トラックドライバーの食事とは?健康的な食事を取る際の注意点も紹介!

コラム

トラックドライバーはいつ、どのように食事をとっているのでしょうか。
ドライバーの仕事に興味がある方や、短距離または長距離への転職を考えている方に向けて、トラックドライバーの食事事情を紹介します。

 

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トラックドライバーの食事は?

トラックドライバーの食事は?

トラックドライバーが「いつ、どこで、どのような」食事をとっているのか見ていきましょう。

 

いつ食事を取るの?

休憩時間や休息期間に食事をとります。
ただし、特に長距離ドライバーの場合、食事時間が不規則になりやすい傾向があります。

 

短距離ドライバー

食事は休憩時間にとります。
ただし、休憩時間が設定されていない会社もあります。
例えば、下表は全て短距離ドライバー(正社員)の勤務時間です。
【勤務時間と休憩時間の例】

職種 仕事内容 勤務時間 休憩時間

中型ドライバー

ピストン輸送 4:00~15:00(実働8時間) 2時間
中型ドライバー ルート回収 8:00~18:00 2時間
小型ドライバー 資材の運搬(※) 8:00~17:00 個々で自由に取得

※「資材の積込み→配送→荷卸し」を1日に数回繰り返す仕事です。
この間に、休憩や昼食をとることになります。

 

長距離ドライバー

食事は休憩時間や休息期間にとります。
運行ルートなどによって時間配分が変わるため、決まった時間に食事をとることは難しいでしょう。
なかには「食事をとる時間がなかった」というドライバーもいます。
2泊3日以上の運行の場合、休憩や休息は実際の道路状況にもよりますが、基本的には運行指示書や運行管理者の指示に従ってとります。
自分で管理しなければならない場合は、430(※)に注意が必要です。
※連続4時間運転したら、30分以上運転を中断しなければならないという決まりのことです。
中断時間は分割してとれますが、1回につき10分以上としなければなりません。

 

ドライバーの主な食事

短距離ドライバーの場合、職場によって食事事情は大きく異なります。
なかには早朝と夕方に働いて、その合間は休憩という職場や、早朝から昼過ぎまでの勤務という職場もあります(スーパーなどへの食品配送)。
この場合、家に帰って食事をとることも可能です。
さらに一般的な勤務時間(5:00~16:00など)であっても、会社に戻って昼食をとるドライバーもいれば、道中で済ませるドライバーもいます。
そのため、どこで食べるかは勤務内容によるでしょう。
「ゆっくり食べる時間がない」というドライバーには、腹持ちがよく短時間で食べられるものが人気です。
この点は長距離ドライバーとも共通しています。
もう1つ共通する点は、手作りのお弁当やおにぎりなどを持参するドライバーがいることです。
理由は人によってさまざまですが、世帯持ちのドライバーに関しては、「食費を抑えるため」という理由が多い印象です。
このように短距離ドライバーの食事事情は、職場や勤務内容による部分が大きいため、ここからは長距離ドライバーを中心にお話しします。

 

コンビニ

現在は、大型トラックが駐車できるコンビニも増えました。
コンビニを利用する長距離ドライバーが多い最大の理由は、飲食店が閉まっている時間帯でも食事にありつけることではないでしょうか。
ホットスナックやカップ麺、なかには納豆を購入したというドライバーもいますが、定番はお弁当やおにぎりです。
コンビニの店舗数そのものも増加していて、2005年時点では4万件弱だった店舗数が、現在では5万件を上回っています。
NAVITIMEの検索結果によると、47都道府県全てに(最も少ない県でも80件以上)、大型車が駐車できるコンビニがあるとのことです。
■参考: コンビニエンスストア 統計データ|一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会 全国のコンビニ(大型車対応)一覧 - NAVITIME

 

ファミレス

ファミレスを利用しているドライバーもいます。
ただし、大型車に対応しているファミレスは少ないというのが現状です。
一般的な(つまり、乗用車の利用を想定している)駐車場の場合、軽トラックであれば問題なく駐車できます。
小型トラックもぎりぎり駐車可能でしょう。
しかし、中型以上のトラックになると、駐車スペースからはみ出してしまいます。
長距離ドライバーは、中型以上のトラックで乗務することが一般的です。
そのため一般道路でコンビニ以外となると、ファミレスよりも、トラックが駐車できる食堂や道の駅を利用しているケースのほうが多いように思います。

 

ファストフード

ファストフードもファミレスと同じ理由から、小型ドライバーの利用が中心です。
ハンバーガーチェーン店のほか、牛丼チェーン店やラーメン店もよく利用されています。
軽トラックであれば、ドライブスルーも可能です。

 

サービスエリア

高速道路で食事をとるときは、サービスエリアを利用します。
サービスエリアは、「その日の仕事を終えて、食事をとり、そのまま車内で休む」というときに利用するドライバーが多い印象です。
温かい食事をとれることが魅力ではありますが、なかには食費を抑えるために、あえてサービスエリア内のコンビニを利用しているというドライバーもいました。

 

