物流業界では空輸、開運、陸運とありますが、この中で一番取り扱いが多いのは陸運です。
この陸運を支えているのがトラックドライバーであり、トラックドライバーは物流にはかかせない存在です。
近年、配送技術も進歩をとげており、今後トラックドライバーは必要なくなるのではないかという心配があります。
トラックドライバーの将来性はどうなのでしょうか。
ここでは、トラックドライバーの将来性について、トラックドライバーの実情はどうなのか解説し、キャリアップが見込める資格などを紹介します。
ドライバーは将来なくなる仕事?
トラックドライバー不足であることが問題となっています。
このまま人手不足が続いてしまうと、運送業自体の将来性が不安です。
トラックドライバーの仕事も将来、なくなってしまうかもしれないという不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
10年後の運送業がどのような状況になっているかはこれからの改善、対策によって変わってきます。
ここでは、テクノロジーとの関係性や人手不足が深刻であることについて解説します。
テクノロジーとの関係性
昨今では、人工知能などによるテクノロジー技術が発達していることから、テクノロジーが人間の仕事を奪ってしまうという言葉が多く聞かれるようになっています。
このため、トラックドライバーの将来性がないということも聞くようになっています。
自動運転の機能が発達してきており、トラックドライバーを雇わなくても仕事は可能になるかもしれません。
しかし、万が一コンピュータシステムがトラブルを起こしてしまった場合に大惨事になる可能性があります。
人工知能などによる自動運転の機能が、トラックドライバーの仕事を奪ってしまうということは、まだ時間はかかるでしょう。
■出典:ジョブコンプラスD
人手不足が深刻
テクノロジー技術が発達していることから、自動運転機能のトラックを使用することができます。
テクノロジーを使う原因として、ドライバーをする人手不足が深刻化されています。
トラックドライバーは長時間の長距離運転が必要であり、勤務体系も不規則なことが多いため、仕事はきついと思っている人も少なくありません。
その結果、若手ドライバーの確保が厳しくなり、人手不足を引き起こしてしまうこともあります。
課題を改善するための取り組みを始めており、今後採用が活発化することが見込まれます。
また女性のドライバーは大変貴重な人材となっており、国でも女性の活躍を促進するための活動もあり、活躍の場は多くなるでしょう。
■出典:ジョブコンプラスD
ドライバーの仕事の実情
トラックドライバーの仕事はきついと思われていますが、実際にトラックドライバーの仕事の実情とはどういったものなのでしょうか。
ここでは、トラックドライバーの仕事の実情について解説します。
きつい仕事なのか?
トラックドライバーの仕事といえば、納期通りに荷物を運ばなければならない仕事であり、深夜や早朝時間に仕事をすることも多いからです。
昨今では、ネットショッピングなどによる即日郵送などが増えているため仕事の量は増えてきています。
■出典:ジョブコンプラスD
長時間労働
トラックドライバーは、短距離での運送を担当するドライバーと長距離での運送を担当するドライバーがいます。
短距離や長距離にしてもトラックドライバーとして総合的にみると、労働時間が長くなりやすい仕事です。
長時間労働は体力的にも精神的にも大きな負担がかかり、長く働きたいという人にとっては障害となることがあります。
長時間になりやすいトラックドライバーの労働状況を考えて、トラックドライバーの拘束時間は1日13時間を基準として最大16時間と決められています。
1日に15時間以上働けるのは週2回まで、連続運転は最大でも4時間です。
■出典:厚生労働省労働基準局
休憩時間が不規則
長時間になりやすいトラックドライバーの労働状況を考えて、トラックドライバーの拘束時間は決まっていると解説しましたが、休憩時間についても決められています。
休息時間は基本的に1日に8時間以上、身体を休めることが決められていることです。
運転している時間、拘束時間が長期化しやすいため、思うように休息時間を取ることができない企業が多いです。
事故などによるリスク
トラックドライバーの仕事として、事故などによるリスクが高いことです。
トラックドライバーに限らず、運転する場合には事故などによるリスクはつきものですが、長時間の運転、長距離の運転を続けるとリスクは高くなります。
違反をしてしまう事故の場合には免停になってしまうこともあり、運転ができなくなってしまうと仕事もできなくなるでしょう。
また事故損害など会社責任とすることもありますが、自己責任として車の修理代など含めて対応をしないといけない会社もあります。
キャリアアップが見込めるか
トラックドライバーは長く勤めていたとしても、キャリアアップが見込めないという先入観を持っている人が多いです。
例えば、将来を見越して、有利な資格を取得することでキャリアアップが見込めます。
有利な資格を取得することで仕事の幅なども広がり、増えていくでしょう。
キャリアアップが見込める資格
トラックドライバーとしては普通自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許を保有していれば問題ありません。
トラックドライバーの仕事に就こうと考えている人、転職を考えている人にとっては事前に取得しておくことで転職なども有利に進めることができるでしょう。
ここでは、キャリアアップが見込める資格を4つ解説します。
フォークリフト運転技能者
キャリアアップが見込める資格として大型トラックドライバーへの就職、転職を考えている人にとって有利に進めてくれる資格で、フォークリフト運転技能者があります。
フォークリフト運転技能者とは、フォークリフトと呼ばれている車を運転できるようになる資格です。
段ボールや荷物を板の上にひとまとめにした「パレット」と呼ばれる板を積み込み、積み下ろすときに役に立ちます。
フォークリフトを運転するには、フォークリフト運転技能者の資格を保有していないと運転することはできません。
整備管理者
キャリアアップが見込める資格として、整備管理者があります。
この整備管理者も大型トラックドライバーへの就職、転職を考えている人にとって有利に進めてくれる資格の1つです。
整備管理者とは事業用の車が業務に耐えることができ、安全に走ることができるような状態に整備したり管理したりするための資格です。
具体的には点検や整備などの計画を考えたり、点検や整備の記録簿などを管理したり、事業用の車の車庫管理などを行います。
運行管理者資格
キャリアアップが見込める資格として、運行管理者資格があります。
運行管理者資格も大型トラックドライバーへの就職、転職を考えている人にとっては有利に進めることができる資格の1つです。
運行管理者資格とは、ドライバーが安心して仕事に集中できるように事業用の車や人の配置や管理をするための資格です。
安全運転管理者資格というのもあり、運行管理者資格は緑ナンバーである事業用の車を管理する資格になります。
安全運転管理者資格は、白ナンバーである乗用車を管理する資格です。
危険物取扱者
キャリアアップが見込める資格として、危険物取扱者があります。
危険物取扱者の資格も大型トラックドライバーへの就職、転職を考えている人にとっては有利となる資格です。
危険物取扱者の資格とは、車の燃料、化学薬品などよく耳にする危険物というものを扱うための知識を持っていることの証明をする資格です。
この危険物取扱者には甲種、乙種、丙種の3段階に分かれており、保有している資格によって取り扱うことができる危険物が変わってきます。
まとめ
ここでは、トラックドライバーの将来性はあるのかどうかについて、テクノロジーとの関係 キャリアアップが見込める資格には、どういうものがあるのか解説してきました。
将来を考えて他の資格や免許があれば働き方やキャリアアップへの選択も変わってきます。
キャリアアップが見込める資格については、キャリア計画などをして行っていきましょう。