トラックドライバーの仕事にはさまざまなものがあります。
センター間輸送ドライバーも、ドライバー職の1つです。
ドライバーの仕事を探している人の中には、センター間輸送ドライバーがどのような仕事かが気になる人もいるでしょう。
そこで今回はセンター間輸送ドライバーの仕事内容や給料、体験談を紹介します。
センター間輸送って?仕事内容も紹介!
ドライバーの仕事については想像がつくかもしれませんが、
センター間輸送がどのような仕事なのかわからない人もいらっしゃるでしょう。
ここでは、センター間輸送の仕事内容について紹介します。
センター間輸送って?ルート配送との違い
センター間輸送とは倉庫から倉庫へ荷物を運ぶ仕事のことです。
各エリアにある物流センターから契約先の店舗や業者が利用する倉庫まで荷物を運びます。
センター間輸送は長距離運行になるケースが多いため、1日で回る拠点の数は少ないケースが多いです。
一方、ルート配送とは自社や倉庫などで荷物を積み込み、契約先の企業や店舗などを回りながら荷物を配送する仕事です。
所属先によって運搬する荷物は異なりますが、1日にたくさんの拠点を訪問し荷物を納品するケースが多いといえます。
センター間輸送の仕事内容
センター間輸送とは、倉庫から倉庫へ荷物を運搬する仕事です。
センターとは集まった荷物を仕分けして保管する設備のことで、
「流通センター」「物流センター」「配送センター」「デポ」といった名称で呼ばれることもあります。
倉庫は小売業者などが店舗に荷物を効率的に配送するために設置されており、規模は小型のものから大型のものまでさまざまです。
それではセンター間輸送の仕事内容について詳しく紹介していきます。
①運転ルート計画
センター間輸送ドライバーにとって重要になるのが、運行ルートの計画です。
なぜなら、センター間輸送ドライバーは大型トラックを運転するケースが多いためです。
運転するトラックの高さや大きさを把握した上で、法的に通ることができる道路や、物理的に通れる道路を選択する必要があります。
運行ルートの計画を怠った場合、トラックが通れない道に入ってしまって
事故やトラブルのもとになることもあるため、注意しなければいけません。
②トラックの運転
次に、センター間輸送ドライバーの仕事の大半を占めるのが、トラックの運転です。
大型トラックに荷物をたくさん積んだ上で運転することになるため、発進時や減速時にエネルギーが必要になるほか、時間が掛かります。
また、トラックが長いため、内輪差による巻き込み事故が発生しやすくなります。
さらに、積み荷が崩れないよう慎重な運転スキルが必要です。
自家用車とは違い、さまざまなポイントに気を配りながら運転する必要があるのが、
センター間輸送ドライバーの仕事の特徴といえます。
③その他の業務
他には、長距離を運転することが多いため、始業時や就業時には必ずトラックの点検やメンテナンスを行います。
また、積み込み伝票や納品書、受領書といった伝票の管理、運行日誌、業務日報などの書類の管理や、
納品先や運行中のトラブル・事故への対応も、センター間輸送ドライバーの仕事です。
センター間輸送はルート配送より楽と言われる理由
ドライバーの仕事にルート配送というものがあります。
所属する企業によって配送先や配送物は異なり、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、
ドラッグストアなどの店舗に商品を配送するのがルート配送の業務内容です。
配送ルートがあらかじめ決まっており、1日でいくつもの店舗を回りながら商品を納品して、店舗にある台車などを回収します。
運搬する荷物の大きさや量、運搬する店舗数、店舗の立地状況などにより、運転するトラックのサイズは変わります。
ところで、センター間輸送はルート配送と比較して「楽だ」といわれるケースが多いようです。
では、どうしてセンター間輸送の仕事の方が楽といわれるのでしょうか?
