トラックの車検の種類や適用期間について紹介!車検項目や費用にかかる相場についても!

運送会社ではたくさんのトラックを保有していますが、トラックは定期的に車検を受けなければなりません。

 

車検に合格しなければトラックを継続して使うことはできませんし、

 

場合によっては車検を期にトラックを買い替えるタイミングでもあるでしょう。

 

本記事では、トラックの車検の種類や適用期間、車検項目や費用について詳しくご紹介します。

 

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トラックの車検の種類は4つ!

トラック 車検 種類

 

車検は国土交通省が定める「自動車検査登録制度」のことで、

 

道路運送車両法第61条により法律で規定されています。

 

自動車が保安基準に適しているかを国土交通省が検査を行なっているのです。

 

車検は使用する自動車すべてが受検の対象となり、

 

車検に合格していない状況で公道を走行した場合は罰則の対象となります。

 

トラックの車検には4種類あります。

 

どのような内容の車検なのかをご紹介します。

 

 

新規検査

新規検査は、新車のトラックや、これまで使用はしていたが登録が抹消されたトラック(中古車)を

 

再度公道で使用できるようにする検査のことをいいます。

 

新規検査に合格して初めてナンバープレートが交付されるのです。

 

基本的に新規検査はディーラーなどで行なわれます。

 

 

予備検査

予備検査は、ナンバープレートがないトラックが車検の代わりに受ける検査です。

 

予備検査に合格したとしても、有効期限が3 カ月の「自動車予備検査証」のみの発行となり、

 

自動車検査証(車検証)は発行されません。

 

自動車検査証を発行してもらうためには、後日新規検査を受ける必要があります。

 

 

構造変更検査

構造変更検査は、重量、乗車定員など、

 

自動車メーカーが製造したトラックに変更があった際に受ける必要がある検査です。

 

構造変更検査を受けて合格しなければ、通常の車検に合格することはできません。

 

自動車検査証の内容に変更が生じた場合は、構造変更検査を受けましょう。

 

 

継続検査

継続検査は、使用中のトラックの自動車検査証に記載されている車検有効期限を延長するために受ける検査です。

 

国土交通省が定める保安基準に満たしてるトラックであるかを検査し、問題がなければ車検有効期限が延長されます。

 

 

トラックの車検はどこで受けられる?

トラック 車検 受ける場所

 

トラックの車検を受けられる場所は複数ありますが、

 

トラックの整備を行なっている工場であれば車検が受けられるわけではありません。

 

具体的にどこで車検が受けられるかをみていきましょう。

 

 

指定工場

指定工場は、地方運輸支局(陸運局)から「指定整備事業」の指定を受けている工場をさします。

 

指定工場ではトラックの検査を行なうことが認められており、整備・検査を工場内で行なうことができるのです。

 

短時間で車検が終えられるのがメリットで、

 

トラックディーラー(販売会社)、民間整備工場、カー用品店などが指定工場となっています。

 

 

認証工場

認証工場は、点検整備までは行なうことができますが、検査事業までは認められていない工場のことをいいます。

 

点検整備を認証工場で受検したあと、検査は陸運局の検査場まで持ち込まなければなりません。

 

一部のトラックディーラー(販売会社)、民間整備工場、カー用品店などが認証工場に該当します。

 

 

ユーザー車検・車検代行

ユーザー車検は、自分でトラックを管轄の陸運局に持ち込んで車検を受けることをいいます。

 

ユーザー車検は、事前に車検項目が検査基準に満たしている状態なのかを確認した上で

 

陸運局に持ち込まなければ車検不合格となってしまうのです。

 

車検不合格になってしまうと、不合格箇所の部品を交換・整備した上で、

 

再び陸運局の車検場に出向かなければなりません。

 

ユーザー車検は格安で車検を受けることができるため、ユーザー車検で車検を受けようとする方が多いですが、

 

車検項目の整備をきちんとした上で受検しなければ、何度も陸運局に足を運ぶことになってしまいます。

 

もしユーザー車検の受検をお考えの場合は、整備工場で車検項目を点検してもらうか、

 

陸運局の近隣にはテスター車検を行なっているところがあります。

 

テスター車検は、車検項目の点検を格安で行なってくれるところで、

 

もし車検項目に不合格になるような箇所があれば、その場で整備をしてくれるのです。

 

ただ軽微な整備しかやってくれませんので、

 

一発でユーザー車検に合格したい場合は予め整備工場で整備をしておくことをおすすめします。

 

車検代行は、車検の手続きのみを行なってくれますが、

 

ユーザー車検と同様、一発で車検に合格したい場合は、

 

前もって整備工場でトラックを整備しておく必要があることを知っておいてください。

 

 

トラックの車検適用期間は何年間?

