「チャーター便」は、貸切便という意味があります。
物流においてもチャーター便のサービスがあるのですが、
チャーター便を利用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、チャーター便を利用するメリットやおすすめの利用場面、
料金相場について、詳しく解説します。
チャーター便とは?
冒頭のように「チャーター便」は「貸切便」という意味です。
物流業界での「チャーター便」とは、
1社の荷物だけをトラックに積載して荷物を目的地まで運ぶことをさします。
依頼主の荷物しか運ばないことから、荷積みをした出発地から、
荷下ろしをする目的地まで、一直線でトラックを走らせることになります。
途中でどこかに寄って、荷物を下ろすということはありません。
つまりチャーター便は、依頼主の都合に合わせて荷物を運搬することが可能です。
運搬条件や時間を細かく設定することができることが特徴といえるでしょう。
チャーター便と混在便の違いについて
混在便とは、1大台のトラックに
複数の依頼主の荷物を混在して運ぶ方法のことをいいます。
混在便では、複数の荷主の商品を集荷して発拠点に集め、
仕分けをした後に同じトラックで着拠点に配送するのです。
着拠点では、個々の配送先への仕分けが行なわれ、それぞれの配送先に荷物を運びます。
複数の配送先へ荷物を運ぶことから、細かい時間指定をすることができません。
複数の依頼主の荷物を、複数の配送先へ輸送する以上、
配送先の間違いなど、トラブルが発生する可能性が高くなるのです。
チャーター便が依頼主の都合に合わせて荷物が輸送できることを考えると、
リスクが高い配送方法といえます。
チャーター便を利用する方法
チャーター便を利用する方法は以下の通りです。
①必要性を確認する
②貨物の特性を確認する
③業者を選ぶ
④輸送スケジュールを確認する
⑤貨物の搬入
⑥輸送の実施
⑦輸送終了後の手続き
①必要性を確認する
チャーター便はコストが高いことから、本当にチャーター便が必要なのか、
混在便ではいけないのかを確認しましょう。
②貨物の特性を確認する
貨物の大きさはもちろん、温度管理は必要か、振動に弱くないかなど、
貨物の特性を見極めながら確認する必要があります。
③業者を選ぶ
上記でお示しした貨物の特性を確認できれば、
安全に貨物を輸送してくれる専門業者を選定してください。
④輸送スケジュールを確認する
チャーター便は大きなメリットは
出発時間と到着時間を自由に設定することができますので、
荷下ろし先とも時間を相談して、輸送時間の設定をしましょう。
⑤貨物の搬入
輸送会社との契約が成立すれば、貨物の梱包を行ない、
積載方法を輸送会社と相談しながら搬入作業を行ないます。
⑥輸送の実施
搬入完了後は、輸送会社が輸送を実施しますので、
依頼主は貨物が目的地に到着するまで待機することになります。
⑦輸送終了後の手続き
輸送が完了すれば、貨物の受け取りや輸送機器の返却を行ない、
輸送費の支払い・請求書処理を行ない、契約が完了です。
チャーター便を利用するメリット・デメリット
チャーター便を利用するメリット・デメリットについてみていきましょう。
チャーター便を利用するメリット
まず、メリットについてご紹介します。
メリット①細かい時間指定ができる
チャーター便は、一社の荷物だけを輸送しますので、
依頼主の細かい時間指定が可能です。
細かい時間指定ができることで、輸送先との連携も図りやすくなります。
メリット②破損・紛失リスクが低い
チャーター便は、一度荷積みされた荷物は、途中で荷下ろしされることはありません。
目的地に到着するまで、
基本的にトラックの荷台が開けられることはありませんので、紛失リスクも低いです。
メリット③配送時間が短縮できる
チャーター便は、出発地から途中でどこかを経由することなく目的地に到着します。
一直線で目的地に到着することから、配送時間が短縮できるのです。
チャーター便を利用するデメリット
次にデメリットについてご紹介します。
デメリット①時期によって手配できない
新年度や年末年始など、運送業界にも繁忙期があります。
繁忙期は多くの荷物を輸送しなければならないため、
チャーター便を抑えることができない可能性が高いです。
デメリット②料金が割高になる場合がある
チャーター便の料金は、「トラック1台につき〇〇円」というように、
トラックの大きさによって料金が決められています。
荷台を満タンに積載しても、半分しか積載していなくても料金はかわりませんので、
輸送する荷物の量に応じてトラックをチャーターしなければなりません。
チャーター便がおすすめの利用場面4つ
チャーター便の利用をおすすめする場面には、以下の4つが挙げられます。
到着時間を指定したいとき
到着日時を指定したい場合は、大まかな時間指定しかできない混在便より、
細かい時間指定ができるチャーター便がおすすめです。
細かい時間指定ができることにより、客先の担当者の都合にも合わせることができます。
荷物が特殊なとき
匂いが強い荷物や、汚れると困る荷物は、
混在便より個別で輸送できるチャーター便がおすすめです。
混在便で匂いが強い荷物を輸送すると、他の荷物に匂いが移る可能性がありますし、
混在便のように何度も荷物を出し入れして動かすことにより、
荷物が汚れたり破損する可能性が高まります。
ロットの大きな荷物を輸送するとき
同じ輸送先へ一度に荷物を輸送するときは、
チャーター便のほうがコストを抑えることが可能です。
チャーター便の利用料金については後述を参考になさってください。
破損リスクを回避したいとき
美術品や骨董品など、デリケートな商品や高価な商品を混在便で輸送すると、
破損の可能性が高いです。
チャーター便の美術品輸送技術をもった専門業者もいますので、
価値が高いものを輸送するときはチャーター便を利用しましょう。
チャーター便の利用料金の相場
チャーター便の利用料金の相場は、軽自動車で約6,000円から、
2tトラックで約20,000円からとなります。
ここでは、チャーター便の利用料金についてみていきましょう。
<混載便>
|
50km |
100km |
150km |
200km~ |
~350kg |
4,000 |
4,500 |
5,000 |
50kmごとに500円加算 |
400kg |
4,500 |
5,000 |
5,500 |
|
450kg |
5,000 |
5,500 |
6,000 |
|
500kg |
5,500 |
6,000 |
6,500 |
|
500kg~ |
50kgごとに500円加算 |
<チャーター便>
|
50km |
100km |
150km |
200km~ |
~2,800kg |
18,000 |
25,000 |
32,000 |
50kmごとに7,000円加算 |
6,500kg |
23,000 |
31,000 |
39,000 |
50kmごとに8,000円加算 |
9,000kg |
25,000 |
35,000 |
45,000 |
50kmごとに10,000円加算 |
13,500kg |
27,000 |
39,000 |
5,1000 |
50kmごとに12,000円加算 |
積載量の違いはありますが、
チャーター便は混載便より高額であることがお分かりいただけるでしょう。
ただチャーター便には前述のようなメリットがあることを含めて、
どちらを利用するかを検討してください。
まとめ
チャーター便を利用するメリットやおすすめの利用場面、料金相場について、
ご理解深まりましたでしょうか。
チャーター便と混載便についての比較をしましたので、
どちらの方法で荷物を輸送するかを検討してください。
運送業界の専門用語については、運転ドットコムの下記の記事でも紹介していますので、
【地理専門の社会科教員が教える!】ストロー現象とは?ストロー現象が起きる原因や一例について
合わせて参考になさってください。
本記事を参考に、チャーター便のメリットについて知っていただければ幸いです。