その理由は次のとおりです。
・荷物の積み下ろしの負担が少ない
・お客様とのトラブルが少ない
・輸送先が決まっている
それぞれ詳しく解説します。
荷物の積み下ろしの負担が少ない
ルート配送と比較してセンター間輸送が楽といわれる理由の1つが、運搬する荷物の積み下ろしの負担が少ないからです。
センター間輸送では、設備の整った物流センターや倉庫で荷物の積み下ろしが発生します。
現地のスタッフがフォークリフトを利用して積み下ろしを行うケースがほとんどとなるため、
センター間輸送ドライバーが荷物を手積み・手下ろしすることはほぼありません。
一方、ルート配送ドライバーの場合、配送する荷物をすべて確認して手積みします。
各店舗へ到着した際は台車を使ったり、手で運んだりして商品を納品しなければなりません。
店舗にはスタッフのほか、買い物客もいるため、納品時には気を遣うことも求められます。
また、トラックに積み込める台車の数は限られるほか、配送ルートに合わせて納品しやすいよう荷物を積み込まなければなりません。
さらに、積み直しや合積みなども発生するため、頭を使ってうまく積み込む必要があります。
このように、ルート配送ドライバーは、運転以外にも精神的な体力的な負担が大きくなりやすいですが、
センター間輸送ドライバーの場合は荷物の積み下ろしに対する負担が小さいという特徴があります。
この違いによって、センター間輸送の方が楽だといわれるというわけです。
お客様とのトラブルが少ない
お客様とのトラブルが少ないというのも、ルート配送と比較してセンター間輸送が楽といわれる理由です。
センター間輸送でコミュニケーションをとる場面といえば、
出退勤するときと物流センターや配送センター、倉庫での荷物の積み下ろしをするときくらいです。
また、物流センターや倉庫の従業員は基本的に同業者となります。
そのため、クライアントやエンドユーザーと接する機会はほとんどありません。
一般的な対応ができれば、コミュニケーションに気を遣う場面はほとんどなく、
何度か配送をすれば担当者とも顔なじみになれるため、業務を進めやすくなります。
さらに、荷物の積み下ろしは物流センターもしくは倉庫側が主導して行うため、
ドライバーの判断によってミスが発生するケースもほぼありません。
このように、クライアントやエンドユーザーとの間にトラブルが発生しにくいというのは、
センター間輸送ドライバーの仕事のメリットともいえます。
そもそもトラックドライバーの仕事は、トラックを運転して目的地まで荷物を搬送する仕事であるため、
1人で黙々と仕事がしたい方に向いています。
中でも、センター間輸送は会話をする機会が少ないので、コミュニケーションが苦手な方の仕事としてもおすすめです。
輸送先が決まっている
ルート配送と比較して、センター間輸送の仕事が楽だといわれる理由として、輸送先が決まっているという点も挙げられます。
センター間輸送では目的地が決まっており、毎回ほぼ同じルートを運行することになるほか、
店舗や拠点をいくつも回ることはありません。
何度か業務を繰り返すうちに、すぐにルートを覚えられるはずです。
そのため、安全運転と時間以外に気を遣う場面が少なくなっていくのが、センター間輸送の仕事の特徴といえます。
ルート配送でも輸送先は決まっていますが、配送する店舗や企業によって駐車のルールが異なるため対応を求められたり、
ルート選択を誤れば時間通りに到着できなくなったりするなど、気にしなければならないことが多いでしょう。
また、ルート配送では1日に何店舗も回ることになるため、仕事を始めたうちはルートを覚えるのに苦労するかもしれません。
荷物を運搬するという意味では共通している2つの仕事ですが、
センター間輸送は気に掛けるポイントが少ないため、ルート配当と比較して負担が少ないといえるでしょう。
センター間輸送の給料や年収について紹介!
