ロードサービス(レッカー車運転手)を目指している方は、以下のような疑問をお持ちではありませんか。
「ロードサービス(レッカー車運転手)になるためにはどのような資格(免許)が必要なのか」
「資格(免許)の取得は難しいのか。どれほどの期間で取得できるのか」
「レッカー車運転手になる上で免許補助のような制度はあるのか」
本記事ではこのような疑問を解消するとともに、ロードサービス(レッカー車運転手)に必要な資格(免許)について解説します。
ロードサービス(レッカー車運転手)に必要な資格
ロードサービス(レッカー車運転手)が取得すべき資格は、業務によってさまざまです。
運転免許については、以下のうちひとつが求められます。
・普通自動車免許
・準中型自動車免許
・中型自動車免許
・大型自動車免許
・大型特殊自動車運転免許
また、ロードサービス(レッカー車運転手)業務を行ううえで、あると便利な免許・資格は以下のとおりです。
・玉掛け技能者の資格
・巻き上げ機運転特別教育
・小型移動式クレーン運転技能講習
・けん引免許
・移動式クレーン運転士免許
今回はこのなかで特に、ロードサービス(レッカー車運転手)に重要な資格を紹介します。
なお、既に取得している免許によって、費用や教習時間が異なります。
大型自動車運転免許証
1つ目は大型自動車運転免許です。
大型自動車運転免許を取得すると大型レッカー車を運転できます。
大型レッカー車の特徴は以下のとおりです。
・車両総重量11トン以上
・最大積載量6.5トン以上
取得条件
・満19歳以上
・普通、準中型、中型、大型特殊免許のいずれかを取得しており、1年以上運転歴がある
・視力や聴力など一定以上の身体条件を満たしている
取得に掛かるまでのおおよその時間(日数)
・教習所の場合:最短15日〜
・合宿免許の場合:最短10日〜
なお、大型一種免許を取得するまでに、36時間の講習を受ける必要があります。
取得に掛かる費用の相場
・教習所の場合:25万円前後〜
・合宿免許の場合:19万円前後〜
なお、免許には一発試験を受けられるケースもありますが、合格率が低く一般的ではありません。
そのため、このあとの情報も含め、教習所に通う前提の情報を記載しています。
大型特殊自動車運転免許証
2つ目は大型特殊自動車運転免許です。
大型特殊自動車運転免許を取得すると、クレーンやショベルカーなどの車両を運転できます。
取得条件
・満18歳以上
・視力や聴力など一定以上の身体条件を満たしている
取得に掛かるまでのおおよその時間(日数)
・教習所の場合:最短14日〜
・合宿免許の場合:最短5日〜
取得に掛かる費用の相場
・教習所の場合:9万円前後〜
・合宿免許の場合:8万円前後〜
運転免許を取得していない方は18万円〜28万円ほどかかります。
けん引免許
3つ目はけん引免許です。
けん引免許を取得すると、車両総重量750kgを超える車両をけん引できます。
なお、車両をけん引するためには、けん引免許だけでなく運転免許も必要です。
取得条件
・満18歳以上
・視力や聴力など一定以上の身体条件を満たしている
取得に掛かるまでのおおよその時間(日数)
・教習所の場合:最短6日〜
・合宿免許の場合:最短7日〜
取得に掛かる費用の相場
・教習所の場合:12万円前後〜
・合宿免許の場合:11万円前後〜
玉掛け技能者の資格
4つ目は玉掛け技能者の資格です。
玉掛けは、車両についたクレーンに、荷物をかける作業や取り外す作業のことです。
玉掛けでは重い荷物を扱うため、危険が伴います。
そのため、安全上の知識や操作方法を知るために資格を取らなければなりません。
取得条件
・満18歳以上
取得に掛かるまでのおおよその時間(日数)
・教習所の場合:最短5日〜
・合宿免許の場合:最短3日〜
取得に掛かる費用の相場
・教習所の場合:5万円前後〜
・合宿免許の場合:3万円前後〜
巻き上げ機運転特別教育
5つ目は巻き上げ機運転特別教育です。
巻き上げ機(ウインチ)は、ワイヤーをドラムに巻き上げ、荷物の上げ下げや運搬を行う装置です。
巻き上げ機には免許はありませんが、特別教育を修了をすることですべての巻き上げ機を操作できます。
特別教育は、企業や都道府県労働局長登録教習機関などで受けられます。
なお、一般道路で運転するためには、クレーンの土台となる、中型・大型・大型特殊免許などが必要です。
取得条件
