トラックドライバーの方で
「渋滞の際はどのような対策を取っているのだろう」
「そもそも渋滞は何が原因で発生するのだろう」
と疑問に感じたことがある人も多いと思います。
本記事では、トラックドライバーが渋滞に巻き込まれた際の対策はどのようにして取っているのか、渋滞は何が原因で生じるのかについて詳しく解説していきます。
渋滞の原因は?
車を運転したことがある人でもない人でも、「渋滞は何が原因で起こるのだろう」と疑問に感じる方は多いと思います。
渋滞の原因には、様々なことが考えられますがここでは代表的な原因を3つ解説していきます。
高速道路でのサグ部
サグは「たわみ」を意味しており、道路の下り坂から上り坂に移行する部分のことをサグ部といいます。
サグ部によって渋滞が発生する主な原因は、下り坂では速度が出ていて、上り坂で速度が落ちるため、上りに移行する際の入口が渋滞の起点となっています。
坂の傾斜具合も関与しており、上り坂が急な場合は運転手が「坂道があるな」と気付くことができアクセルを踏みなおすため、渋滞は起こりにくいでしょう。
しかし坂道と気付かない程度の傾斜の場合、多くの人が坂道を走り続けてからでないと気付けません。
その結果アクセルを踏みなおさないため、気づかぬうちに速度が低下します。
これにより車の速度が遅くなるためブレーキを踏み始め、徐々に連鎖していき渋滞が発生します。
トンネル
人間はトンネルのような暗い場所へ行くと、周囲が一瞬見えなくなり萎縮してしまいアクセルから足を外したり、ブレーキをかけたりします。
前方の車がブレーキをかけると、後方の車の人たちも徐々にブレーキをかけていくでしょう。
その結果、トンネルの入口から少し入り込んだ箇所で渋滞が発生してしまいます。
それでは、「トンネルでも意識してアクセルを踏めばいいのでは」と思うかもしれません。
トンネルの中は両脇が狭く途端に狭い場所へ突入する感覚があり、圧迫感を感じてしまうため加速が出来なくなってしまいます。
またトンネルの構造にも原因があり、水はけを良くするために中心部分を少しだけ盛り上がった丘状に設計されています。
そのため、トンネル入口の部分は緩やかな上り坂になってしまうので、先ほど紹介したサグ部と同じ現象が起きるのです。
合流
高速道路や一般道で、複数の車線が交わる部分を見たことがある人は多いと思います。
この箇所を合流地点といいますが、この際に流れに乗って無理矢理に車線へ割り込もうとする車がいます。
運転手は急ブレーキを掛けたりすることが多発し、渋滞が生じやすくなってしまうでしょう。
トラックが渋滞の際に車間距離を多めにとる理由
車を運転している際にトラックが、前方を大きく開けて走行している場面に遭遇したことがある人もいると思います。
その際に、「なぜ車間距離を多めに取るのだろう」と疑問に感じたこともあるでしょう。
トラックドライバーが車間距離を取る理由で最も多いのが、MT車であるため途中で速度を落としたり、上げたりしなくても良い一定の低速度で走りたいという気持ちがあるからです。
AT車は、アクセルを踏むだけで進むのに対し、MT車は速度を変えるためにクラッチを踏みギアを変えていかなければなりません。
また、一度止めてしまったトラックを再発進させ元の速度に戻すには、手間、時間と燃料がかかってしまいます。
ギアチェンジは慣れてしまえば大したことはありませんが、信号の多い一般道や渋滞中の高速道路の場合、回数が増加するでしょう。
単純作業が繰り返され疲労として蓄積されてしまうため、トラックドライバーはあらかじめ車間距離を多めに取り、前方の状況を把握できるようにしています。
深夜の高速道路でトラックが並んでいる理由
最近、深夜の高速道路でトラックが大量に並び渋滞が発生していることが、TVやニュースなどのメディアで取り上げられることが増えてきました。
実際にNHKでも同様のニュースが取り上げられています。
深夜に渋滞が起きる原因は、高速道路を深夜に利用することで適用される割引を受けるためです。
深夜割引では、通常の高速道路料金から3割引を受けることができるため、費用を抑えて運転をしたい運転手たちが集まってきます。
深夜割引を受けるためにわざわざサービスエリアなどで時間を調節している人もいます。
その結果、トラックの数が多くなり渋滞を引き起こしてしまうでしょう。
出典:NHK「取材note」
トラックドライバーの渋滞対策とは?
