長距離ドライバーの生活とは?実際の口コミも合わせて調査

コラム

「きつい仕事」というイメージが強いのが長距離トラックドライバーです。
その仕事内容ややりがい、大変な点などを各種データや先輩ドライバーの声を交えて解説します。

 

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長距離ドライバーとは

厚生労働省告示の「改善基準告示」では、出発してから帰着するまでの走行距離450km以上の運行を、長距離貨物運送(つまり、長距離ドライバー)としています。
一方で、同省と国土交通省が実施した実態調査では、走行距離500km超の運行を長距離としています。
実際に何km以上を長距離と考えるかは、運送会社やドライバーによっても異なるため、長距離ドライバーの求人に応募する場合は、運行区間(東北、関東、関西など)を確認しておくと良いでしょう。
■出典:

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示) |厚生労働省

トラック輸送状況の実態調査結果(全体版)

 

仕事内容

長距離ドライバーの仕事は運転だけではありません。
トラックの点検や洗車、荷役(荷物の積卸しなどの作業)なども行います。
またドライバーには、労働基準法による休憩時間(8時間超の場合、1時間以上の休憩が必要)に加えて、4時間運転をしたら30分休憩をとることも義務付けられています。
休憩は、ドライバーの疲労による事故の発生を防ぐという意味でも大切です。
前述の実態調査によると、長距離ドライバーの拘束時間の平均値は16時間43分でした。
その主な内訳は、次のようになっています。
・運転:10時間33分

・荷役:2時間26分

・休憩:2時間13分

・手待ち:51分

・点検や点呼等:27分

・その他附帯作業等:7分

手待ちとは、荷物の積卸し時に発生する待ち時間のことで、荷待ちとも呼ばれます。
また附帯作業は、荷主(荷物の輸送を依頼した人)の仕事を手伝うことです。
例えば、倉庫内の棚に商品を入れる棚入れや、商品の仕分けなどが附帯作業に当たります。
なかには荷主の要望によって無償で実施しているケースがあり、長時間労働の一因となる荷待ちとともに、ドライバーの負担となっています。

 

勤務形態

長距離ドライバーの大半がフルタイムの正社員です。
勤務時間帯は、運送会社や運行ルートによって異なります。

 

やりがい

トラックドライバーを対象にしたアンケート調査において、ドライバーの仕事に就いた動機として多く挙がったのは、次の3つです。
・1位:車が好きだから(54.4%)

・2位:比較的収入が多いから(33.1%)

・3位:各地に行けるから(22.6%)

ドライバーの2人に1人以上が、「車が好き」という理由でこの仕事を選んでおり、トラックを運転できること自体がやりがいにつながっているといえます。
特に長距離ドライバーは、運転時間が長いため運転が好きでなければ務まりません。
■出典:プロドライバーの生活と意見~プロトラックドライバー2,405人に聞きました。

 

長距離ドライバーの実際の口コミ

長距離ドライバーの実際の口コミ

ドライバーになって良かった面と大変だった面について、現場の声を抜粋して紹介します。
【良かった面】

・一人で仕事をする時間が多いので、気楽

・行ってみたかった場所や初めての場所等、色々な場所に行ける

・待機等の隙間時間が多少あるので、自己研鑽の取り組みに割り振れる

・大きなトラックに乗って仕事をするのが、気持ちいい!

・大きな責任感の一方、社会を支えるやりがいも一塩 【大変だった面】

・関東関西を週3往復の繰り返しで、1週間家に帰れず、家庭もあるので正直辛かった

・所々に休憩入りますが、16時間は毎日やれるよって人じゃないと辛くなってくると思います

・食費が帰宅出来て弁当が持てる職種の倍かかります

■出典:

免許を取ってなりたい自分に。| あたりまえを、止めるな。| 一般社団法人神奈川県トラック協会 オフィシャルサイト

トラックドライバーの仕事はやめといた方がいいですか?長時間労働の...

 

長距離ドライバーが、ハードと言われる理由

長距離ドライバーが、ハードと言われる理由

長距離ドライバーが「きつい」とされる理由を4つ紹介します。

 

生活リズムが不規則になる

不規則な勤務によって、生活リズムが不規則になることが1つ目の理由です。
スケジュールは、運送会社や運行ルートによって千差万別ですが、一例として、2泊3日の運行の流れを紹介します。
【運行例】

1日目 10:00 荷積み
  10:30 トラックの点検
  10:50 乗務前点呼
  11:00 運転
  14:30 休憩
  15:00 運転
  19:00 休息
2日目 6:00 途中休憩をとりながら運転
  8:40 荷卸し
  9:10 運転
  10:00 休息
  19:00 帰り荷の荷積み
  21:30 運転
3日目 1:20 帰り荷の荷卸し(1回目)
  2:00 運転
  4:00 帰り荷の荷卸し(2回目)
  5:50 運転
  8:20 帰庫
  9:00 乗務後点呼

■出典:運行の流れ

長距離ドライバーの場合、食事を休憩時間に睡眠を休息期間にとります。
始業時間や終業時間も日によって異なります。
また、運行中は車内で寝泊まりする(トラック内のベッドで寝る)のが一般的です。
そのため、体が慣れるまでは大変だと思いますが、「毎日同じことを繰り返すのは退屈」だと感じる人にとっては、かえって魅力となる点かもしれません。

 

肉体労働が多い

運送会社や扱う荷物によっては、体力が必要です。
手積み手卸し(フォークリフトなどを使用せずに、ドライバーが手作業で積卸しを行うこと)がある運送会社の場合、体力が求められるケースが多くなります。
これがハードだといわれる2つ目の理由です。
ただし、この手積み手卸しに関しては「運動不足解消になる」「うまく積めると快感」など、やりがいをもって取り組んでいるドライバーもいます。

 

帰宅できない

長距離ドライバーは基本的に、泊付きの運行です。
何泊するかは運送会社や運行形態によって差があります。
例えば、1泊2日の拠点間輸送もあれば、フェリーを利用して5泊6日で運行する長距離輸送もあります。
いずれの場合も、小さな子どもがいるなど、毎日家に帰りたい人にとっては苦痛かもしれません。
これが3つ目の理由です。

 

事故などのリスクがある

4つ目の理由は、運転時間が長い分、交通事故のリスクが高まるという点です。
仮に事故が発生した場合、車体が大きいトラックの事故は、乗用車よりも被害が大きくなる可能性があります。
また、事故や違反の内容によっては免許取消しとなることもあります。
当然、運転免許がなくなると、ドライバーの仕事はできません。
さらに、運転中は気を緩めることが許されないため、精神的にも負担が大きい仕事だといわれています。

 

まとめ

長距離ドライバーは「運転好き」であることが大前提となる仕事です。
1人でも真面目に仕事に取り組める精神力や、安全や健康などに対する自己管理能力も要求されます。
長時間の運転に耐えられる体力は必要ですが、運送会社や運行形態によって、仕事内容や身体的負担の度合いは異なります。
運転が好きで、1人でいることが苦痛にならない人であれば、まずは希望条件に合う会社を探してみてはいかがでしょうか。

 

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