役員運転手は運転技術だけでなくビジネスマナーも求められるため、人によっては「クビにされそう」「役員をお客様にするのは大変そう」といったイメージをお持ちの方もいます。そこで本記事では、役員運転手の実態について解説します。役員運転手を目指す際の参考になれば幸いです。
役員運転手の仕事がきついと言われる理由
役員運転手がきつい理由は以下といわれています。
・休日が取りづらいから
・役員のスケジュールに仕事が依存するので、柔軟に働くことが難しいから
・守秘義務が厳しいから
・他の職種よりもビジネスマナーに気を使う必要があるから
・高い時間管理能力が求められるから
・身だしなみに気を使うから
このセクションでは、なぜそのように言われているのかについて解説します。
休日が取りづらいから
1つ目は、「休日が取りづらいから」です。役員運転手とは、おもに上場企業の役員や会長などの送迎を行う企業専属の運転手です。朝晩の送迎はもちろんですが、役員の日々のスケジュールに合わせた日中の送迎、場合によってはゴルフ会場への同行などで休日も稼働する場合があります。しかし休日や業務終了後の送迎は、残業時間として扱われるため、その分給与に還元されています。
役員のスケジュールに仕事が依存するので、柔軟に働くことが難しいから
2つ目は、「役員のスケジュールに仕事が依存するので、柔軟に働くことが難しいから」です。役員運転手は、役員の一日のスケジュールに合わせて稼働し、送迎がない時間帯もいつでも対応できるように、基本的にオフィスか車の中で待機します。自分の意思で柔軟に行動することが難しいため、きついといわれています。しかし待機時間中は仮眠をとれたり、他の雑務を任されたりするため、タクシードライバーやトラックドライバーと比較すると運転する時間は短く、身体的に楽です。
守秘義務が厳しいから
3つ目は、「守秘義務が厳しいから」です。役員運転手は、一企業の重要な役割を担う役員をお客様にするため、安全運転だけでなく、守秘義務が求められます。企業情報だけでなく、持病や交友関係といった役員のパーソナルな情報など業務中に知りえた情報はすべて口外禁止です。もし口外してしまうとお客様との信頼毀損につながり、場合によっては配属先にいられなくなったりするため、きついといわれます。
他の職種よりもビジネスマナーに気を使う必要があるから
4つ目は、「他の職種よりもビジネスマナーに気を使う必要があるから」です。役員運転手は企業の役員をお客様にするため、他の業種と比較すると高いレベルのビジネスマナーを求められます。分かりやすい会話や丁寧な言葉遣い、身だしなみにいたっても、相手を不快にさせない心配りが必要です。マナーはなかなか自分で気付くのは難しいですが、専用の研修サービスもありますので、ご活用してみてはいかがでしょうか。研修サービスは、役員運転手専門の派遣会社や、ドライバー研修を請け負っている派遣会社などに依頼すれば受けることができます。
高い時間管理能力が求められるから
5つ目は、「高い時間管理能力が求められるから」です。役員運転手は、役員の一日のスケジュールに合わせて勤務します。担当する役員によっては、1日に何度も移動が必要なこともあり、忙しい日には分刻みのスケジュールになることもあります。重要な会議や商談への遅刻は厳禁であるため、「何時までにどこへ移動するのか」を正確に把握しコントロールする高い時間管理能力が必要です。その日の交通状況を加味し、急な予定変更に対応できる臨機応変さが求められます。
身だしなみに気を使うから
6つ目は、「身だしなみに気を使うから」です。役員運転手は、運転技術や時間管理能力だけでなく、服装や身だしなみに対しても配慮する必要があります。役員を乗せている車は、お客様や取引先の方など、いつだれに見られているか分かりません。そのため、いつ・どこで・だれに見られても良いよう気を付ける必要があります。また服装の意識だけでなく、ひげや髪型といった身だしなみも大切です。清潔感が感じられるような身だしなみを心掛けましょう。