センター間輸送の仕事内容について解説しましたが、これからセンター間輸送の仕事に転職したいと考えているなら、
どれくらいの報酬がもらえるのか気になるかもしれません。
ここでは、センター間輸送ドライバーの給料や年収例について解説します。
センター間輸送の給料
センター間輸送ドライバーの給料に関する公式なデータは存在しません。
そこで、各求人サイトで募集されているセンター間輸送ドライバーの求人情報から平均的な給与水準をリサーチしました。
2023年12月時点で募集されているセンター間輸送ドライバーの月給の平均は33万9,400円でした。
なお、月給の最低水準は約17万円、最高水準は約55万円です。
この数値は人材を募集する時点のものであるため、入社してから経験や実績を積めば、さらに高い水準になる可能性があります。
また、企業によっては住宅手当が支給されるケースがあるほか、
残業手当や深夜手当がプラスされるため、あくまで参考程度にしてください。
センター間輸送の年収例
センター輸送ドライバーの平均年収は、近距離輸送の場合で約400~500万円、
長距離輸送の場合は年収約450~500万円となるのが一般的です。
また、先程リサーチした月給をそのまま年収に換算した場合、次のようになります。
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※運転ドットコム調べ
※残業手当、深夜手当、各種手当の支給金額は計算していません。
12ヶ月換算での平均年収額は約407万円、14ヶ月換算での平均年収額は約475万円です。
なお、12ヶ月換算した場合の年収の最低水準は約210万円、
最高水準は約660万円、14カ月換算した場合の年収の最低水準は約245万円、最高水準は約770万円でした。
このように、求人情報だけをとっても年収幅が非常に大きいことがわかります。
一般的な傾向としては、中型トラックよりも大型トラックを運転する仕事の方が給与水準は高くなります。
また、ドライバーとしての経験がある場合や、フォークリフトの免許・運転経験がある場合は、月給・年収ともに高い傾向にあるといえるでしょう。
所属する企業によって給与水準が大きく異なるため、求人情報の内容を詳しくチェックすることが大切になります。
センター間輸送の仕事をしている人の体験談
次に、センター間輸送ドライバーの仕事をしている人の体験談を紹介します。
仕事に対してどのような印象を持っているのか、
経験者の言葉を聞くことで、自分に合っているかどうかを判断しやすくなるでしょう。
~ケース①~ S.Tさん 勤務歴5年目
ルート配送ドライバーからセンター間輸送ドライバーに転職しました。
ルート配送では1日に何度も荷物の積み下ろしがあり、体力的にきつく感じていました。
センター間輸送ドライバーになってからは荷物の積み下ろしの回数が減り、体力的な負担が軽くなって働きやすさを感じています。
また、荷物を納品するときには、倉庫側がフォークリフトを使って荷下ろしをしてくれるのがうれしいですね。
一方で、運転する距離が長距離になったため、運転にはこれまで以上に気を遣うようになりました。
運転する車両も大型トラックになったので、これまでの感覚で運転すると車を制御しにくくなったと感じます。
運転に集中する時間が長くなったので、帰宅して食事をとるとすぐに眠るようになりました。
ただ、オンとオフのメリハリが利きやすい仕事なので、仕事もプライベートも充実できています。
トラックドライバーの中でも、体力的な負担を軽減したい人や、大型トラックを運転したい方にはおすすめしたい仕事です。
~ケース②~ T.Oさん 勤務歴12年
これまでにさまざまなドライバーの仕事をしてきましたが、
センター間輸送ドライバーの仕事に就いてからはずっとこの仕事をしています。
大型免許の取得支援があったために、仕事を覚えながら免許を取得できました。
最初は大型トラックを運転するのが怖かったですが、今では安定して走ってくれるトラックに安心感すら覚えるようになりました。
前職は引越しセンターのドライバー職だったので、荷物の積み込みはもちろん、
引越し先の住居内に荷物を運び入れる作業も行います。
足腰への負担が大きいほか、住居や荷物を破損しないように神経を尖らせていたため、精神的な疲れも大きかったです。
センター間輸送ドライバーの仕事にも当然責任が伴いますが、荷物の積み下ろしの負担が軽減したので、かなり楽になりました。
1つ辛い点は、物流センターでの待ち時間が発生することです。
状況によっては2時間近く待たされることがあります。
仕事はできるだけ早く終わらせたいと考える方なので、長い時間待つだけになるのは少ししんどく感じます。
ただ、帰社する時間が遅くなっても、残業手当がしっかり支給されるため、大きな不満を感じていません。
~ケース③~ N.Sさん 勤務歴2年
運転することが好きだったこと、大型自動車免許を持っていたことから、
ドライバーの仕事を探していたところ、センター間輸送を手掛ける今の企業に転職できました。
大型トラックの運転は思っていたよりも難しく、慣れるまでに時間は掛かりましたが、
自分が好きな運転を通して、社会の役に立つ仕事ができていると実感しています。
前職はサラリーマンとして働いていたので、生活のリズムは大きく変わりました。
早朝の出金には慣れましたが、トラックの運行スケジュールが不規則になりやすいため、勤務時間が変わりやすいのは少し辛いです。
安全に事故なく荷物を運搬することが大事なので、睡眠はしっかりとりたいですね。
ですが、1人で黙々と仕事がしたい自分にとって、センター間輸送ドライバーの仕事は合っていると思います。
まとめ
倉庫から倉庫へ荷物を運ぶセンター間輸送ドライバーは、生活リズムが乱れやすいほか、
大型トラックを運転して時間通りに荷物を届けるため、プレッシャーを感じやすい仕事です。
一方、他のトラックドライバーと比較して体力的な負担は少ないため、続けやすい仕事ともいえるでしょう。
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