タクシーにはいくつかの営業方法があり、そのうちの1つの営業方法として「流し営業」があります。
流し営業はコツをつかむことで売り上げをアップさせることが可能です。
タクシーの流し営業のコツさえつかめば、あなたの給料もアップするはず。
本記事では、タクシーの流し営業やそのコツについて詳しく解説していきます。
タクシーの流し営業とは?
タクシーの流し営業とは、お客様を見つけるために、無作為に走りながらお客様を探す営業方法のことをいいます。
道端で手を挙げてタクシーを止めた経験があるかと思いますが
そのタクシーは流し営業をしているタクシーということです。
少し手を挙げただけでタクシーが止まってくれますが、
タクシー運転手は営業としてお客様を見つけるわけですから、細かに歩道には目配りをしています。
タクシー運転手の営業方法は、流し営業に他にも2つあります。
具体的な営業方法については、次でみていきましょう。
タクシーの営業方法は主に3つ!
タクシー運転手の営業方法は3つあります。
どのような営業方法があるのかみていきましょう。
営業方法①流し営業
前述でお伝えしたように、流し営業とは、道を走りながらお客様を探す営業方法をいいます。
流し営業のメリットは、お客様をみつけやすい場所や時間を把握しているほど、
高い確率でお客様をみつけることが可能です。
一方、お客様をみつけやすい場所や時間を把握していないタクシー運転手は、
ただただ燃料や時間を浪費しながら走行しているだけになり、売り上げも得られない可能性が高くなります。
営業方法②付け待ち営業
付け待ち営業とは、駅やタクシー乗り場に、タクシーを停車させてお客様を待つ営業方法のことをいいます。
付け待ち営業のメリットは、イベント会場の近辺であったり、
通勤の時間、終電が終わったあとの時間は、高い確率でお客様を乗せることが可能です。
ただお客様がタクシー乗り場にあまり来ない時間帯では売り上げアップにつながらないでしょう。
営業方法③配車営業
配車営業とは、お客様の要望で、指定された場所・時間にお客様を迎えに行く営業方法のことをいいます。
配車営業のメリットは、流し営業のようにタクシーを走らせ続けたり、
付け待ち営業のように乗り場で待ち続けたりする必要がないということです。
しかしお客様が配車の連絡をしてこない限りは売り上げにつながりませんし、
都会のようにタクシーが流し営業・つけ待ち営業をしている割合が高いところは、
配車営業の売り上げが伸び悩むときがあります。
タクシー運転手が自分に向いているかどうか気になる人もいますよね。
下記の記事で詳しく紹介していますのでそちらをご覧いただければと思います。
タクシードライバーに向いている人とは?適性や性格を紹介します
タクシーの流し営業と付け待ち営業はどっちがいいの?
どのような営業方法でお客様を乗せるかは、タクシー運転手の裁量に委ねられています。
つまり売り上げを上げるためには、タクシー運転手が要領良く営業を行なう必要があるのです。
売り上げが高いタクシー運転手は、流し営業と付け待ち営業を上手に使い分けています。
例えば、付け待ち時間は運転しなくて済みますから、言い方は良くありませんが、
お客様を乗せない限りはリラックスできる休憩時間と考えることができます。
流し営業をしながら、運転を少し休止させるときはタクシー乗り場に待機して
付け待ちに切り替えるなどの工夫をされているタクシー運転手がおられるのです。
売り上げを上げたいタクシー運転手は「流し営業と付け待ち営業はどっちがいいの?」とお思いかもしれません。
前提として、売り上げが高いタクシー運転手は、流し営業にしても、
付け待ち営業にしても、お客様がゲットできる場所や時間を自分の中でデータ化しているのです。
自身でさまざまなところを走ったり、ベテランタクシー運転手の経験を聞きながらお客様が得やすい場所を走行しています。
ここではさらに詳しく流し営業と付け待ち営業について比較していきましょう。
流し営業
流し営業でお客様をゲットするためのコツに関しては後述しておりますが、
どの時間帯にどこにお客様が多く存在するかを考える必要があります。
例えば、朝の通勤時間帯であれば郊外から都心へ向かう人が多いため、
都心方向へタクシーを走らせているとお客様をゲットしやすいです。
一方、帰宅ラッシュの際はその逆で、都心から郊外へタクシーを走らせているとお客様をゲットしやすくなります。
ただ方向を合わせるだけでなく、
会社が多く密集している場所や飲み屋街の多いところに注目するなどを考えながら流し営業を行なうといいでしょう。
詳しくは後述の「タクシーの流し営業のコツ10選を紹介!」をご覧ください。
付け待ち営業
つけ待ち営業でお客様をゲットするためには、以下のような場所で待機するのが最適です。
・駅
・ホテル
・商業施設
・オフィスビル街
・病院
・空港
・イベント会場
多くの人が行きかう場所では、つけ待ち営業をしているとお客様をゲットしやすいでしょう。
もちろん他のタクシー運転手も上記の場所に営業にやってきますが、
多くのお客様が集まるところでは回転率がいいため、すぐに自身のタクシーもお客様を乗せることができるのです。
タクシーの流し営業のコツ10選を紹介!