役員運転手員の仕事がきつい際の対処法
ここまで役員運転手の「きつい」と思われる理由を紹介してきました。対処法としてはどのようなものがあるでしょうか。いくつか解決方法を紹介します。
スキルを高める
1つ目は、「スキルを高める」方法です。「他の職種よりもビジネスマナーに気を使う必要があるから」「高い時間管理能力が求められるから」「身だしなみに気を使うから」に関しては、スキルを高めることで解決できます。またスキルを高め、車内で快適に過ごせるような工夫を積み重ねていけば、信頼に繋がり昇給も見込めるでしょう。役員運転手として役立つ「運転管理者」や「秘書検定」などの資格取得をすることで業務の幅が広がり、給料アップに繋がります。とくに社長秘書業務が行えると給料があがる傾向があるため、「秘書検定」の取得はおすすめです。役員運転手として活躍していきたいと考えている方には、専用の研修サービスもありますので、ご活用してみてはいかがでしょうか。
勤務時間や勤務数を調整できるか相談する
2つ目は、「勤務時間や勤務数を調整できるか相談する」方法です。「休日が取りづらいから」や「役員のスケジュールに仕事が依存するので、柔軟に働くことが難しいから」に関しては、勤務時間や勤務数を調整できるか相談することで解決できます。役員運転手の勤務時間は、サラリーマンと同様で9時〜18時の固定時間であり、土日の送迎や業務終了後の送迎は、残業時間として扱われるのが一般的です。しかし、所属する会社によっては、シフト制を採用しているところもあります。シフト制だと残業で稼ぐことは難しくなりますが、勤務時間や勤務数を調整できるか相談できます。
他のドライバー職に変える
3つ目は、「他のドライバー職に変える」方法です。もし役員運転手の仕事内容や給料が合っていないと感じる場合、タクシー運転手や運転代行など他の車種のドライバーへの転職を検討してみると良いかもしれません。タクシー運転手と運転代行の平均年収と仕事内容は以下のとおりです。
タクシードライバー
・平均年収：約300万円（固定給＋歩合制）
・仕事内容：お客様を希望する場所まで安全に送り届け、その対価として料金メーターに表示された運賃を受け取る。
運転代行
・平均年収：250〜325万円（日給）
・仕事内容：飲酒などで車を運転できなくなったお客様の代わりにお客様の車を運転し、指定された場所へ配送する。
転職する
4つ目は、「転職する」方法です。現在所属している会社が自分に合わない場合は、転職を視野に入れることもひとつの手です。
転職する方法は以下があります。
・求人サイトや求人票から探す
・転職エージェントに相談する
・ドライバー仲間の口コミ
「雇用条件」や「会社の規模」に注意し、自分にあった会社を見つけることで、より働きやすくさらに給料を上げられます。
役員運転手がクビになる理由
役員運転手は一企業の役員をお客様にするため、勤務態度不良などを理由にクビになる可能性があります。
クビになる理由は以下のようなものがあります。
・遅刻や無断欠勤が多い
・職務規程に違反してしまった
・法律や契約を違反してしまった
役員運転手がクビを防ぐ方法
役員運転手がクビになる理由は先程上げたような理由がありますが、以下の方法でクビを防げる可能性があります。
・ビジネスマナーや労働規則を遵守する
・運転技術を磨く
・接客能力を向上させる
まとめ
本記事では役員運転の実態について解説してきました。役員運転手は、以下のような理由できついといわれています。
・休日が取りづらいから
・役員のスケジュールに仕事が依存するので、柔軟に働くことが難しいから
・守秘義務が厳しいから
・他の職種よりもビジネスマナーに気を使う必要があるから
・高い時間管理能力が求められるから
・身だしなみに気を使うから
しかし、スキルを高めたり、勤務時間の調整を相談することできつさを軽減できるかもしれません。今の環境を変えたいという場合は、転職を視野に入れてみるのもおすすめです。
本記事が参考になれば幸いです。