・満18歳以上
取得に掛かるまでのおおよその時間(日数)
履修時間は10時間以上必要です。
最短3日(学科1日+実技1日)で修了できます。
取得に掛かる費用の相場
講習には2万円前後の費用がかかります。
小型移動式クレーン運転技能講習
6つ目は小型移動式クレーン運転技能講習です。
小型移動式クレーン運転技能講習を受けると、吊り上げ荷重が5トン未満の小型移動式クレーンを操作できます。
講習は、企業や都道府県労働局長登録教習機関などで受けられます。
なお、一般道路で運転するためには、クレーンの土台となる、中型・大型・大型特殊免許などが必要です。
取得条件
・満18歳以上
取得に掛かるまでのおおよその時間(日数)
履修時間は16時間以上必要です。
最短3日(学科2日+実技1日)で修了できます。
取得に掛かる費用の相場
講習には3万円前後の費用がかかります。
移動式クレーン運転士免許
7つ目は移動式クレーン運転士免許です。
移動式クレーン運転士免許を取得すると、吊り上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンを操作できます。
学科試験は安全衛生技術センターにて行われ、実技試験は都道府県労働局長登録教習機関で受けられます。
なお、一般道路で運転するためには、クレーンの土台となる、大型・大型特殊免許などが必要です。
取得条件
・満18歳以上
取得に掛かるまでのおおよその時間(日数)
学科教習と実技教習を並行して受けることで、最短6日で修了できます。
取得に掛かる費用の相場
教習と試験を合わせ16万円前後の費用がかかります。
ロードサービス(レッカー車運転手)に必要な資格をお得に取得する方法
ロードサービス(レッカー車運転手)に必要な資格は、取得支援制度があります。
主に以下の3つです。
・職業訓練学校
・教育訓練給付金制度
・企業の資格取得支援制度
職業訓練学校で取得する
1つ目は職業訓練学校で取得することです。
職業訓練学校とは、就業に必要なスキルや技術を無料で学べる機関です。
一発試験のある免許では、教習所に通わずとも、職業訓練学校で学ぶことで講習費用を抑えられます。
注意点としては、あくまでスキルを身につける場所のため、試験は別途費用が必要です。
また、ロードサービス(レッカー車運転手)に関わる免許の場合、事前に普通免許を取得していることが前提となる場合もあります。
教育訓練給付金を活用する
2つ目は教育訓練給付金を活用することです。
教育訓練給付金とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練に限り、一部費用が支給される制度です。
支給額は費用の20%〜70%と、訓練によって異なります。
例えば那須クレーン教習場では、巻き上げ機運転特別教育を除く、今回紹介した資格すべてに適用されます。
給付金を受けられる対象者は原則以下のとおりです。
・在職中かつ雇用保険に加入している
・過去に教育訓練給付金を受けたことがない
雇用保険に加入していない場合は、原則離職後1年以内である必要があります。
また、教育訓練給付金を過去に受けていた場合は、受講開始日以降で、雇用保険御加入期間が3年以上なければなりません。
企業の資格取得支援制度で取得する
3つ目は企業の資格取得支援制度で取得することです。
入社した企業によっては、職場で必要となる資格の取得費用を、支援してもらえる制度があります。
ロードサービス(レッカー車運転手)の求人でも、この制度を採用している会社は多いです。
しかし、どの程度支給されるかは会社により異なるため、事前に確認しなければなりません。
まとめ
今回はロードサービス(レッカー車運転手)の資格について解説しました。
ロードサービス(レッカー車運転手)業務で役立つ資格(免許)は以下のとおりです。
・大型自動車免許
・大型特殊自動車運転免許
・玉掛け技能者の資格
・巻き上げ機運転特別教育
・小型移動式クレーン運転技能講習
・けん引免許
・移動式クレーン運転士免許
それぞれ資格(免許)の取得条件やかかる費用・日数が大きく異なります。
そのため、ロードサービス(レッカー車運転手)を目指す方は、どの免許を取得すべきか考えたうえで、資格取得を目指してください。
また、国からの支援や企業からの支援を受けられる場合は、積極的に活用すると良いです。