トラック 車検 何年

 

上記でトラックの車検についてご紹介しましたが、トラックの車検適用期間は新車と中古では期間が異なります。

 

では具体的に新車と中古車に分けて、車検適用期間についてみていきましょう。

 

 

新車の場合

新車のトラックの場合は、車両総重量が8t以上であれば車検適用期間は1年、

 

車両総重量が8t未満であれば車検適用期間は2年となります。

 

新車の乗用車の場合は、車検適用期間が3年であることと比較するとトラックの車検適用期間は短いといえるでしょう。

 

トラックは車両総重量が重いほど、部品の劣化や消耗が考えられるため、車検適用期間が短く設定されているのです。

 

新車後、2回目のトラックの車検適用期間は1年となります。

 

つまり毎年車検を受けなければなりません。

 

こちらも乗用車の2回目以上は車検適用期間が2年であることを考えると、

 

トラックの車検適用期間が1年は短いことが分かります。

 

 

中古車の場合

中古でトラックを購入した際に、車検切れのトラックの場合は、まず車検を取るところから始めなければなりません。

 

車検切れのトラックの場合で、新たに車検を取った場合の車検適用期間は1年です。

 

車検適用期間が満了していない中古トラックを購入した場合は、

 

車検適用期間が満了するまでそのトラックを乗り続けることができます。

 

 

トラックの車検はいつから受けられる??

トラック 車検 いつから

 

トラックの車検は、車検適用期間が満了するまでに受検しなければなりません。

 

車検は車検適用期間満了日の1カ月前から受検することが可能です。

 

もし車検適用期間が1日でも過ぎた場合は公道を走ることはできませんし、

 

車検が切れた状態で公道を走行すると、道路運送車両法第58条1項、第108条に基づき、

 

6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となります。

 

また車検が切れているということは、もしかすると自賠責保険の期間も満了日を過ぎているかもしれません。

 

自賠責保険が切れた状態で公道を走行すると、自動車損害賠償保障法第5条、第86条3項に基づき、

 

1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となるのです。

 

無車検走行・無保険走行となると、初版は略式裁判で罰金刑で終わることが多いですが、

 

無車検走行・無保険走行を行なっていた回数や期間によって

 

正式裁判になる可能性があることを知っておいてください。

 

無車検走行・無保険走行の前科があり、再び無車検走行・無保険走行を行なった場合、

 

また執行猶予期間中にその行為を行なった場合は、

 

実刑判決が下されて刑務所に行くことになる可能性があることも知っておきましょう。

 

 

トラックの車検項目を紹介!

費用はどれくらい掛かる?

 

トラックの車検項目には以下のようなものがあります。

 

 

エンジンルーム点検・パワーステアリング装置

まずはエンジンルーム・パワーステアリングの点検項目をみていきましょう。

 

・点火装置

・バッテリー、電気配線

・エンジンオイルの量、漏れ

・冷却装置

・燃料装置の漏れ

・公害発散防止装置

 

エンジンルーム点検では、ベルト類をゆるみはないかを確認するのですが、

 

もしベルトがゆるんでいるとベルト鳴きの原因となってしまいます。

 

その他、オイル漏れ、冷却水漏れ、ねじのゆるみがないのかなど、

 

トラックの故障トラブルを引き起こさないよう点検するのです。

 

 

室内点検

車検項目には室内点検の項目もあります。

 

・ハンドル

・ブレーキペダル

・パーキングブレーキ

・クラッチペダル

 

ハンドルは、下回りにガタがないかを確認するのですが、

 

ガタがあるとトラックがまっすぐ走行するのに支障をきたしてしまうのです。

 

 

足回り点検

車検項目には、以下のように足回り点検もあります。

 

・ホイール、ショックアブソーバー

・サスペンション

・ブレーキマスターシリンダー、ディスクキャリパー

・ディスクブレーキ

・ドラムブレーキ

 

足回り点検はブレーキなどを含む重要点検項目です。

 

タイヤを外してブレーキドラムを点検し、

 

小さなトラブルがあった場合も整備した上で車検を受けたほうがいいでしょう。

 

 

下回り点検

下回り点検も車検の重要項目で、以下の箇所が点検項目となります。

 

・ステアリングのロッド、アーム

・トランスミッション、トランスファー、プロペラシャフト、ドライブシャフト

・デファレンシャル

・ブレーキホース、パイプ

・エキゾーストパイプ、マフラー

・フレーム、ボディ

 

下回り点検の際もタイヤを外して部品のガタつきがないかを確認します。

 

車検場ではライトをつけて下回りの確目視認が行なわれますし、

 

点検ハンマーで決まった部分をコンコンとたたきながら、部品のゆるみなどがないかを確認されるのです。

 

 

トラックの車検の流れを紹介!