上記では、流し営業とつけ待ち営業について比較しました。
流し営業についてご理解が深まったと思いますが。実際に流し営業をする際は成功させたいものです。
ここではタクシーの流し営業を成功させるためのコツ10選についてご紹介します。
コツ①人が多いところでタクシーを走らせる
流し営業はとにかく道端でタクシーを待っている人をみつけなければなりません。
だからといって無作為に走っていては時間も体力も無駄です。
経験を積み重ねていくと、どの時間帯にどのあたりでお客様がたくさんみつかるかは検討がついてきますが、
経験が浅い場合はそうもいきません。
その場合は、都心や街なかなど、とにかく人がたくさんいるところを走行してみてください。
もし人が多い場所の検討がつかない場合は、以下のところを走行するといいでしょう。
・富裕層が多い地域
・会社が多い地域
・坂が多いなど歩くのが大変な地域
・飲み屋街が多い地域
上記は人が多く集まる場所に違いありませんが、
時期によって人が多い・少ないがありますので、それも含めて走行しなければなりません。
例えば大みそかに上記のようなところを走行しても人はほとんどいないでしょう。
基本的には上記の場所を走行し、ターゲット(お客様)がいつ・どのようなところに多いかを目配りしながら、
経験を積み重ねていってください。
そうすると、いずれかは自身の中でお客様が得られやすいところがデータとして残りますので、
売り上げも上がっていきます。
コツ②急に天候が悪くなったときに人が集まるところへ向かう
さっきまで晴れていたのに、急に天候が悪くなってきた場合、
人は駅やショッピングモールなど、雨宿りできるところに集まるでしょう。
中には早く移動先に行きたいのにも関わらず、傘をもっていないために移動ができない人もいるはず。
比較的大きな道路に面しているところでは人がたくさん歩いていますし、
建物が多いため雨宿りできるところが多くあります。
タクシーを走らせているときに天気予報をチェックしたり、
雲行きを確認することで、急に天候がくずれた際にお客様を得られるでしょう。
コツ③鉄道が運転見合わせになったときは駅に向かう
天候不順や事故などが発生すると、ときおり鉄道は運転見合わせとなります。
運転見合わせになった際、鉄道利用者はバスの振替輸送を利用しますが、
混雑したバスに乗りたくない人や早く目的地に着かなければならない人は、タクシーを利用するのです。
日頃タクシーを利用しない人であっても、このときばかりはタクシーを利用する方が多くいらっしゃいます。
鉄道の運行状況はスマホアプリをインストールしておけば、
リアルタイムに情報を得ることができますので、
通知ONにして鉄道運行状況をキャッチできるようにしておいてください。
コツ④イベント会場を狙う
ライブや野球・サッカーなどのスポーツの試合が行なわれる会場をチェックしておくことで、
イベント開始前・終了後のお客様をねらうことが可能です。
イベント開始前は、観客たちはまばらにイベント会場に向かいますが、
イベント終了後は一気に観客たちは帰路につきます。
基本的にイベント会場は公共交通機関の最寄り駅に近いところに立地しており、
ほとんどの観客は最寄り駅へ流れていきます。
鉄道は観客たちですし詰め状態であるため、ゆったり帰りたいという人はタクシーを利用するのです。
イベント開催日時をあらかじめチェックしておき、
時間を見計らって流し営業をするとお客様を得ることができるでしょう。
コツ⑤タクシーをゆっくり走らせる
道端にいるお客様を得るためには、タクシーを速く走らせているとお客様を見落とすことが多くあります。
また速くタクシーを走らせていると、
お客様をみつけた際に急ブレーキをかけて停車する可能性が高くなり、追突事故を起こすかもしれません。
お客様を見つける際は、左車線(歩道側)を制限速度で走行するか、制限速度より少し遅い速度するといいでしょう。
あまり遅すぎると交通の流れを乱すことになりますのでご注意ください。
コツ⑥車間距離をとって走行する
車間距離をあけての走行は、追突事故を防ぐためという目的もありますが、
車間距離をとって走行することで、お客様に「空車」の表示がみやすくなります。
走行中に車間距離をあけることはもちろんのこと、信号待ちなどで停車する際も、
前の車との車間距離をあけることで「空車」の表示がみやすくなるのです。
車間距離をあけて走行していると割り込んで入ってくる車があるかもしれませんので、
走行中は周りの車の流れにも十分に注意しましょう。
