
高速道路を走っていると、遠方ナンバーのトラックを多くみかけます。
長距離ドライバーの仕事は、長時間運転することから、大変さが伝わってきますが、
実際はどのような大変さがあるのでしょうか。
本記事では、長距離ドライバーの仕事は大変なのか、大変な理由と実際の様子について、
良い会社を見つけるコツについて、詳しく解説します。
長距離ドライバーの仕事内容
長距離ドライバーの仕事の内容は、以下の通りです。
|
項目 |
仕事内容 |
1 |
出社・運搬 |
・出社後に点呼を受ける ・義務であるアルコールチェックを受ける ・荷物があるセンターへ センターに向かう ・センターで荷物の積み込み完了後、配送先へ出発 |
2 |
休憩・休息 |
・業務中に休憩をはさむ ・途中のサービスエリアで食事やトイレを済ませる |
3 |
荷下ろし |
・目的地に到着後、荷下ろし作業を行なう |
4 |
帰社・退社 |
・荷物を配達すれば業務終了 |
長距離ドライバーの仕事内容の詳細は、
運転ドットコムの下記の記事も役に立ちますので、 合わせて参考になさってください。
トラック運転手が大変だと言われる理由
長距離ドライバーが大変だと言われるのには、いくつかの理由が存在します。
家に帰れない
長距離ドライバーは、運搬する荷物や配送ルートによって、スケジュールが大きく異なる特徴があります。
スケジュールによっては、1週間や2週間家に帰れない場合もあるでしょう。
独身のドライバーは、あまり気にしない人も多いようですが、
家族がいるドライバーにとっては、精神的な負担になる場合もあります。
家族の理解も得ながら、仕事を続ける必要があるのかもしれません。
労働時間が長い
長距離ドライバーは、労働時間が長くなるのも特徴で、
一般的な企業のように、8時間勤務で決められた時間から時間まで働けば帰れる、というスケジュールではありません。
厚生労働省が発表した賃金構造統計調査によれば、
運送業の1ヶ月あたりの平均残業時間は28時間、平均労働時間は198時間となっています。
トラックドライバーの平均労働時間は、他業界と比べても高く、平均労働時間ランキングでも上位となっています。
荷主から依頼された荷物の運搬が終わり、会社に帰るまでは仮眠や休憩をもちろん取りますが、
家に帰れない分、拘束時間が長時間に及ぶ場合も多いです。
労働時間が長いのがきつい、と思っているドライバーも少なくありません。
■出典:厚生労働省の賃金構造統計調査
時間の割に給料が安い
労働時間の長さや、睡眠不足であるとの理由を考えると、給料が安いと感じる人もいるようです。
長距離ドライバーは、比較的トラックドライバーの中でも企業によりますが、
年収でいうと80〜100万円ほど高いと言われています。
しかし、働く運送会社によっては、給料が少ない場合もあります。
労働時間や、拘束時間が長い割に給料が安いと感じる場合には、大変という思いになってしまうのかもしれません。
肉体的に負担がかかる
長距離ドライバーで運転が好きと思っている人でも、荷下ろしや長時間に及ぶ運転できついと思う瞬間があります。
荷物を届けなければという責任感と、
仕事が終わらないと家に帰れないという気持ちで運転をしていても肉体的疲労が蓄積されてしまいます。
また、体調が悪くて運送会社から遠い地方へ行っている場合は、
すぐに変わってもらえる仕事ではないため、体への負担は否めません。
なぜ大変な職場になってしまうのか?
長距離ドライバーが、なぜ大変な職場になってしまうのかには、以下のような理由があります。
人材不足が深刻化している
2007年の道路交通法の改正によって、
普通免許で運転できていた5トン以上11トン未満のトラックが中型免許でないと、
運転できなくなってしまったことも要因の1つです。
また、昨今のインターネット通販の普及により、買い物する人が増加しているのも要因で、
人材不足の中、配送する荷物が多くなり、更に人材不足が深刻化しています。
■出典:公益社団法人 全日本トラック協会
深夜労働が発生しやすい
長距離ドライバーは、深夜労働が発生しやすい場合が多いことが挙げられます。
荷物を搬入する小売店が9時開店だとすれば、お店が混雑する時間を避ける必要があるでしょう。
そのため、夜間や深夜の労働が発生しやすくなります。
待機時間が長い
トラックドライバーは、運送会社に荷物の依頼をする荷主の要望に無理をしてでも応える必要があります。
主な問題として、荷物を下ろすまで待つ待機時間が長く、荷物を下ろすまでに4〜5時間かかってしまう場合もあります。
トラックドライバーは、遅刻はもちろん厳禁ですが、
現場で荷物を下ろす時間が決められるため現場で待たなければなりません。
長距離ドライバーの収入の詳細
長距離ドライバーの年収はどれくらいなのかみていきましょう。
大型トラック運転手の年収については、
運転ドットコムの下記の記事も役に立ちますので、
合わせて参考になさってください。
大型トラック運転手の平均年収・給料は平均463万円。年収1000万円も目指せる?
