トラックドライバーとして働くために、免許は必要不可欠なものです。
「もし、トラックドライバーが免停になった際にどうなってしまうのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
そこで本記事では、免停のルールや免停になった際の対応方法を解説していきます。
トラックドライバーが免停になるとどうなる?
免停とは、免許停止を略したものであり、運転ができなくなります。
運転できなくなる期間は、場合によって異なり、最短で30日から最大180日までの期間が存在します。
トラックドライバーという仕事上運転免許は必要不可欠なため、免停は職を失うのと同じようなものです。
免停への対応は会社ごとで異なるのですが、長期間の免停であれば仕事にならないため、クビにされる可能性もあるでしょう。
免許取り消しルール
免許の取り消しは、違反点数の合計により決まります。
ここからは、免許取り消しや免停のルールについて詳しく見ていきます。
点数制度とは?
免許の取り消しのルールとして点数制度が採用されており、点数により処分が決まる仕組みです。
点数は違反内容により異なり、以前の違反回数により異なるのですが初回の場合は6点で免停となります。
同じく違反歴がないときには、15点が貯まることで免許の取り消しです。
前歴がある場合
以前に違反したことで前歴がついている場合には、免許の取り消しや免停までの点数が少なくなっていきます。
以前の違反というのは全期間ではなく、過去3年間の違反回数での判断です。
過去3年の違反回数 | 免停点数 | 免許取り消し点数 |
0 | 6〜14点 | 15点 |
1 | 4〜9点 | 10点 |
2 | 2〜4点 | 5点 |
3 | 2点または3点 | 4点 |
表からもわかるように違反した回数の増加に伴い、免許の取り消しや免停までの点数が減少していきます。
違反した回数が4回以上となる場合には、免許の取り消し点数に変わりがないのですが、免停点数の場合には、免停の期間が長くなります。
回数が増えるごとに期間が長くなるため、違反した回数がリセットされるまでの3年間は違反をしないことが大切です。
参考:行政処分基準点数 - 警視庁
行政処分の種類
行政処分にも種類があり、大きく5つに分けられています。
・免許停止処分:免許の効力を停止させる処分
・免許取消処:免許の効力を取り消す処分
・免許保留処分:試験に合格しても一定期間免許の交付を保留する処分
・免許拒否処分:試験に合格しても免許の交付をしない処分
・運転禁止処分:国際免許の所持者に対して一定期間運転を禁止する処分
上記の5つの行政処分があり、これ以外にも民事や刑事上の責任がかかります。
行政処分の回数が増加するにつれて、少ない点数でも処分が重くなるため注意が必要です。
一発免停になる危険な違反行為
通常は、点数が加算されていき定まった点数に達すると免停などになりますが、危険な違反行為にあたる場合には、一回の違反で免停となる場合もあります。
一発で免停となる危険な違反行為を6つ紹介します。
・酒酔い運転 35点
・無免許運転 25点
・妨害運転 25~35点
・無保険運行 6点
・無車検運行 6点
・速度超過 30以上(高速40)以上50未満
上記で挙げた違反行為では一度の違反で6点以上の点数がつき、一発免停となるため注意が必要です。
酒酔い運転や無免許運転については、重大な違反であることが容易に想像できることでしょう。
最近では、あおり運転などの妨害運転がニュースなどで良く取り上げられており、一発免停の対象です。
大きなトラックである場合は、急に停止できないため、車間を開けて走る場合が多いのですが、これをいいことに強引な割り込みをされることもあります。
そのような場合に、イライラしてあおり運転をしてしまったり、ストレス発散のためにスピードを出しすぎたりすると、重大な違反行為に該当してしまいます。
免停になってしまうと、トラックドライバーとしてまともに仕事ができない状態になるため、安全な運転をすることが大切です。
免停に罰金はあるのか
結論からお伝えすると、免停自体には罰金はないです。
しかし、免許が停止になるまでの過程での違反に対しての反則金は、その都度支払う必要があります。
例えば、携帯電話使用等(保持)違反の場合であれば、普通車は9,000円、大型車は25,000円などのように違反行為ごとに反則金の額が定められています。
一概に罰金がないとは言えず、酒酔い運転や無免許運転などの重大な違反については、刑事罰の対象となるため罰金の支払いをしなければなりません。
違反者講習
違反者講習、または停止処分者講習を受けることで、免停期間を短縮することが可能です。
違反者講習は、行政での処分が取り消されたり、違反歴がつかなかったりと、大きなメリットがあるのですが、受講の条件が厳しく以下のような条件があります。
・今までに違反者講習を受けたことがない
・3点以下の軽微違反の累積で6点になった
・過去3年以内に違反者講習や停止処分の対象となったことがない 上記の条件を満たしている場合は、違反者講習を受けることがおすすめです。
停止処分者講習の方は、免停者などの行政処分を受けた方が対象であり、ほとんどの場合受講が可能です。
停止処分者講習は以下の3つに分けられます。
・短期講習:免停日数が30日の方が対象 ・中期講習:免停日数が60日の方が対象 ・長期講習:免停日数が90日の方が対象 それぞれの講習を受講した成績により、短縮日数が決められます。
免停通知に関して
交通違反により免許停止処分が決まれば、免停通知が届きます。
「免停通知は違反後すぐに届くのか、免停通知書には何が書いてあるのか」などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。
ここからは免停通知書について解説していきます。
免停通知はいつ届くのか
免停通知は、違反の内容やすぐに処理可能な違反かなどにより異なるのですが、交通違反による取り締まり後から、数週間から2か月程度で届くことが多いです。
免停通知には、免停される期間や違反した点数、出頭日などの記載があるためしっかりと内容を確認しましょう。
免停通知の種類
免停通知には、3つの種類が存在し、違反内容や記載された内容に違いのあるものが届きます。
それぞれの免停の通知の違いについて解説します。
警察署からの免停通知書
違反をした際には、警察署から免停通知書が届けられます。
警察からの免停通知書には免停の期間や免許再交付の手続きなど、免停に関する詳細が書かれているためしっかりと確認しておく必要があります。
運輸支局からの免停通知書
運転免許証の更新や取消、発行を行っている運輸支局からの免停通知書が郵送されます。
交通違反による免停処分の際にも届きますが、運転免許証の手続きに不備がある際にも送付されることがあります。
裁判所からの免停通知書
酒気帯び運転など交通違反の内容が重大である場合には、裁判所からの通知が送付されます。
これは、行政処分ではなく、刑事処分にあたるため、裁判所への出頭を命じられることとなります。
呼び出しの理由は、処分の内容が重いため不平がないように、処分が決まる前に事実確認をおこなうためです。
まとめ
本記事では、トラックドライバーの免停について解説しました。
トラックドライバーにとって、運転免許は命のようなものであり、免停や免許取り消しによって職を失う危険性もあります。
違反内容によっては、一発免停となるものについても紹介しました。
免許取り消しや免停とならないためにも、交通ルールを守って安全な運転を心がけましょう。