハンドルを反対方向に回さなければなりません。
トレーラーは前進でも難易度が高いため、
バックとなると、より難易度が高くなるのです。
理由④死角が多い
全長が長いトレーラーは、バックの際にサイドミラーで後方確認をしますが、
後方のすべてがみえるわけではなく、死角がかなり多くなります。
バックモニターを装着すると、死角になる部分を可視化できますが、
サイドミラーやバックモニターでも確認できない場所については、
目視もする必要があるのです。
何度も練習して、どのタイミングで、
どの手段で後方確認するかを考えなければなりません。
理由⑤ハンドルを逆方向に切る
トレーラーを操作する際、右に曲がりたい場合はハンドルを左に、
左に曲がりたい場合はハンドルを右に切る必要があります。
初心者はこの操作に慣れるまでに時間がかかりますので、
乗車時間を増やして経験を積む必要があるでしょう。
トレーラーのバックの手順解説!
トレーラーをバックさせる手順についてご紹介します。
手順①入口を超えて停止
車庫スペースの入口に停まると、
トレーラーが予期せぬ方向に曲がったときに対応ができませんので、
おおよそ運転席1台分の余裕をもって入口から離れて停車させるといいでしょう。
荷物の積載が多い場合や、スタンションのように重いものを積載すると、
荷台が最大積載量に近づき、ブレーキが効きにくくなりますので、注意してください。
手順②ハンドルを右に切る
運転席のハンドルを右に切るとトレーラーは左に折れます。
このとき連結部分が大きく折れ、道路をふさぐ可能性がありますので注意してください。
手順③折れ角度の微調整を行なう
くの字にトレーラーが折れたあとは、
ハンドルを戻しながら折れ角度の微調整を行ないます。
トレーラー後方と運転席の右前に注意し、低速でバックしましょう。
手順④微調整後はバックを完了させる
折れ角度を微調整しながら、トレーラーと運転席がまっすぐになれば、駐車完了です。
トレーラーのバックでは、
車両を停止したまま据え切りすることはできませんのでご注意ください。
トレーラーのバックのコツ5つ
トレーラーをバックさせる際のコツは以下のようなものがあります。
コツ①角度をつけすぎない
トレーラーは少しハンドルを切っただけでも大きく曲がります。
切れば切る分だけ修正が効かなくなりますので、
ハンドルを回す際は最初から角度をつけすぎないように気をつけましょう。
コツ②速度と角度を一定に保つ
トレーラーをバックさせる際、速度と角度を一定に保たなければ、
思わぬ方向に曲がってしまう場合があります。
運転技術が上がると、無意識に速度と角度が一定になりますので、
その状態になるまで練習を重ねてください。
コツ③周囲の人に誘導をお願いする
どれほど経験を積んでも、周囲のすべての安全を確保することはできません。
ゴミ収集車のようなパッカー車も、適当なところに車両を停める際は、
助手席の人が誘導するように、第三者がいる場合は誘導をお願いするのが賢明です。
コツ④バックモニターを活用する
トレーラーをバックさせる際は、サイドミラーだけでなく目視も重要です。
またバックモニターを活用することで、
サイドミラーや目視では確認できないところも確認できますので、
バックモニターを活用しましょう。
コツ⑤運転席の窓を全開にする
目視する際は運転席の窓を全開にして、実際に後方を確認することが大切です。
また窓を開けることで周囲の音を聞くこともできますので、
目からだけでの情報だけでなく、耳からの情報も取り入れながらバックさせましょう。
トレーラーの練習方法3つ
トレーラーの練習方法として、以下の3つを参考にしてください。
練習方法①広いスペースを活用する
トレーラーがバックすると、トレーラーの連結部分が折れ曲がる際に、
思った以上のスペースを使用することになります。
バックの練習をする際は、広いスペースを活用し
、内輪差のことも意識しながら練習しましょう。
練習②先輩ドライバーの指導を受ける
運転技術については、乗務時間が長くなるほど身につくものです。
「どのようなタイミングでハンドルを切るか」
「どのような角度で進むのが適切か」は
先輩ドライバーにきk聞きながら調節指導を受けると、上達が早くなるでしょう。
練習③動画でイメージをつかむ
トレーラーのバックの様子を動画でアップしているアプリがあります。
実際に動画をみることでバックのイメージがわきやすくなり、バックをするときに頭の中でイメージすることで、上手にバックすることが可能です。
トレーラーの運転に慣れるまではどのくらいかかる?
トレーラーの運転に慣れるまでにかかる時間は、具体的に〇カ月、〇年とはいえません。
なぜなら、運転に慣れるためには、とにかくたくさんの時間トレーラーに乗る必要があるからです。
運転する回数が増えるほど上達しますので、失敗を重ねながら練習に励んでください。
トレーラーをバックする際の注意点
トレーラーをバックする際は、以下の点に注意しましょう。
注意点①死角に気をつける
前述にもあるように、トレーラーは死角が多いため注意が必要です。
対処法として、運転席の窓をあける、後方を目視する、
第三者の誘導を受けるなどgがありますので、
安全にバックできるよう心がけてください。
注意点②内輪差に気をつける
右左折時の後輪は、前輪よりも後輪は内側に入るという
前輪と後輪の距離が長いほど内輪差が大きくなりますので、
トレーラーは内輪差が大きくなるといえます。
ハンドルを切る量により、どれだけ後輪が内側に入るかを計算しながら
バックする必要があるのです。
まとめ
トレーラーのバックのコツや練習方法・注意点について、
ご理解深まりましたでしょうか。
トレーラーのバックは簡単ではありませんので、
何度も練習をしてコツをつかむ必要があります。
練習方法も記載しておきましたので、参考しながらコツをつかみましょう。
トレーラー運転手になった際のお給料については、運転ドットコムの下記の記事に記載していますので、
合わせて参考になさってください。
トレーラー運転手の平均年収・給料は平均463万円。給料を上げる方法を紹介します!
本記事を参考に、あなたもトレーラーの運転やバックの練習をして
コツをつかんでみてはいかがでしょうか。