地域によって、タクシー運転手は地理試験に合格しなければなりません。
地理試験に合格すればタクシー運転手として乗務できるわけですが、
地理試験は実際のところ難しいのでしょうか。
本記事では、タクシー運転手が受ける地理試験は難しいのか、
受験方法や過去問、合格のコツについて、詳しく解説します。
タクシー運転手が受ける地理試験とは?
タクシー運転手になるためには、第二種運転免許だけでなく、
それ以外に、地域によっては地理試験に合格しなければ乗務員になることはできません。
タクシーの運転手は、お客様を安全にかつ迅速に輸送することが責務であることから、
営業域内の地理については詳しくなっておく必要があるのです。
地理試験に合格することで、営業域内の地理に強くなれます。
タクシー運転手になるためには、運転ドットコムの下記の記事にも
掲載していますので、合わせて参考になさってください。
地理試験の受験方法や受験費用について
地理試験の受験方法ならびに受験費用についてみていきましょう。
受験方法
地理試験は、地理試験が必要な一部地域のタクシーセンターで受験します。
地理試験が必要な地域は以下の通りです。
<特定指定地域>
<指定地域>
|
地理試験は、以下の曜日・場所で受験することができます。
試験会場は各都府県のタクシーセンターです。
<東京会場>
<神奈川会場>
<大阪会場>
<指定地域>
|
受験費用
地理試験の受験費用は以下のようになっています。
|
表内に「各科目」とありますが、
地理試験は、「当該指定地域に関する地理の科目」と
「タクシー事業に係る法令、安全及び接遇」の2科目に分かれています。
そのため、各科目で受験費用が発生しているのです。
【過去問】地理試験の問題例を紹介!
地理試験に合格するためには、とにかく過去問を解きこなしましょう。
ここでは公益財団法人・大阪タクシーセンターで実施された
地理試験の過去問を解答とセットでみていきます。
問題1【一部】
下記の文章が正しければ、解答用紙の「正解」の欄にマークを、
誤っていれば「間違い」の欄にマークをしなさい。
番号 |
問題 |
解答 |
1 |
ブリーゼタワー(サンケイホールブリーゼ)は、中海老江交差点の北、福島区海老江にある。 |
間違い |
2 |
NHK大阪放送局は、本町通沿い、中央区大手前にある。 |
正解 |
3 |
第二大阪警察病院は、玉造筋沿い、天王寺区烏ヶ辻にある。 |
正解 |
このような正誤問題が25問出題されています。
問題2【一部】
下記の文章の( )に入る語句を下から選び、その番号を解答用紙にマークしなさい。
番
<選択肢>
|
上記のような問題が5問出されています。
問題3【一部】
下記の施設の位置を次の地図上から選び、その番号を解答用紙にマークしなさい。
|
このような問題が10問出題されています。
本番では大阪府内の地図が問題に掲載されており、
上記の施設を探すして答えるという形式です。
タクシー運転手が地理試験で合格するコツ3つ
タクシー運転手が地理試験で合格するコツをご紹介します。
コツ①問題を解く
地理試験に合格するためには、問題を解くことに尽きます。
各タクシーセンターでは問題集が販売されていますし、
過去問はネットでも入手することが可能です。
問題を解くこと出題傾向がつかめますし、
似たような問題が出題された際に対応することもできます。
過去問に関しては3年分以上解くことがおすすめです、
コツ②道路地図をみる
地理試験の合格するためには、とにかく自身が希望する地域を熟知することです。
道路地図をみながら、道路の名前、交差点の名前、
建物の位置関係などを把握するといいでしょう。
道路地図は、地図アプリではなく、
紙ベースの地図を使うことで地域全体を一度に把握することができます。
コツ③希望する地域を訪れる
前述のように、地図をみるだけでは暗記しなければならないことが
頭に残りにくい場合はあります。
実際に希望する地域を訪れることで、頭で覚えるだけでなく、
体でも覚えることが可能です。
現地を訪れた際は、車で走りながら場所を確認するより、
すぐに停車できる自転車や徒歩のほうが、
標識や建物の位置関係を確認しやすいでしょう。
地理試験の合格率はどのくらい?難しい?
地理試験では、マークシート方式で40問出題され、
特定指定地域で80%以上、指定地域で70%以上が合格基準といわれています。
地理試験の合格率は50%前後といわれていますが、
特定指定地域の地理試験の合格率は40~50%と難易度が高くなっています。
多くの人が5~6回程度受験して合格しているのが現状です。
2024年2月29日に地理試験は廃止に!?
地理試験の中でも「輸送の安全に係る地理の試験)」は、
2024年2月29日付で廃止されました(出典:東京タクシーセンターより)。
その背景として、タクシー運転手の人手不足が挙げられます。
またタクシー運転手は隔日勤務の勤務形態があるため、
タクシー会社は人材確保に翻弄しているのです。
現在、タクシーだけでなくハイヤーにもカーナビが搭載されていることから、
目的地設定さえすれば地理に強くなくてもお客様を乗車させ、運ぶことができます。
ただ実際にカーナビの指示通りに走行していると渋滞にはまるときがあります。
その場合、地域を熟知したタクシー運転手であると、
スムーズに渋滞回避をしてくれるのです。
地理試験が廃止になり、人材確保はしやすくなりましたが、
知識と経験を積み上げることがとても重要といえるでしょう。
まとめ
タクシー運転手が受ける地理試験は難しいのか、
受験方法や過去問、合格のコツについて、ご理解深まりましたでしょうか。
地理試験は、タクシー運転手の知識を高め、
円滑にタクシー業務を遂行するために実施されています。
現在では地理試験が廃止になりましたが、
地域の道路や交差点、建物の位置関係について把握しておくことで、
効率よく業務を進めることが可能です。
本記事を参考に、タクシー運転手をめざす方は、
一度地理試験の問題にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。