車を運転する最中に、様々な車を乗せているキャリアカーを見た経験がある人は多いと思います。
「キャリアカーにはどのような種類があるのだろう」「積載量や荷台のサイズについて知りたい」という方も居るでしょう。
この記事では、キャリアカーの種類や運転のために取得するべき免許、積載量や荷台のサイズについて解説します。
キャリアカーの種類・免許
キャリアカーには様々な種類が存在しますが、よく知らないという方も多いでしょう。
また運転するためには、どのような免許を取得する必要があるのか気になると思います。
キャリアカーの種類や取得しなければならない免許について解説します。
トレーラータイプ
トレーラータイプは、積載車両数が最大6台でトレーラーを牽引するキャリアカーです。
トレーラータイプ専用の免許はありませんが、大型トラック同様に大型免許の取得と、トラクタでトレーラーを牽引する必要があるため、大型免許とは別に牽引免許を取得しておく必要があります。
牽引免許は、車両重量が750kgを超えるトレーラーを車と連結して運転するために必要となる免許です。
運転免許センターで実技のみで取得が可能で、18歳以上で普通・大型・大型特殊のいずれかの保有条件となっています。
ローダー
普段よく使用されるトラックと同じように車両本体が荷台と一体化しており、積載台数が一台となっています。
基本的には2tトラックがベースとなるため、一般的なトラックと大差がありません。
ローダーは車を一台のみしか乗せられないため、多数の車を運送したい時に難しい点がデメリットとなります。
また種類は様々なので、車両総重量や最大積載量によって取得するべき免許が普通や中型、大型と異なります。
整備工場などで使用されており、キャリアカーの中でも比較的よく目にするケースが多いです。
基本的に普通免許での運転が可能なため、他の車両と比較すると扱いやすい車両です。
単車
単車は積載台数が二台〜五台とローダーと比較して複数台の車を積むことが可能です。
三台積みや四台積みのように「×台積み(だいづみ)」と積載台数によって呼び方が異なることがあります。
単車は車体が大きいため、運転には大型免許を取得する必要があります。
単車の利用により、以下のようなメリットを得られるでしょう。
・幅広い用途での利用が可能 ・牽引免許が不要 単車の牽引免許が不要なことは、トレーラーのように取得しなければならないものと比較して時間や労力を要しません。
また2段式構成ですが、1段式への変形が可能など幅広い用途で利用できます。
ただし単車は、トレーラーと比較すると運搬できる車両数が少ない点がデメリットとなります。
キャリアカーの積載量や荷台のサイズは?
三種類のキャリアカーにはどのくらいの積載量や荷台のサイズがあるのか気になる人も多いと思います。
次に、積載量や荷台のサイズについて紹介します。
トレーラータイプ
トレーラータイプは、積載台数が最大で6台までです。
トレーラータイプにはフルトレーラーとセミトレーラーが存在しており、それぞれ寸法や最大積載量が異なります。
フルトレーラーとは最低でも二軸保有しており、車両に備わっているタイヤなどの走行装置によって、トレーラー本体の重量を支えられるトレーラーのことです。
一方でセミトレーラーは、連結装置が負荷する垂直荷重がトレーラーの車両総重量を10%超過するトレーラのことを指します。
フルトレーラーの場合、寸法が連結した際の全長が18m以内、全幅2.5m以内、全高3.8m以内です。
制限を超える場合、特殊車両通行許可を得ることで全長を25mまで延長できます。
ただし、大型免許及び牽引免許を取得してから5年経過など条件があるため注意しましょう。
セミトレーラーの場合は寸法が2.5m以内かつ全高3.8m以内であり、高さと幅における制限はフルトレーラーと変わりません。
また全長は16.5m以内と決まっており、特殊車両通行許可を得ることで最大18mまで延長できます。
ローダー
ローダーは積載台数が一台のキャリアカーです。
2〜3t程度のトラックをベースとしており、サイズもさほど変わりません。
ローダーのサイズの大胆な目安としては以下の通りです。
種類 | 全長 | 全幅 | 全高 | 最大積載量 | 車両総重量 |
ローダー | 4.7m以内 | 1.7m以内 | 2m以内 | 3t以内 |
5t以内 |
単車
単車タイプのキャリアカーでは、基本的に中型や大型トラックの8〜25tトラックをベースとしています。
大型トラックのサイズは以下の通りです。
種類 | 全長 | 全幅 | 全高 | 最大積載量 | 車両総重量 |
単車 | 12m以内 | 25m以内 | 38m以内 | 6.5t以上 |
11t以上 |
キャリアカーの固定方法
キャリアカーは車をどのようにして固定しているのか気になる人は多いと思います。
車両が道路に落ちてしまうと事故に発展する可能性もあるためより一層気になるでしょう。
ニュース速報Japanによると、実際に2018年に東京都の首都高速にて運搬車の車両が落下して後方の大型トラックと接触する事故が起きています。
キャリアカーは道路の曲線などで遠心力により車両が動き傷ついたり、落下したりするのを防がなければなりません。
固定するには積載車両のタイヤをワイヤーやベルトで拘束し、運搬車のフックと連結させて固定させます。
車両固定時にはタイヤストッパーに密着させて積み込みを行い、フックを正確な位置に掛けます。
そして荷物締め機を用いて、ワイヤーやベルトで車両をキャリアカーに固定させましょう。
この際、積む車両と別車両の間隔は最小で10cm程度が目安です。
出典:ニュース速報Japan
キャリアカーのよくある質問
キャリアカーに関してよくある質問について回答します。
どうやって載せているの?
そもそもキャリアカーにどのようにして車両を載せているのか気になると思います。
キャリアカーは以下の手順で車両の積み込みを行います。
1.キャリアカーの上段部分を下げる 2.ラインに合わせて自走して積み込む 3.上段に積み終えたら上段部分を上げて下段に積み込む 4.各車両を固定する キャリアカーは複数台載せられるものの場合、上段・下段の二段構成になっています。
まずは上段部分のレーンを道路の高さまで下げてから車を載せやすい状態を作ります。
その際、レーンが外れてしまったりしないように気をつけましょう。
上段を下ろしたらレーンに沿って運転手が自ら積み込みを行います。
この際にレーンから脱輪してしまわないように十分気をつけてください。
うまく載せることができたら、上段の車両を固定します。
固定が終われば下段も同じように積み込み作業を行います。
最後に、下段の車両が曲線などの遠心力によって傷ついたりしないように念入りに固定しましょう。
降ろし方は?
キャリアカーから降ろす手順は、以下の通りです。
1.各車両の固定を解く 2.下段から車両を降ろす 3.上段の車両を降ろす まず、各車両の固定を解きます。
固定を外す際には、ベルトなどが車両に当たってしまい傷をつけたりしないように細心の注意を払うようにしましょう。
そしてまずは下段の車から降ろします。
なぜ下段から降ろすのかですが、仮に上段から降ろすと落ちてしまった場合に大惨事になる可能性があるためです。
下段を降ろし終えたら最後に上段部分の車両を降ろします。
まとめ
この記事では、キャリアカーの種類や免許、積載量や荷台のサイズのほか車両の載せ方や降ろし方について解説しました。
キャリアカーは、3種類に分けられサイズや最大積載量の制限、必要な免許等が異なります。
また固定方法や車両の載せ方・降ろし方については、レーンからはみ出たりしないようにするなど気をつけるべきポイントがあるため抑えておきましょう。
特に固定が適切でない場合、車両の破損や落下による事故に繋がることも考えられるため注意が必要です。