日本ではタクシー運転手の人材不足が続いており、タクシー運転手の需要が高まっています。
その背景もあり、タクシー運転手は若い人から高齢者まで、
幅広い年齢層の方がハンドルを握っています。
そこで疑問なのが、タクシー運転手は何歳まで働けるのかということでしょう。
本記事では、タクシー運転手は何歳まで働けるのかタクシー運転手の平均年齢や勤続年数など、
年齢制限はないのかについて詳しくご紹介します。
タクシー運転手は何歳まで働けるのか
タクシー運転手は老若男女関係なく、幅広い層の方が仕事をしています。
ときおり高齢のタクシー運転手をみかけますが、
タクシー運転手は何歳まで働くことができるのかをみていきましょう。
タクシー会社に勤務している場合
タクシー運転手は、タクシー会社によって年齢制限が異なりますが一般に65歳までとなっています。
ただ65歳の定年になったからといって退職や働けなくなるわけではありません。
社員として継続して働かせてもらえるところもあれば、
非正規社員・嘱託社員として働かせてもらえるところもあるのです。
もちろん65歳以上でタクシー運転手を継続する場合は、
健康状態に問題がないとタクシー会社が判断したときに限られます。
タクシー業界は法律で定年の決まりがないことから、
極端な話しですが、何歳まででも働くことができるのです。
ただお客様の命を預かっている仕事ですので、タクシー会社の中には65歳定年、
最高75歳まで働くことができる制度を設けているところもあります。
個人タクシーの場合
個人タクシーは、タクシー会社に雇用されているわけではありませんので、定年はありません。
ただ、国土交通省は「個人タクシー事業の申請に対する審査基準について」で、
個人タクシーの開業は65歳まで、更新は75歳までとしています。
実質、この75歳が年齢制限になると考えていいでしょう。
個人タクシーの免許の更新は、最初の申請より3年間で、
その後は年齢や違反の状況をみながら、1年・2年・3年・5年のいずれかで更新することになり、
更新できる最終年齢が75歳です。
政府の法改正により80歳まで引き上げられる!
個人タクシーについては前述の年齢制限があることをお伝えしました。
政府は個人タクシーの営業は人口30万人以上の都市部に限定されていましたが、
2023年10月より規制緩和を行ない、営業できる地域を拡大しました。
合わせて政府は、2023年10月より、過疎地域等に限定して、
開業年齢・更新年齢ともに80歳未満までとしました。
この背景には、地方では人口減少や高齢化などが要因で、
タクシー会社が廃業に追い込まれたり、タクシーの営業所が撤退するなど、
地元の人の移動が困難となっていることが挙げられます。
一方で、高齢ドライバーは健康面での管理が心配されることから、75歳以上のタクシー運転手は、
タクシー会社が健康面などの運行管理をすることが条件です。
タクシー運転手は何歳からでも始められるのか
前述では、タクシー運転手の年齢の上限を中心に解説してきました。
一方で「タクシー運転手は何歳何才始めることができるのか」という疑問が出てきます。
結論で述べると、タクシー運転手は21歳から始めることが可能です。
21歳である理由は、タクシー運転手になるには、
普通自動車運転免許の中でも2種免許が必要となります。
2種免許は、お客様から料金を徴収して目的地まで運ぶための免許です。
2種免許を取得するためには、
普通自動車運転免許の「1種免許」を取得して3年以上経過していなければ、
2種免許を取得する受験資格が得られません。
タクシー運転手の募集で
「普通自動車運転免許を取得して3年以上経過していること」
という条件を目にしますが、1種免許を取得して3年以上経過していれば、
タクシー会社の研修制度で2種免許を取得させることができるからです
研修制度で2種免許を取得する場合、2種免許の取得費用はタクシー会社が負担してくれます。
タクシー運転手の法律上の年齢制限について
前述のように、タクシー業界は法律で定年の決まりがないことから、
タクシー運転手の年齢の上限はありません。
一方、年齢の下限は、2種免許が取得できる21歳となっています。
ただ2022(令和4)年5月13日からは、改正道路交通法が施行され、
特例教習を受けることにより、最短で19歳から2種免許を取得できるようになりました。
改正道路交通法が施行された背景には、タクシー運転手などの人手不足を解消する目的があります。
このようにタクシー運転手の年齢の下限に決まりはありますが上限に決まりはないのです。
タクシー運転手の平均年齢と勤続年数について
タクシー運転手は高齢でも働くことができるとお伝えしましたが、
タクシー運転手の平均年齢は何歳なのでしょうか。
合わせてタクシー運転手の勤続年数はどれくらいなのかみていきましょう。
タクシー運転手の平均年齢
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の「タクシー事業の現状」では、
タクシー運転手の平均年齢は56.8歳となっています。
フルタイムの一般労働者の平均年齢が43.9歳ですので、
タクシー運転手の平均年齢はかなり高いことがわかります
(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況」)。
前述のようにタクシー運転手は一般的な定年年齢を超えても働くことができることから、
このような結果になっているのです。
タクシー運転手の勤続年数
先ほどと同じく「タクシー事業の現状」によると、平均勤続年数は9.3年となっています。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況」では、
フルタイムの一般労働者の平均勤続年数が12.4年ですので、
タクシー運転手の勤続年数は短いことがわかります。
その背景には「きつい・危ない・稼げない」というイメージが強いことが挙げられます。
75歳以上でタクシー運転手を続けている人はいるのか
週刊ポストの「75歳以上のタクシー運転手 東京地区だけで約3000人もいる」にもあるように、
運転手が不足していることから、75歳以上がタクシー運転手を続けているのは事実です。
大手タクシー会社の「大・日本・帝・国」(大和・日本交通・帝都自動車・国際自動車)のように
資金にゆとりがあるタクシー会社では75歳未満の運転手で会社を回すことができます。
しかし資金にゆとりがないタクシー会社は、
健康であれば75歳以上であっても運転手として雇用して会社を回しているのです。
実際に大手タクシー会社を退職後、中小タクシー会社に移る人もいらっしゃいます。
ただ高齢ドライバーが運転するお客様は「運転が怖い」と感じることもしばしばですので、
75歳以上の人を雇用しなければならないタクシー会社にとっては難しい問題といえるでしょう。
タクシー運転手になりたい方は運転ドットコムの下記の記事も参考になさってください。
ライドシェアであれば年齢制限なし!
ライドシェアは、一般ドライバーが自家用車などを用いて、
有料で乗客を目的地まで運ぶサービスのことです。
タクシードライバーが人手不足を解消するために、
2024年4月より一部地域でサービスが始まりました。
ライドシェアの運転手は、年齢制限や制限はとくに設けられていません。
ただライドシェアはタクシー会社と連携していることから、
タクシー会社によっては年齢制限を設けているところもあります。
ライドシェアを検討する場合は、年齢制限の設定があるか確認するようにしましょう。
まとめ
タクシー運転手は何歳まで働けるのか、タクシー運転手の平均年齢や勤続年数など、
年齢制限はないのかについて、ご理解深まりましたでしょうか。
タクシー運転手は高齢であっても、健康上問題がなければ働くことは可能です。
高齢であっても働けることから、平均年齢が高い傾向がありました。
最近拡大しているライドシェアの運転手についても触れましたので熟読なさってください。
本記事を参考に、高齢であっても運転が好きな方は
タクシー運転手を目指してみてはいかがでしょうか。