トラック、バス、タクシーといった営業車には
タコグラフとよばれる運行記録計が搭載されていることがあります。
一定の条件に当てはまっているトラックについては、
タコグラフの装着が義務付けられているのです。
タコグラフには「デジタコ」と「アナタコ」の2種類があるのですが、
どのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、タコグラフとは何か、デジタコとアナタコの違い、
アナタコの見方について、詳しく解説します。
タコグラフとは？
タコグラフとは、トラック、バス、タクシーなどに搭載されている
運行記録計のことをいい、略称では「タコ」ともいわれます。
タコグラフを搭載して走行すると、
速度変化や走行距離・時間といったデータがグラフ化され、記録として残るのです。
タコグラフの記録から車両の運行状況を把握できることから、
運転手の運行管理や労務管理を適切に行なうことができます。
また、事故が発生した際は、事故原因を究明するための資料として、
タコグラフのデータが利用されることもあります。
タコグラフは装着が義務付けられている！
2014年12月1日に、国土交通省より
「貨物自動車運送事業輸送安全規則」が改正・公布されました。
これまでタコグラフの装着が義務付けられていた
「車両総重量8ｔ以上または最大積載量5ｔ以上の事業用トラック」に加え、
「車両総重量7ｔ以上または最大積載量4ｔ以上の事業用トラック」についても、
タコグラフを装着しなければなりません。
上記の条件にあてはまる現在使用中の車両にも、
2017年3月31日までにアナログ式運行記録計
またはデジタル式運行記録計を装着する必要があるのです。
デジタコとアナタコの違い
タコグラフには「アナタコ」(アナログタコグラフ)と、
「デジタコ」(デジタルタコグラフ)の2種類があります。
これら2種類には、以下のような違いがあります。
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アナタコ |
デジタコ |
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金額 |
安い |
高い |
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利用の際の難易度 |
取付けは簡単だがチャート紙を読み解くには専門知識が必要 |
誰でも直感的にわかる |
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記録媒体 |
専用のチャート紙 |
メモリーカード、クラウド上 |
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データの改ざん |
可能 |
不可能 |
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把握できる情報 |
速度・距離・時間 |
速度・距離・時間・リアルタイム位置情報、日報作成 |
|
他システムとの連携 |
不可能 |
可能 |
アナタコの見方
アナタコは、車両の速度計を利用したもので、
走行中のスピードに応じて上下運動する鉄針が
速度計の裏に取り付けられた円形状のチャート紙に折れ線グラフを示します。
速度・距離・時間の3つを記録することができ、
これらをチャート紙から読み取るのです。
速度から読み取れることは、一般道・高速道路のどちらを走行しているのかということ。
時間から読み取れることは、休憩中か移動中か、荷積み・荷下ろし中が予測できます。
また、目的地まで遠回りをしたり、寄り道をしていることも読み取ることができますが、
その読み取りにはある程度の知識が必要です。
読み取りの知識や経験がないと、
どの線が何を示しているのかを認識するのは難しいでしょう。
ここでは、簡単に速度と距離から読み取れることについて、以下にまとめておきます。
速度から読み取る
40km/h程度で走行しましたが、速度が80km/hになった場合、
高速道路を走行している可能性が高いと推測することが可能です。
また、一定時間、速度が観測されなかった場合は、休憩をとっているか、
荷積み・荷下ろしをしていると推測できるでしょう。
速度の変動が激しい場合は、カーブが多いところを走行していることや、
アップダウンの激しいところを走行しているともいえるのです。
距離から読み取る
鉄針がチャート紙に細かな線の往復を多く示した場合、
速い速度で進んでいることが分かります。
車両が停止していれば休憩中、もしくは荷積み・荷下ろし中であることが推測できます。
まとめ
タコグラフとは何か、デジタコとアナタコの違い、アナタコの見方について、
ご理解深まりましたでしょうか。
タコグラフは、運転手の運行管理や労務管理を適切に行なうことが可能です。
とくに、記事に示した条件にあてはまっているトラックには、
タコグラフの搭載義務がありますので、必ずタコグラフを搭載しなければなりません。
トラックに関連する記事として、運転ドットコムの下記の記事も役に立ちますので、
合わせて参考になさってください。
トラックの車検の種類や適用期間について紹介！車検項目や費用にかかる相場についても！
本記事を参考に、タコグラフのしくみについて知っていただければ幸いです。