物流センター内の食堂

特殊なケースですが、納品先の物流センター内の食堂で食事をとれることがあります。
ただし、社員しか利用できない食堂もあるため、確認が必要です。

 

トラック飯を作っている人も

これも特殊なケースですが、なかにはトラック飯(トラック車内で自炊すること)を楽しんでいるドライバーもいます。
SNSでは、車載用炊飯器などを使用して作る、さまざま料理が紹介されています。
トラック飯は少数派ですが、車載用ポットで、カップ麺やカップの味噌汁などに湯を注いで食べた経験があるドライバーは珍しくありません。

 

食事を取るときの注意点

食事を取るときの注意点

ここでは5つの注意点を説明します。

 

居眠り運転に気を付けよう

食後に眠くなる理由にはさまざまな説があり、まだ解明されていませんが、その中に血糖値が関係しているという説があります。
ブドウ糖の量が多い食事によって血糖値が急上昇すると、インスリン(血糖値を下げる物質)が大量に分泌され、その結果血糖値が急降下します。
こうして血糖値が下がることで、脳のエネルギー源である「ブドウ糖」が一時的に不足するため、眠くなるという仕組みです。
血糖値の上昇は、食事のとり方で抑えることができるといわれています。
さまざまな方法があるようですが、比較的取り入れやすいのが、食物繊維の多い野菜から食べるという方法です。
ご飯を食べる前に野菜サラダを食べると、血糖値の上昇が抑えられるという結果が報告されています。
■参考:野菜サラダを先に食べると急激な血糖値の上昇が抑えられる要因を明らかに

 

栄養バランスに気を付けよう

トラックドライバーは、手早く食べられるものや炭水化物が多い食事をとる傾向があると指摘されています。
下表を参考に、「主食、副菜、主菜」の3つがそろっているか確認してみましょう。
 

  食品例 とりたい栄養素 役割
主食 ご飯、パン、麺 炭水化物 エネルギー源になる
副菜 野菜、きのこ、海藻 ビタミン、ミネラル、食物繊維 体の調子を整える
主菜 肉、魚、卵 たんぱく質、脂質 体をつくる

 

ごみは分別すること

コンビニなどで、お弁当の容器やペットボトルといったごみを捨てるときは、分別が必要です。
すぐにごみを捨てられないときもあるため、ごみ袋を携帯しておきましょう。
場所によって分別方法は異なりますが、すぐにごみを捨てられないときは、次の4つに分けておくと良いでしょう。
・割り箸や生ごみ

・プラスチック類(お弁当の容器、ペットボトルのキャップやラベルなど)

・ペットボトル本体

・ビンやカン

車内に食べ物のにおいが充満しないように、ごみはごみ袋に入れて口を結んでおきます。
袋を2重にしたり、袋の口をねじってから結んだりと工夫することで、においが漏れにくくなります。
※なお、ポイ捨ては犯罪です。

 

運転中の食事はNG

食べながら、飲みながらの運転は、安全運転義務違反となることがあります(道路交通法第70条)。
しかし、実際には運転中にしか食事をとる時間がないドライバーもいます。
運転中の食事を避けたほうがいい理由は、ハンドルやブレーキの操作が正しく行えなくなる可能性があるためです。
例えば、運転中に食べていたカップ麺をこぼしてしまった少年が、ハンドル操作を誤り、コンビニに突っ込むという事故が起きています。
プロのドライバーが、運転中にカップ麺を食べることはないとしても、おにぎりやお菓子なら食べたことがあるという人はいるでしょう。
必ず違反になるわけではありませんが、事故につながることもあるため、基本的にはおすすめしません。

 

飲酒は絶対にダメ

飲酒運転をした場合、事故を起こさずとも、次の刑事罰や行政処分を受けることになります。
失業だけでなく、生活や家庭が崩壊したケースも珍しくありません。
絶対にやめましょう。
 

  刑事罰 行政処分
酒酔い運転 5年以下の懲役または100万円以下の罰金 免許取り消し(欠格期間3年)
酒気帯び運転 3年以下の懲役または50万円以下の罰金

免許取り消し(欠格期間2年)

または90日間の免許停止

※上表は前歴0回の場合 一般的に、1時間で分解できるアルコールの量は「体重×0.1g程度」といわれています。
体重60kgの人が、純アルコール量20gの缶ビールを飲んだ場合、アルコールが消えるまでに3時間以上かかるという計算になります。
ただしアルコールの代謝にかかる時間は個人差があり、年齢や体質、体調など多くの要因が関係しているため、勤務時間前の飲酒はやめましょう。
仮眠前の飲酒も厳禁です。
■参考:順調だった人生が一転…飲酒事故起こし「職失い家族は離れ離れ」加害者の手記を公開

 

まとめ

トラックドライバーの食事事情は、短距離か長距離かによって大きく異なります。
共通する点は、早食いのドライバーが多いことや、炭水化物が多い食事になりやすいことです。
意識して肉や野菜などもとるようにしましょう。
また、長距離ドライバーの場合は駐車場所に困るケースが出てきます。
トラックを停められる店が近くにない場合に備えて、車内に非常食を積んでおきましょう。

 

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