クロスライセンスとは?クロスライセンスの事例やメリット、注意点も紹介!

クロスライセンス
コラム

世の中の製品は、技術レベルが高いものがたくさんあります。 

 

実は、製品は複数の会社の特許が利用されて製造されているものが多くあるのです。 

 

それぞれの会社が所有している特許や技術を、 

 

相互に利用する際にクロスライセンスが締結されます。 

 

本記事では、クロスライセンスの事例やメリット、注意点について、詳しく解説します。 

 

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クロスライセンスとは?

クロスライセンスとは

 

クロスライセンスとは、特許権といった何かしらの権利をもっている会社同士が、 

 

お互いにその権利を許諾し合うことをいいます。 

 

1つの製品をとっても、多くの特許技術が用いられていることがあり、 

 

これらの特許技術が複数の特許権者により保護されている場合があるのです。 

 

この場合、その製品の特許権者であったとしても、 

 

製造・販売においては他社の特許権を侵害することになりますので、 

 

誰もが製品を製造・販売することができません。 

 

このようなときにクロスライセンスを締結することで、 

 

特許権者がお互いに、この製品を製造・販売することが可能です。 

 

 

 

クロスライセンスの事例3つ

クロスライセンス 事例

 

クロスライセンスが締結されている事例をみていきましょう。 

 

 

マイクロソフトとカシオ計算機

マイクロソフトからカシオ計算機には、 

 

Linux関連の特許技術がライセンスされています。 

 

一方、カシオ計算機はライセンス料の支払いや、 

 

自社の技術情報の開示を求め、クロスライセンス締結が行なわれました。 

 

 

富士通とサムスンSDI

富士通とサムスンSDIは、PDP(プラズマディスプレイ)の特許権について、 

 

クロスライセンス締結が行なわれました。 

 

両者は、特許権侵害について法廷で争ってきましたが、 

 

最終的には両者とも争わないこととなり、 

 

クロスライセンス締結により和解されたのです。 

 

 

キリンHDとサントリーHD

キリンHDとサントリーHDは、糖質ゼロビールの特許のNo.1・No.2ですが、 

 

両者でクロスライセンス締結を行なっています。 

 

両者がクロスライセンスを締結することで、 

 

他社が糖質ゼロビールに参入する障壁を高くする効果を見込んだのではと 

 

考えられています。 

 

 

 

クロスライセンスのメリット・デメリット

クロスライセンス メリット デメリット

 

クロスライセンスには、どのようなメリット・デメリットがあるのかみていきましょう。 

 

 

クロスライセンスのメリット

まず、メリットについてご紹介します。 

 

特許侵害リスクの低減

1つの製品を製造する際、他社が有している特許技術が必要な場合があります。 

 

クロスライセンスを締結することで、他社の特許技術を利用することができますし、 

 

特許権をめぐって訴訟になるリスクの低減が可能です。 

 

他社の特許技術を低コストで利用できる

クロスライセンスを締結することで、 

 

他社の特許技術を低コストで利用することができます。 

 

このことから、他社の特許権が障害となって 

 

製造できなかった製品をつくることが可能です。 

 

技術応用の相乗効果

クロスライセンスを締結すると、複数の特許技術が生かされた製品が数多く誕生します。 

 

お互いの技術を応用しながら 

 

製品が製造されるといった相乗効果が生まれるのも、メリットの1つです。 

 

 

クロスライセンスのデメリット

続いて、デメリットについてみていきましょう。 

 

特許技術が独占できなくなる

クロスライセンスを締結すると、自社の特許技術が独占できなくなります。 

 

クロスライセンスを締結した会社も自社の技術を使うことができるのは、 

 

デメリットといえるでしょう。 

 

独占禁止法に抵触する可能性がある

クロスライセンスを締結することで、 

 

特許製品の販売価格や販売数などに制限が課されると、 

 

市場での競争が制限されることなります。 

 

この場合、不当な取引制限となり、独占禁止法違反となる場合があるのです。 

 

 

 

クロスライセンスを行う際の注意点

クロスライセンス 注意点

 

クロスライセンスを行なう際には、以下の点に注意してください。 

 

 

契約書に明記すること

契約書には、以下の点を明記する必要があります。 

 

・実施できる期間・範囲・用途 

・ライセンス料 

・契約の継続や解除する際の取り決め 

 

契約書に明記しておくことで、後々のトラブルを防ぐことが可能です。 

 

 

ある程度の幅を持たせる

両者との間で、流動的に対応したい事項が出てくる場合があります。 

 

その場合は、「相互で相談の上、決定する」といった形で契約書に記載し、 

 

相互の承諾を得ておくといいでしょう。 

 

また今後、特許権が増えたときなどの取り決めをしておくこともおすすめします。 

 

 

 

まとめ

クロスライセンスの事例やメリット、注意点について、ご理解深まりましたでしょうか。 

 

よりよい製品を製造するためには、 

 

各社が所有している特許を相互に出し合う必要があります。 

 

その際に、クロスライセンスを締結しますが、 

 

クロスライセンスにはメリット・デメリットや注意点がありましたので、 

 

それを知っておく必要があるのです。 

 

運転ドットコムでは、下記の記事のように、 

 

専門用語を詳しく解説していますので、合わせて参考になさってください。 

 

海コン(かいこん/カイコン)について紹介

 

本記事を参考に、クロスライセンスについて知っていただけると幸いです。