荷役は、物流において重要な作業の1つです。
大量の荷物を輸送するためには、効率化を図る必要がありますし、
安全性が確保されなければなりません。
本記事では、荷役の種類や作業の流れ、安全対策について、詳しく解説します。
荷役とは?
「荷役」は、「にやく」「にえき」と読み、
荷物の運搬や積み下ろし、入庫から出庫までの一連の流れのことをいいます。
輸送手段としては、トラック、船、航空機が利用され、
これらの手段への荷物の積み込み、荷下ろし、倉庫業務のことを言うのです。
荷物を安全に移動させたり、適切に保管するために、荷役は重要な役割を担います。
荷役は、荷役をする際に効率化や安全性の確保が重要視され、
専門知識や技術が必要です。
荷役は主に2種類!
荷役には、以下の2種類があります。
陸上荷役
陸上で行なわれる荷役のことです。
工場などでの荷物の積み下ろし、運搬、仕分けなどを行なうことを指し、
鉄道、トラック、航空機などが該当します。
湾岸荷役
港湾で行なわれる荷役のことです。
船舶からの荷物の積み下ろし、運搬、仕分けなどを行なうことを指します。
湾岸荷役には、荷役を行なう場所が以下に分類されます。
沖荷役 |
海上のコンテナ船の上で行なわれる |
岸壁沿岸荷役 |
埠頭や船舶と陸地をつなぐ岸に沿った岸壁で行なわれる |
荷役の作業の流れ
荷役の作業の流れは、以下のようになっています。
1 |
積み下ろし |
・トラック、鉄道、船舶、航空機などから荷物を下ろす下ろす作業 ・大型の荷物を扱う際はフォークリフトなどを用いる |
2 |
運搬 |
・敷地内やヤード内で、荷物を運んだり移動させる作業 ・人力、台車、フォークリフトなど、様々な方法を用いる |
3 |
積付け |
・パレットなどに荷物を積み上げる作業 ・荷崩れ、荷物潰れなどに注意しなければならない |
4 |
入庫 |
・倉庫、ヤード、物流センターなどに荷物を格納・保管すること ・荷物の種類、数量、傷などをチェックする |
5 |
ピッキング |
・保管されている荷物を、指示書やデータを基に必要数取り出す ・誤りがないか、正確に作業を進めなければならない |
6 |
仕分け |
・ピッキングで取り出した荷物を輸送先別、品種別などに分ける ・人力のほか、IoT技術を用いて作業可能となっている |
7 |
出庫 |
・ピッキング、仕分け作業を受けた荷物を出荷する作業 ・在庫管理データに基づいて、検品作業も行なう |
どの工程においても、事故なく、安全に進めていかなければなりません。
荷役の作業時の安全対策
荷役は、物流において必要不可欠な作業ですが、事故が発生する可能性がある作業で、
陸運業の労働災害の約65%は、荷役作業時に発生しているのです。
具体的には、以下のような事故事例が挙げられます。
・フォークリフトで荷下ろし中に、荷物の下敷きになる
・玉掛作業中に、ホイストクレーンが振れてトラックの荷台から転落した
・トラックの無人暴走
上記はすべて人為的なミスが要因であり、
1つ1つの作業ににおいて安全確認を行なうことで防ぐことができる事故が多いです。
陸上貨物運送事業労働災害防止協会の
「陸上貨物運送業における荷役作業の安全対策に関する検討会報告書」では、
令和2年の荷役作業の死亡事故件数は87名と、過去最少となっています。
件数が過去最少となった背景には、
安全対策や作業環境が改善されたことが挙げられます。
厚生労働省の「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」にも、
荷役作業の安全対策が講じられており、これらの取り組みを行なうことで、
死亡事故が減少しているともいえるのです。
まとめ
荷役の種類や作業の流れ、安全対策について、ご理解深まりましたでしょうか。
荷役は、物流において必要不可欠な作業で、1つずつの工程についてもご紹介しました。
工程を進めるにあたり、事故の可能性もありますので、
十分注意しながら作業を進めていかなければなりません。
これから運送業を始めようとご検討の方は、運転ドットコムの下記の記事も、
合わせて参考になさってください。
【運送業をこれから始める方へ】運送業許可について解説!取得条件や費用、期間についても紹介!
本記事を参考に、荷役について知っていただければ幸いです。