長距離ドライバーに必須の仮眠!快適に眠れる方法も紹介!

長距離ドライバーが仮眠をとるべき要注意サインや、仮眠をとれないときに試したい眠気対策、快適に仮眠をとる方法について解説します。

 

長距離ドライバーの仮眠の重要性?

仮眠

運転中の眠気は事故につながります。
ドライバーが勤務中に仮眠をとって良い理由と、眠気を放置する危険性について説明します。

 

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仮眠を取るのは許されているの?

勤務中に仮眠をとる行為自体は問題ありません。
改善基準告示によって、ドライバーが連続して運転できる時間は4時間以内と定められています。
そのため基本的には連続運転時間が4時間を超える前に、30分以上運転を中断する決まり通称「430」があります。
この時間を使って、仮眠などの休憩をとることができます(ちなみに、休憩は「拘束時間」に含まれます)。
この休憩時間は、10分単位に分割してとることも可能です。
例えば2時間半運転後に20分間休み、さらに1時間半運転後に10分間休むなど眠気や疲労度などに合わせて決めることができます。

注意したいのは、仮眠をとる場所です。
トラックの違法駐車に関係する、追突事故や死亡事故などが発生しています。
そのため仮眠をとるときは、必ず周囲の安全が確保できる場所に駐車しましょう。

■出典:自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示) |厚生労働省

 

眠気を放置すると重大な事故に繋がる

時速60kmで走行する自動車は1秒間で約17m進みます。
そのため、ほんの数秒の居眠り(マイクロスリープ)が事故につながります。
参考:交通安全情報 警視庁交通部

令和元年に、滋賀県の竜王インターチェンジ付近で発生した大型トラックによる追突事故では、追突されたワゴン車に乗っていた計3人が死亡しました。
この事故の発生原因は、眠気を感じていたものの最寄りのパーキングエリアに立ち寄らなかったことが原因に挙げられます。
運転を継続したドライバーが走行中に居眠り状態となり、渋滞最後尾のワゴン車に追突したことだと見られています。
さらに広島大学の研究グループによると、トラックドライバーが居眠り運転事故を起こす直前には、マイクロスリープが頻発していたとのことです。
同研究では、事故発生までの過程も発表されています。
無意識に顔や身体などを触る、上半身や腕を伸ばす、貧乏ゆすりをするなどの行動(抗眠気行動)が現れたときは危険な状態です。
停車できる場所を探したり、最寄りのサービスエリアに立ち寄ったりするなどして、運転を中断してください。
【事故発生までの過程】

1.抗眠気行動の増加

2.抗眠気行動の減少

3.マイクロスリープ行動兆候の増加

4.車両挙動異常の急増

5.衝突

■出典:【研究成果】居眠り運転事故直前でのマイクロスリープ(瞬眠)を検知~トラックドライバーのドライブレコーダー映像研究~ | 広島大学

 

仮眠以外の眠気防止策

トラックドライバーが、実践している眠気対策を紹介します。
なお、居眠り運転の事故が発生する時間帯のピークは、午後2時から4時です。
次いで、深夜から明け方にかけて多く発生しています。
この時間帯は交通量が比較的少なく、運転が単調になることなどが原因といわれています。
■出典:第125回 居眠り運転をしやすい“魔の時間帯” | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

また、高速道路上で発生しやすいのは次のような事故です。
眠気を感じているときは特に注意しましょう。
【高速道路で発生しやすい事故】

・片側1車線の簡易分離区間で反対車線にはみ出し、対向車と衝突 ・逆走してきた自動車と衝突

・本線や路肩に停車している車や、路上に降り立った人に衝突 ・ガードレールなどに衝突したことで、車外へ放り出される

・渋滞により減速または停止した自動車に、後続車両が追突

・二輪車が関係する事故(ほかの車両と衝突して転倒するするなど)

■出典:高速道路運転中にまさかの事故! 高速道路の安全ドライブ 3つのポイント | 暮らしに役立つ情報

 

軽い運動

1つ目は、身体を動かして眠気をとる方法です。
眠気は副交感神経や交感神経と関係があります。
副交感神経が優位になると眠くなるため、身体を動かすことで交感神経を優位にしようという作戦です。
身体を動かすことで、頭がすっきりするといった効果もあります。