トラック 車検 流れ

 

上記でトラックの車検項目についてご理解いただけたことでしょう。

 

では実際に、トラックの車検はどのような流れで行なうのかを以下でご紹介します。

 

①車検を依頼する工場を決める

車検を行なってくれる工場は、トラックディーラー(販売会社)、

民間整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドなどがあります。

車検を依頼する工場が決まれば、いつトラックを持ち込めばいいのかを工場に確認しましょう。

 

②必要書類を集める

車検を依頼する工場には、車検証(自動車検査証)、

自賠責保険証書、納税証明書、印鑑(認め印)、車検費用が必要です。

 

③トラックを預ける

車検を行なってくれる工場にトラックを預けます。

車検には3日程度かかるのが一般的です。

 

④トラックの引き取り

車検が終わればトラックを引き取り、車検代金を支払って終了となります。

 

上記は工場に車検を依頼した場合の流れになります。

 

自身でトラックの車検を取得する際は、以下の流れになります。

 

①ネット等でユーザー車検の予約を行なう

②①で予約した日時に合わせてトラックの点検・整備を行なう

③①で予約した日時に陸運局にトラックを持ち込む

④ユーザー車検を受ける手続きを陸運局の窓口で行なう

⑤車検場レーンに並び、職員の指示に従ってトラックをレーンまで動かす

⑥車検が終了すれば新しい車検証を受け取って終了

 

陸運局でユーザー車検を受ける場合、車検場レーンで車検を受けることになりますが、

 

レーンまでトラックを動かしたり、実際に車検を受ける際に、

 

ライト系を点灯させる、アクセルを踏んで速度計メーターの検査を受けるなど、

 

検査項目の作動は自身で行なわなければなりません。

 

 

トラックの車検にかかる費用ってどのくらい?

トラック 車検 費用

 

いざ、トラックの車検を受けようと思っても、費用がどれくらいかかるか気になるところです。

 

ここではトラックの車検にかかる費用についてご紹介します。

 

 

点検整備費用

車検を受ける際は、車検に合格するために必要な点検整備を受ける必要があります。

 

トラックディーラー(販売会社)、民間整備工場、

 

カー用品店などで車検を受ける場合は、以下の点検整備費用が発生します。

 

 

車検基本料金

車検で義務付けられている項目の点検を行なう技術料金

整備技術料

点検の結果、必要な整備を行なうための料金

部品・油脂代金

点検の結果、必要な部品・油脂を購入するための料金

保安検査料金

検査機器を使用して検査の適合基準に満たしているかの料金

検査代行手数料

所有者に代わって陸運局で車検証更新手続きを行なう料金

その他

エンジン・下回りの洗浄料金など

 

 

法定費用

法定費用は、自動車重量税、自賠責保険料、検査料の3つあり、

 

車検を受ける際に必ず支払う必要がある費用です。

 

トラック種類別の費用は以下になります。

 

 

小型トラック

小型トラックの法定費用は以下の通りです。

 

<自動車重量税>(新規検査:初回2年)

車両総重量

エコカー減税適用車

エコカー減税適用外

~2.0t

0~7,500円

10,400~13,200円

~2.5t

0~11,200円

15,600~19,800円

~3.0t

0~11,200円

15,600~24,600円

~4.0t

0~15,000円

20,800~32,800円

~5.0t

0~18,700円

26,000~41,000円

 

<自動車重量税>(継続検査:2回目以降1年)

車両総重量

エコカー減税適用車

エコカー減税適用外

~2.0t

0~5,000円

5,200~8,800円

~2.5t

0~7,500円

7,800~13,200円

~3.0t

0~7,500円

8,100~18,900円

~4.0t

0~10,000円

10,400~25,200円

~5.0t

0~12,500円

13,000~31,500円

 

<自賠責保険>

 

25カ月

24カ月

13カ月

12カ月

最大積載量

2t以下

自家用

33,840円

32,730円

20,250円

19,120円

営業用

36,860円

35,630円

21,840円

20,580円

最大積載量

2t超

自家用

37,980円

36,710円

22,430円

21,130円

営業用

52,930円

51,070円

30,270円

28,380円

 

<印紙代>

指定整備

1,600円

持込検査

2,200円

 

 

中型トラック

中型トラックの法定費用は以下の通りです。

 

自賠責保険と印紙代は上記の小型トラックと同様ですので、そちらをご覧ください。

 

<自動車重量税>(新規検査:初回2年、8t超の場合は初回1年)

車両総重量

エコカー減税適用車

エコカー減税適用外

~6.0t

0~22,500円

31,200~49,200円

~7.0t

0~26,200円

36,400~57,400円

~8.0t

0~30,000円

41,600~65,600円

~9.0t

0~16,800円

23,400~36,900円

~10.0t

0~18,700円

26,000~41,000円

~11.0t

0~20.600円

28.600~45.100円

 