コツ⑦交差点では先頭で停車する
前述の車間距離と重なりますが、交差点で先頭に停車することで「空車」の表示がみやすくなります。
またタクシーを探しているお客様は、信号で停車したタクシーを停めることで乗車しやすいことから、
交差点付近でタクシーを探している場合が多いです。
ただ交差点で停車することを意識しすぎて急ブレーキをかけてしまうと、追突事故の原因となります。
まずは事故を起こさないことを最優先に流し営業することを心がけてください。
コツ⑧左に曲がることを意識する
左側通行の日本では、お客様を乗車させる際は左側のドアをあけます。
流し営業する際は左車線を走行するのが基本で、
中央車線や右車線を走行していると歩道にいるお客様を得ることができません。
つまり流し営業をしているときの曲がる方向は左方向となるのです。
もし右方向に曲がりたい場合は、左に3回曲がって直進することで、
曲がりたかった右方向に進むことができます。
お客様を得るためにも常に左車線を走行し、左に曲がることを意識しましょう。
コツ⑨時間帯を意識する
流し運転で最も考えなければいけないのが時間帯です。
お客様がタクシーを利用したいのは、以下のようなときでしょう。
・仕事で疲れて自宅まで直帰したい
・お酒を飲んだため歩いて帰るのがしんどい
・終電がなくなってしまい帰る手段がない
次にこれらの方がどのような場所にいるかを考えてください。
仕事疲れの人はオフィス街にいますし、お酒を飲んだ方は繁華街に多いです。
また終電がなくなった方は、駅前で待機しているか、
徒歩で帰るために大きな道路の歩道を歩いている可能性が高いといえます。
これらのお客様が多いのは夜の時間帯です。
夜は深夜料金になる上に、長距離のお客様が多いことから高額な売り上げが期待できます。
このように時間帯を意識した流し営業は非常に大切です。
コツ⑩お客様が降車したあとのことを考える
お客様を目的地までお送りしたあと、タクシー運転手は直後の流し営業について考えなければなりません。
もちろんお客様はどこで降車されるか分かりませんが、
お客様を乗せて目的地に走行しているときに、
お客様の降車場所から近隣で次のお客様を得られる場所を頭の中で考えておく必要があるでしょう。
お客様を降車させたあと無作為に流し営業をしていては、時間や体力が無駄になります。
要領よく流し運転をしてながらお客様が得られるよう、多くの経験を積み重ねる必要があるのです。
現役タクシー運転手の体験談を紹介!
タクシー運転手の仕事は、
何も考えずに流し営業やつけ待ち営業をしていると売り上げは得られないことが分かりました。
現役タクシー運転手の中で売り上げの高い運転手は、
お客様が得られる時間帯や場所を把握しており、そのノウハウを生かして仕事をしています。
ここでは現役タクシー運転手の体験談についてご紹介します。
~ケース①~ Sさん/50代/男性
タクシー運転手歴5年のSさんは、夜の時間帯に流し営業を行なっています。
これまでの経験から帰宅ラッシュの時間帯にはオフィス街を走行したり、
お酒を飲んだ人が帰路につく時間帯では繁華街付近を走行しているとのこと。
時間帯によって流し営業をする場所を変えることは非常に大切だとSさんはおっしゃっています。
夜の時間帯は遠方までの利用者もいることから、大きな売り上げにつながっているとのことです。
~ケース②~ Oさん/20代/男性
Oさんはタクシー運転手歴が長くないことから、
先輩運転手のようにうまくお客様をつかまえることができないとおっしゃっていました。
流し運転ばかりしていると疲労がたまることもあり、運転を完全に中断するのではなく、
途中でつけ待ち営業に切り替えるなど、メリハリをつけた営業を心がけているとのことです。
今後もさまざまなところを走行し、お客様の動向をつかんでいきたいとのことでした。
~ケース③~ Cさん/40代/女性
Cさんは流し営業を行なう際に、高級住宅街を走行することが多いようです。
高級住宅街から都心へ買い物に出かける女性客が多く、
女性が出かけそうな時間帯を読むことで売り上げにつなげています。
女性客だとCさんも安心できる面もあるそうです。
まとめ
タクシーの流し営業についてご理解いただけましたでしょうか。
街なかを走っているタクシーは無作為に走っているわけではなく、
お客様を乗せるために色々と試行錯誤していることが分かりました。
本記事を参考に、これからタクシー運転手に就職・転職をお考えの方はぜひ参考になさってください。