トラックの積載率は減少傾向!原因と積載率向上施策を紹介!

コラム

トラックは、物流にとって欠かせない輸送手段で、荷物の運搬によって私たちの生活が守られています。
トラックに荷物をどのように積載するか(積載率の向上)によって、より効率の良い輸送を目指している企業も多くなっているでしょう。
この記事では、積載率や積載率が減少傾向にある理由、向上させるための方法について紹介します。

 

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トラックの積載率とは?

トラックの積載率を知って、トラックの荷物を効率的に積み込みましょう。

 

積載率とは

積載率というのは、輸送効率を表す指標の一つです。
トラックには、それぞれ最大積載量というのがありますが、全てのトラックが最大積載量で荷物を運んでいるわけではありません。
トラック一台の最大積載量に対して、どのくらいの荷物を運んだのかを算出したものが積載率です。
トラックに最大積載量限界まで荷物を積んでいる場合には100%で、荷物が全く乗っていない状態であれば0%です。
積載率とは、行きと帰りの積載率で平均した数値になります。

 

積載率の計算方法

積載率は、積載重量を把握して最大積載量を基に、「積載率=積載重量 ÷ 最大積載重量 × 100」という計算方法で算出します。
例えば、トラックでの行きの積載重量が2トン、最大積載量が4トンなら「積載率=2÷4×100=50%」です。

 

近年の積載率の現状

近年の積載率の現状

近年の積載率の現状はどのようになっているのでしょうか。
積載率の現状を押さえて、積載率の向上に努めましょう。

 

積載率は減少傾向

国土交通省の調査結果では、1990年の積載率は約55%で、その後年々減少傾向が続き、2009年には積載率は40%となっています。
■出典:

物流を取り巻く動向と物流施策の現状について

国土交通省 自動車統計調査

 

積載率が減少傾向な理由

積載率は、割合の数値が高ければ輸送効率が良いと言えますが、近年の積載率は減少傾向が続いており、物流において深刻な問題となっています。
積載率が減少傾向となったのにはいくつかの理由があります。

■出典:

物流を取り巻く動向と物流施策の現状について

国土交通省 自動車統計調査

 

1件あたりの輸送の小口化

積載率の低下の要因は、物流に求められず必要性の多様化のために、少量で頻度の高い輸送になっているためです。
少ない荷物を頻度を高く輸送するために、長時間労働になるドライバーも多く、深刻化しているドライバー不足にもつながる結果になっています。

 

ドライバーの高齢化

トラックドライバーの高齢化も1つの理由です。
 

年齢 平成20年 平成30年
29歳以下 12.5% 9.3%
30~39歳 29.0% 17.6%
40~49歳 24.0% 31.1%
50~59歳 21.9% 24.9%
60歳以上 12.6% 16.6%

平成27年には、40歳以上のドライバーが約8割にもなっています。
肉体的な負担の軽減のために荷物の量を減らさなければならないため、積載率低下を招いています。
ドライバーの高齢化が進んでしまえば、さらに問題は深刻になっていくでしょう。
■出典:

国土交通省 トラック運送業の現状について

厚生労働省 自動車運転業務の現状

 

積載率を向上させるには

積載率を向上させるには

積載率の向上によって得られるメリットは、輸送コストの削減や物流の効率化、ドライバー不足の改善も実現可能です。
積載率を向上するための方法がいくつか挙げられます。

 

配送状況の正確な把握

社内でリアルタイムに配送状況の正確な情報共有ができるように、GPSによって状況を把握することは、積載率の向上に役立ちます。
ドライブレコーダーの利用も、配送ルートの最適化にとってメリットになるでしょう。

 

積載率の平準化

コスト面や配送時間を考慮して、各トラックが担当する積載率の最適な数値を設定しましょう。
常に各トラックの積載率を均等に近づける体制作りをして、自社の運用状況をみながら、実現可能な数値を積み重ねて改善していき、平準化を図ります。

 

荷主側との調整

荷主に協力を申し出て、配送の日程や時間指定の荷物の要件を緩和してもらう交渉の努力も必要です。
個別の配送が多くなった場合には、積載効率が低下するとともに、積載率も減少してしまう場合もあります。
そのため、他の配送先への積み込みや荷下ろしの作業と、日程や時間の予定を合わせると、積載率の向上や輸送の効率化が図れるでしょう。

 

共同配送

積載率の向上は、自社の取り組みはもちろんですが、運送業界全体で取り組めば、全体的な積載率の向上に繋がります。
共同配送とは、複数の物流企業や運送会社が、共同のトラックやコンテナで荷物を運ぶ契約を結んで輸送を協力します。
複数の荷主や物流会社が、メリットを共有できれば、共同配送の敷居は低くなるため、事業者間で連携し、他社と共同で荷物のまとめ積みを実施してみましょう。
行きや帰り道の積載率0%のトラックを減少させれば、積載率の向上が実現できるでしょう。
例をあげれば、大手加工食品メーカーは、各社子会社の物流会社の物流事業を統合しました。
2019年4月にF-LINE(株)を設立して、各メーカーの荷物の共同配送を共同で行っています。
■出典:F-LINE(株)

 

配送システムを利用する

配送システムを利用すれば、効率の良いルートの策定やリアルタイムでの情報収集が可能です。
ドライバーを管理するデータによって、トラックの積載率の良い効率的な配送を実現できます。
AI搭載型の配送システムの場合には、過去の配送データから最適なルートを策定できるメリットや、配車計画の自動更新が可能になります。

 

まとめ

この記事では、トラックの積載率について紹介しました。
トラックの積載率は、荷主の依頼内容や物流の多様化により、減少傾向にあります。
人手不足が深刻化しているトラック業界において積載率の向上は、問題の改善にも期待できます。
積載率向上のポイントを押さえて、実施してみましょう。

 

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