 

洗顔

2つ目は、冷水で顔を洗うことです。
冷たいという刺激を脳に与えることで、眠気を覚ますという方法です。
なかには「ペットボトルの水を買ってきて、顔にかける」「(冬場に)窓を全開にして走る」といったドライバーもいます。

 

カフェイン摂取

3つ目は、カフェインを摂取する方法です。
カフェインの効果が表れるまでには、15分程度かかるといわれています。
「仮眠をとる前にカフェインを摂ると、すっきり目覚められる」と言われることがありますが、これはカフェインの眠気を覚ます効果が出るまでに時間がかかるためです。
カフェインはコーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに多く含まれています。
ただし、カフェインの大量摂取は身体に悪影響を及ぼすため、摂りすぎに気をつけましょう(過去には、カフェイン中毒による死亡事故も発生しています)。
健康な成人の場合、カフェイン摂取量の限度は1日あたり400mgです。
カフェイン摂取のほかに、スルメなどの硬い食べ物を噛む、スナック菓子を食べる(食べるときに、単調な動作にならないお菓子であることがポイント)といった意見もありました。
■出典:食品中のカフェイン

 

好きな歌を歌う

4つ目は、歌ったり叫んだりする方法です。
大声を出すことで眠気を覚ますという方法は、ドライバーあるあるのようです。
このほかに、顔や身体をつねったり叩いたりして眠気を覚ますといった方法も、ドライバーあるあるのようでした。

 

長距離ドライバーの仮眠とは

仮眠

トラック内で仮眠をとる方法と、トラックドライバーにおすすめの睡眠術を紹介します。

 

仮眠室の場所は?

トラックの仮眠室(寝台)は、フルキャブであれば運転席後部に、ショートキャブであれば天井にあります。
ただし、ショートキャブには寝台がないタイプもあります。
長距離ドライバーが利用するトラックの多くは、フルキャブです。
フルキャブの寝台の広さは60×20cm程度です。

 

快適に寝る方法

トラック内で快適に眠る方法を3つ紹介します。
なお、眠気をとるために仮眠する場合、15分〜30分以内の長さで眠ると良いとされています。
これは30分以上仮眠をとると、脳や身体が眠る態勢に入ってしまい、眠気をさらに感じやすくなるためです。
仮眠をとるときは、この時間の長さも意識してみてください。

 

自分に合った寝具を用意する

快適に眠るために、自分に合った寝具を用意しましょう。
好みに合わせて、マットレスや布団、枕などを選ぶと快適さがアップします。
このトラック用の寝具は、トラック用品の専門店やネットショップなどで購入することができます。

 

光の調節を行う

日中に仮眠をとるケースに備えて、遮光カーテンを設置しましょう。
遮光カーテンが用意できないときは、アイマスクを活用する方法もあります。

 

室温対策をする

トラックの車内は乗用車と同様に、夏は高温になり、冬は冷え込みます。
そのため、眠りの質を高めるためには、室温対策が欠かせません。
その一方で、ドライバーがエンジンをかけっぱなしにする(アイドリング)と、迷惑行為として苦情を言われることがあります。
なかにはアイドリングが禁止されている場所もあります。
そのため、冬場は電気毛布や寝袋、運転席で休憩時にも使用できるブランケットなどを用意しておきましょう。
このほかにも、断熱シートを使って保温したり、寝袋にカイロを入れたり(低温やけどに注意)する方法もあります。
夏場は「扇風機やうちわでしのぐ」「日陰に駐車する」などの方法で対処しているドライバーが多いようですが、熱中症になる危険性が高いため、室温が高いときはできる限り車外の涼しい場所で休んでください。
過去には、荷待ち中に熱中症で死亡したトラックドライバーもいます。
室温対策はもちろん、水分補給も忘れずに行いましょう。

 

まとめ

運転中に眠気を感じたら、居眠り運転をして事故を起こさないために、なるべく早く仮眠などの休憩をとりましょう。
どうしても運転を中断できないときに備えて、眠気覚ましになる食べ物や飲み物を用意しておくことも大切です。
もし車内に何もないときは、大声を出して脳に刺激を与えましょう。

 

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