深夜に走っている車を見ると、多くがトラックです。
「トラックドライバーは、なぜ深夜勤務をするのか?深夜勤務のメリット・デメリットには何があるのか?」などの疑問を持っている方もいるでしょう。
本記事を読むことで、深夜勤務のドライバーの種類や現状についても知ることが可能です。
深夜に働くトラックドライバーの種類
深夜に働くトラックドライバーは、主にどのような場所へ荷物の配送を行っているのでしょうか。
ここからは、深夜勤務のドライバーの種類について解説します。
スーパーやコンビニなどの配送納品
スーパーやコンビニなどへの配送納品は、主に4tトラックが使用されています。
スーパーへの配送は、夜間に行われることが多いです。
お客様が店内にいない間に、商品の陳列を終えていなければならないため、開店前に商品の配送を済ませることが必要となります。
荷下ろしは、スーパーの店員が手伝ってくれる場合もありますが、ドライバーが1人で行うことが多いです。
コンビニは、24時間営業の場合が多いため、1日のうちに納品するタイミングが3~4回ほどあります。
そのうち夜間の納品は、深夜勤務のドライバーが行うこととなります。
コンビニ配送の場合、マニュアルが細かく決まっているため、納品方法を覚えることが必要です。
運送会社の夜間配送
配送は、近くの小売業者に商品を届けるもので、配送距離は短い場合が多くなっています。
しかし、運送会社への夜間配送の場合、大きな荷物が増えたり、距離が長くなることが多く、荷積みや荷下ろしは、ドライバー自身が行う場合がほとんどです。
さらに、夜間の配送であるため視認性が悪く、運転する際には集中力が必要となります。
そのため、身体への負担が大きく、疲労がたまりやすいです。
運送会社への夜間配送では、距離が長くなり大きい荷物が増えるため、積載量の観点から中型、または大型のトラックが使用されることが多いです。
深夜に働くことのメリット・デメリット
「夜に働くことで、何かメリットはあるのか?昼間の方が、健康的にも良いのではないか?」などの疑問を持っている方もいるでしょう。
ここからは、深夜勤務にはどのようなメリットやデメリットがあるのか、について解説します。
深夜に働くことのメリット
まずは、深夜に働くことで得られるメリットについて紹介していきます。
渋滞に巻き込まれない
昼間の道路は、一般車が多いため突然の渋滞などにより、納品予定時間に遅れる心配があります。
また、トラックを運転するうえで周りに車が多いと、車線の合流やに気を遣うことが多いです。
しかし、夜の道路は、交通量がかなり少ないため気を遣うこともなく、配送途中に渋滞に巻き込まれることもほぼありません。
深夜の道路状況では「渋滞していて配送時間に間に合わない」のようなことは起こらず、予定通りに配送を終えることが可能なため、ストレスを感じることが少なくなります。
役所や銀行、病院に行きやすい
夜間に働いているため、昼間の時間を自由に使うことができるメリットがあります。
役所や銀行、病院などは土日祝は休みであることや混んでいる場合が多く、不便をした経験がある方もいるのではないでしょうか。
夜間の配送を午前中に終えることで、以降の時間は自由に使うことが可能です。
そのため、休みであったり混んでいることの多い役所や銀行、病院などに行きやすくなります。
家族や子どもと一緒の時間が作れる
平日昼間に勤務している方であれば、以下のような悩みを感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
・子どもの運動会などの学校行事に参加できない ・帰宅する頃には子どもが寝てしまっている ・家族と過ごす時間がほとんどない 家族と過ごす時間は大切にしたいものです。
しかし、深夜勤務であれば日中の時間を自由に使えるため、上記のような悩みを持つことはありません。
子どもと過ごす時間が増えることで成長を身近に感じることができ、素敵な思い出を作ることができるでしょう。
深夜手当がつく
深夜勤務であれば、深夜手当がつくことがメリットです。
深夜とは、午後10時から午前5時までの時間のことで、深夜時間の労働に対しては通常の賃金の2割5分以上が支払われます。
昼間に勤務する場合に比べて深夜勤務であれば、深夜手当がつくため同じ時間働いていても貰える給与額が1.25倍以上になります。
そのため、時間効率を良くして働きたい方には、おすすめできる職業です。
参考:法定労働時間と割増賃金について教えてください。|厚生労働省
深夜に働くことのデメリット
深夜勤務のドライバーには、どのようなデメリットがあるのかを解説していきます。
生活リズムが逆転する
通常であれば、夜に寝て朝起きて仕事に向かうのですが、深夜ドライバーは、夜に勤務をスタートし昼間に寝ることとなります。
太陽が出ている昼間に寝ることになるため、上手く眠りにつくことができないなどのデメリットがあります。
そのため、昼夜逆転し生活リズムが崩れてしまい、体調を崩すことも少なくないです。
疲れやストレスが溜まりやすい
昼夜逆転により、生活リズムが崩れるため、体に負担がかかります。
日光を浴びる時間も少なくなるため、ビタミン合成や自律神経機能の狂いなど体の機能がうまく働かなくなるため体調不良になりやすいです。
このようなことが毎日続くことで、疲れやストレスが溜まることになります。
家族とすれ違いになる可能性がある
深夜勤務後に起きていれば家族と過ごす時間を確保できますが、日中に寝ている場合は逆に家族との時間を過ごすことができません。
家族と過ごす時間を確保するために睡眠時間を削ると、深夜勤務中の運転に支障が出て事故につながりかねません。
睡眠時間を確保することを考えると、家族とのすれ違いが増える可能性が考えられます。
高速道路の深夜料金見直し
高速道路には、深夜料金割引があります。
深夜料金割引を利用している一般の方は少なく、ほとんどが深夜勤務のドライバーです。
そのため、深夜勤務のドライバーは、高速道路の深夜料金見直しの影響を大きく受けます。
制度の見直し内容と、深夜ドライバーへの影響について解説します。
制度の見直し内容
現行の制度では、深夜0時から4時の間に高速道路内にいれば、走行してきた距離を含めた高速代の料金が3割引きになるというものです。
今回の制度見直しの内容は、22時から5時までに走った距離のみに対して3割引きが適用されるというものです。
一部のトラック協会からは、再考案が必要であることが伝えられましたが、残念ながら変わらず終いでした。
ドライバーへの影響
高速道路料金は、ドライバーが個人で負担しているため、割引が適用される時間まで待つことになります。
今までの制度であれば、割引適用開始の0時に高速道路を出て、納品先周辺で朝まで休憩を取ることが可能です。
しかし、制度見直しにより適用条件が変われば、割引適用時間の午後22時から午前5時までの間、トラックを走らせ昼間に休憩をとる方が増えることが予想されます。
まとめ
深夜勤務では、給料が高いことや、平日昼間の時間が自由に使えるなどのメリットがあり、デメリットには、生活リズムが崩れることや疲れ・ストレスが溜まることなどがあります。
また、高速道路の深夜料金見直しにより、深夜勤務のドライバーに不利になることが予想されます。
深夜勤務のドライバーになりたい方は、メリットやデメリットなどを理解したうえで検討しましょう。