長距離ドライバーの平均収入
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」では、
大型トラックを運転する長距離ドライバーの平均年収は4,919,300円、 平均月収は377,400円です。
平均年収は、大企業ほど高い傾向であり、中小企業ほど低い傾向にあります。
また、経験年数が長いほど、 高い収入を得ている長距離ドライバーもいるのです。
長距離ドライバーの手当
長距離ドライバーの手当には、以下のようなものがあります。
|
手当 |
内容 |
1 |
出張手当 |
出張で長距離を運転する場合に支給される手当 |
2 |
通勤手当 |
通勤で長距離を運転する場合に支給される手当 |
3 |
残業代 |
長距離運転が所定労働時間を超える場合に支給される手当 |
4 |
安全運転手当 |
安全運転を遂行した場合に支給される手当 |
5 |
無事故手当 |
無事故を達成した場合に支給される |
支給される手当は運送会社によって異なります。
支給される手当に該当するほど、平均収入が高くなるでしょう。
長距離ドライバーの賞与
長距離トラックドライバーの賞与額は、年間で約60〜85万円です。
会社によって金額には幅がありますが、 近距離・中距離ドライバーに比べて高い傾向にあるでしょう。
一方で、長距離ドライバーは運転距離が長いため、歩合給の割合が高くなります。
また、夜間手当や時間外手当なども期待できるため、
高額な賞与を支給されなくても、ある程度の高収入を稼げる職種といえるのです。
長距離ドライバーのメリット・デメリット
長距離ドライバーのメリット・デメリットについてみていきましょう。
長距離ドライバーのメリット
長距離ドライバーのメリットは、以下の通りです。
高収入
長距離ドライバーは走行距離が長いため、年収が高くなる傾向があります。
運転技術の向上
長距離ドライバーが運転するトラックは、基本的に大型トラックになりますので、 運転技術が向上します。
色々な場所に行ける
長距離ドライバーの目的地は、その都度異なります。 そういいた意味では、色々なところに行けるでしょう。
長距離ドライバーのデメリット
長距離ドライバーのデメリットについてご紹介します。
長時間労働
長距離ドライバーの目的地は遠方が基本です。 そのため、長時間労働は避けられません。
不規則な生活
上記の長時間労働中は、休憩・休息が取れますが、 食事の時間などを含めると、不規則な生活になってしまいます。
体力的負担が大きい良い会社を見つける方法
トラックドライバーが働く環境は、ブラックと言われてしまう場合もありますが、
ブラックな労働環境の運送会社ばかりではありません。
ブラックでない良い運送会社の見つけ方があります。
新しい車両が多い
長距離ドライバーは、運転前に車両を確認してから運転に入りますが、一番懸念されるのが交通事故です。
事故のリスクを最小限に抑える為には、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置と呼ばれる安全装置です。
古い車両には、十分に搭載されていないことが多くなっています。
ある程度利益を上げている運送会社では、最新の安全装置を搭載した車両を導入しています。
しかし、利益を上げていない会社や、
社員を大事にしていない会社は導入していない場合もあるため、新しい車両が多い運送会社を選ぶのがおすすめです。
勤続年数が長く、離職率も低い
求人を検索するたびに求人が出ている企業では、
勤続年数が短くて離職率が高い可能性があります。
どのくらいの間隔で求人が出されているのかや、
離職率は大手転職サイトの口コミを利用して調べてみるのをおすすめします。
車両や従業員が仕事に対して十分確保されている
会社の規模に対してトラックドライバーの人数や車両数が少ない場合は、ブラック企業である可能性が高いです。
人数や車両数が少ない場合、ドライバー1人に対しての仕事量が多くなり、
長時間労働を強いたり低賃金で働かせている場合があります。
利益が上がっている会社や従業員の離職率が低い会社では、
トラックドライバーの人数や車両数を確保したうえで、営業している運送会社が比較的多くなっています。
会社の面接や見学の際に、人数や車両数も確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、長距離ドライバーが大変と言われる理由や大変な職場になっていしまう原因について紹介してきました。
長距離ドライバーの仕事は、きついし大変と言われる一方で、やりがいがある仕事でもあります。
ブラックな労働環境で働いていては、頑張っていても報われないと感じる場合もあるでしょう。
良い会社を見つける方法を参考に、自分に合った運送会社を見つけてみましょう。