長時間・長距離の運転をする必要があるトラックドライバーですが、渋滞に巻き込まれた時にどのような対策を取っているのか気になります。
ここでは、トラックドライバーの渋滞対策について解説していきます。
渋滞の際に寝ない為の対策
渋滞に巻き込まれると少しずつしか前に進まず、眠気に襲われることもあるかと思います。
眠気が原因で、事故に発展してしまうことも珍しくありません。
実際に、兵庫県の尼崎市でトラックの運転手が居眠り運転したことにより、男子大学生を死亡させた事件も起きています。
安全に運転していくためにも、トラックドライバーは下記のような眠気対策を取っています。
・窓を開けたりして体を一気に冷やす ・好きな音楽をかけて大声で歌う ・限界近くまで息を止めてみる ・眠気防止のツボを押す 上記のように、トラックドライバーの眠気に対する対策は様々です。
どの対策方法も個人差がありますが、眠気が生じた際に試してみると眠気を覚ます効果を得られる可能性があります。
出典:神戸新聞NEXT
携帯トイレを常備する
長時間運転を続けていると、誰でもトイレに行きたくなるタイミングが訪れます。
その際に、渋滞に巻き込まれてしまうと大変です。
特にトラックドライバーは長時間運転の可能性が高く、こういった場面に遭遇することは珍しくありません。
そこでトラックドライバーは、渋滞に巻き込まれてトイレに行きたくなってもいいように携帯トイレを常備しています。
これにより、仮に渋滞に巻き込まれてトイレに行きたくなった場合でも不快に感じることなく対応可能です。
渋滞情報の確認
トラックドライバーは荷物を適切な時間に配送していく必要があるため、常に渋滞していないかなど交通情報を把握しておく必要があります。
その際に、JARTICを活用して渋滞情報の把握をしている人がいます。
JARTICは、日本の高速・都市高速・一般道路の情報を24時間(5分周期で更新)提供しているサービスです。
5分周期での情報更新のため、最新の情報をいち早く把握することができ渋滞を回避することができます。
出典:日本道路交通情報センター「JARTIC」
トラックの渋滞に関するよくある質問
トラックの渋滞に関することで、よく聞く質問について回答していきます。
雪道の立往生対策に有効な方法は?
雪道の立往生対策には、以下の方法が有効的です。
・スタッドレス表記またはスノーフレークマークの表記があるタイヤを装着する
・タイヤチェーンを装着する
日本自動車連盟であるJAFでは、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤなどのオールシーズンタイヤで雪道での制動距離実験を行っています。
その結果、雪道でのノーマルタイヤでは29.9m、スタッドレスタイヤは17.3mとなっています。
この結果からわかるように、スタッドレスタイヤの方がブレーキをかけてから止まるまでの距離が短く安全です。
また、タイヤチェーンを装着することも一つの方法です。
全日本トラック協会では、チェーンを取り付けることで、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤより積雪・凍結路での発進・登坂性能が向上するとされています。
そのため、雪道の立往生対策としては以上の2つの方法が有効的です。
出典:
渋滞をさけるために使った高速代は支給される?
可能な限り早く荷物を届けるために、渋滞を避けて高速道路を利用するという方もいると思います。
そこで、渋滞を避けるために利用した高速道路の料金が支給されるのかどうか気になるでしょう。
東京都トラック協会によると、高速代に関しては状況に応じて、営業担当と配車担当の判断となります。
しかし、個人の都合での高速道路利用は認められていないことが多いため注意が必要です。
出典:東京都トラック協会
まとめ
本記事では、トラックドライバーが渋滞に巻き込まれた際の対策について紹介しました。
トラックドライバーが渋滞に巻き込まれた際の対策方法としては、眠気防止のツボを押す、携帯用トイレを常備する、渋滞情報を把握しておくなど様々です。
トラックドライバーは長距離・長時間の運転業務を行う必要があるため、渋滞に巻き込まれた際に事前に防げる事柄は防止したいです。
しかし、眠気など運転途中に発生してしまいます。
そのため渋滞に巻き込まれても適切な対応を講じられるように、事前対策を取れるものは取っておく、取れないものについては対策方法を心得ておくようにしましょう。