<自動車重量税>(継続検査:2回目以降1年)

 

 

車両総重量

エコカー減税適用車

エコカー減税適用外

~6.0t

0~15,000円

15,600~37,800円

~7.0t

0~17,500円

18,200~44,100円

~8.0t

0~20,000円

20,800~50,400円

~9.0t

0~22,500円

23,400~56,700円

~10.0t

0~25,000円

26,000~63,000円

~11.0t

0~27,500円

28,600~69,300円

 

 

大型トラック

大型トラックの法定費用は以下の通りです。

 

自賠責保険と印紙代は上記の小型トラックと同様ですので、そちらをご覧ください。

 

<自動車重量税>(新規検査:初回1年)

車両総重量

エコカー減税適用車

エコカー減税適用外

~12.0t

0~22,500円

31,200~49,200円

~13.0t

0~24,300円

33,800~53,300円

~14.0t

0~26,200円

36,400~57,400円

~15.0t

0~28,100円

39,000~61,500円

~16.0t

0~30,000円

41,600~65,600円

~17.0t

0~31,800円

44,200~69,700円

~18.0t

0~33,700円

46,800~73,800円

~19.0t

0~35,600円

49,400~77,900円

~20.0t

0~37,500円

52,000~82,000円

~21.0t

0~39,300円

54,600~86,100円

~22.0t

0~41,200円

57,200~90,200円

~23.0t

0~43,100円

59,800~94,300円

~24.0t

0~45,000円

62,400~98,400円

~25.0t

0~46,800円

65,000~102,500円

~26.0t

0~48,700円

67,600~106,600円

~27.0t

0~50,600円

70,200~110,700円

~28.0t

0~52,500円

72,800~114,800円

~29.0t

0~54,300円

75,400~118,900円

~30,0t

0~56,200円

78,000~123,000円

 

<自動車重量税>(継続検査:2回目以降1年)

車両総重量

エコカー減税適用車

エコカー減税適用外

~12.0t

0~30,000円

31,200~75,600円

~13.0t

0~32,500円

33,800~81,900円

~14.0t

0~35,000円

36,400~88,200円

~15.0t

0~37,500円

39,000~94,500円

~16.0t

0~40,000円

41,600~100,800円

~17.0t

0~42,500円

44,200~107,100円

~18.0t

0~45,000円

46,800~113,400円

~19.0t

0~47,500円

49,400~119,700円

~20.0t

0~50,000円

52,000~126,000円

~21.0t

0~52,500円

54,600~132,300円

~22.0t

0~55,000円

57,200~138,600円

~23.0t

0~57,500円

59,800~144,900円

~24.0t

0~60,000円

62,400~151,200円

~25.0t

0~62,500円

65,000~157,500円

~26.0t

0~65,000円

67,600~163,800円

~27.0t

0~67,500円

70,200~170,100円

~28.0t

0~70,000円

72,800~176,400円

~29.0t

0~72,500円

75,400~182,700円

~30,0t

0~75,000円

78,000~189,000円

 

トラックのサイズについて詳しいことを知りたい方は下記をご覧ください。

 

トラックのサイズを種類ごとや職種ごとに紹介!荷物がはみ出す場合や実際の体験談も紹介!

 

 

トラックの車検の費用を抑える方法

車検を受けられる場所は?

 

これまでにご紹介したように、トラックの車検費用は決して安いものではありません。

 

「どうにかしてトラックの車検費用を安く抑えられないか…」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

 

トラックの車検費用を抑える最善の方法は、

 

前述でもご紹介した「ユーザー車検」で車検に合格することです。

 

ユーザー車検は、自分でトラックを陸運局の検査場に持っていき、

 

検査レーンでも自分でトラックを運転します。

 

また新しい車検証を発行してもらうための書類手続きもすべて自分でやらなければなりません。

 

業者に頼まず、自分でやることは多いですが、その分車検費用は抑えられます。

 

記事でもご紹介した車検項目を前もって点検・整備しておくことで、

 

ユーザー車検で車検に合格することができますので、ぜひユーザー車検にチャレンジしてみてください。

 

 

まとめ

トラックの車検について詳しくご紹介しました。

 

車検はトラックを安全に運行させるために必要な検査であり、法律で受検することが定められています。

 

日々、トラックの点検・整備をきちんと行なっていれば、車検にも合格しやすくなります。

 

お客様の大切な荷物を予定通り届けるためにも、車検だけでなく、日常点検も丁寧に行なってください。

 

本記事で、トラックの車検について知識を深めていただければ幸いです。

 

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