警備員を目指している方は以下のような疑問をお持ちではありませんか。
「どれほど給料をもらえるのか。高いのか安いのか」
「現在警備員として働いており、自分の給料は高いのか安いのか」
「給料を上げるためには何をするべきか」
本記事ではこのような疑問を解決するとともに、警備員について給料事情を解説します。
警備員の仕事内容とは?
警備員の仕事は以下の4種類に大別されます。
・施設警備業務(1号警備)
・交通誘導警備業務(2号警備)
・輸送警備業務(3号警備)
・身辺警備業務(4号警備)
どの業務にも共通することは、警備対象の安全を守ることです。1・2号警備は、特定の施設を利用している市民、交通上危険がある場所にいる市民を守ります。3号警備は貴重品を盗難から守り、4号警備は依頼主に指定された人物が警備対象です。なお、警備員になるために必須の資格はありませんが、業務に役立つ資格はあります。資格の詳細についてはこちらを併せてご覧ください。
警備員の仕事の給料(年収)
2021年度に厚生労働省が公表した賃金構造基本統計調査によると、警備員の給料は以下のとおりです。
・平均年収(賞与含む):318万円〜409万円
・月収(賞与含む):26.5万円〜34.0万円
・賞与:9.4万円〜54.0万円
警備の種類ごとの年収も紹介します。
施設警備員(1号)
施設警備(1号警備)の平均年収は、正社員の場合、約335万円です。月給換算すると27.9万円、手取りを月収の80%とすると22.3万円です。
ある給与明細の例を紹介します。
【入社歴】入社6年目
【年齢】27歳
【雇用形態】正社員
【基本給】15.8万円(177時間勤務)
【残業代】6.8万円(65時間勤務)
【地域手当】15,000円
【階級手当】2,000円
【当務手当】8,000円
【家族手当】10,000円
【深夜手当】28,000円
【月収】28.9万円
【手取り】21.9万円
施設警備員は警備業務のなかでは難易度や専門性が低いため、年収は低い傾向があります。ただし、施設警備員のなかでも、施設内の火災報知器や赤外線センサーなどを利用し警備を行う機械警備と呼ばれる業務は比較的給料が高いです。
交通誘導員(2号)
交通誘導警備(2号警備)の平均年収は、正社員の場合、約348万円です。月給換算すると29万円、手取りを月収の80%とすると23.2万円です。
ある給与明細の例を紹介します。
【警備歴】14年
【年齢】58歳
【雇用形態】正社員
【会社の場所】地方
【年俸】500万円
【賞与】41.6万円(年1度)
【月収】45.1万円
交通誘導警備員の仕事内容は、交通上で混乱が生じやすい現場で、車両と人々に危険が及ばないよう誘導を行うことです。また、2号警備のもう一つの業務である雑踏警備員は、イベント会場やお祭りなどで混雑を解消し、安全を守るための警備を行います。交通誘導員も施設警備員と同じく、難易度・専門性が低く、年収は低い傾向があります。
輸送警備員(3号)
輸送警備(3号警備)の平均年収は、正社員の場合、300万円〜400万円とされています。月給換算すると25万円〜33.3万円、手取りを月収の80%とすると20万円〜26.6万円と計算できます。輸送警備員の仕事内容は、美術品や骨董品などの貴重品を盗難されないよう目的地まで運搬することです。現金輸送を行うこともあり、その際は銀行から各金融機関への輸送や、ATMへの現金輸送・補填業務も行います。輸送警備員は主に現金輸送を行う仕事であり、業務の危険性や専門性が高いため、施設警備・交通誘導に比べて年収が高いです。例えば、不測の事態に備えて、護身用の防弾・防刃チョッキ、警棒や盾を装備することもあります。
身辺警備員(4号)
身辺警備(4号警備)の平均年収は、正社員の場合、420万円〜550万円とされています。月給換算すると35.0万円〜45.8万円、手取りを月収の80%とすると 28万円〜36.6万円と計算できます。身辺警備員の仕事内容は、ボディガードとして警備対象者の安全を守ることです。警備対象者は政治家やアーティスト、芸能人などが多いです。近年はストーカーや性的被害から身を守るため、児童の登下校を見守るために雇われるケースも増えています。人の命や財産を守る仕事であり、警備員のなかでも大きな責任が伴う仕事のため年収も高いです。警察官にもSPと呼ばれる、身辺警備と似た業務があります。SPは警棒や拳銃を使うことが認められているケースがあり、護衛をする際の権限が身辺警備より大きいです。
警備員の運転手の給料の上げ方
警備員が給料を上げるためには主に以下の方法があります。
・雇用形態を変える
・勤続年数を上げる
・転職する
・資格を取得する
警備員として働き年収1000万円を超えることは難しいです。ただし、警備員から管理職に登用されることで、年収1000万円を目指せるケースもあります。
雇用形態を変える
1つ目は雇用形態を変えることです。警備員の年収は正社員、派遣社員、アルバイト・パートの順に給料が高いです。特に、正社員と派遣社員の間には大きな差があります。なお、警備員は民間企業勤めのため、公務員として警備はできません。公務員にも警察官や衛視など警備員に似た仕事はありますが、厳密には異なります。
勤続年数を上げる
2つ目は勤続年数を上げることです。警備業界は勤続年数が増えると給料も上がる傾向があります。業界を通して年功序列であり、経験年数が大きい社員の方が、スキルがあり会社からも信頼されやすいためです。なお、必ずしも同じ会社で勤続年数を増やさなくとも、警備業界での経験年数が長いと給料は上がりやすいです。
転職する
3つ目は転職することです。
転職する際に注意するべきポイントは以下の3つです。
・会社の規模
・地域
・勤務場所
会社の規模は、大きな会社の方が基本給が高く賞与額も大きい傾向があります。地域は、地方よりも都市部の方が給料は高い傾向です。勤務場所は、基本的にどの現場も大きくは変わりません。しかし、高速道路のように夜勤がある場合は深夜手当がつくため、手取りは比較的高いです。
資格を取得する
4つ目は資格を取得することです。
警備員に必須とされている資格はありませんが、給料が上がりやすくなる国家資格は以下のとおりです。
■1号警備
・施設警備業務検定
・空港保安警備業務検定
・警備員指導教育責任者
■2号警備
・交通誘導警備業務検定
・雑踏警備業務検定
・警備員指導教育責任者
■3号警備
・貴重品運搬警備業務検定
・核燃料物質等危険物運搬警備業務検定
・警備員指導教育責任者
■4号警備
・警備員指導教育責任者
1号〜3号警備の検定は1級・2級に分かれ、取得すると任される仕事の幅が広がり、会社からも優遇されやすいです。なお、1級の検定を取得するためには、2級を取得後に1年以上同じ区分の警備員として業務を経験している必要があります。また、各警備業務ごとに責任者になるための資格もあります。警備員指導教育責任者は警備員がキャリアアップを目指すうえでひとつの目標にされる国家資格です。試験を受けるためには、検定1級を取得していること、もしくは2級取得後1年以上その業務に従事していることなど、いくつか条件があります。
まとめ
今回は警備員の給料について解説しました。
警備業務ごとの平均年収は以下のとおりです。
・施設警備業務(1号警備):約335万円
・交通誘導警備業務(2号警備):約348万円
・輸送警備業務(3号警備):300万円〜400万円
・身辺警備業務(4号警備):420万円〜550万円
警備員が給料を上げるためには主に以下の方法があります。
・雇用主や雇用形態を変える
・勤続年数を上げる
・転職する
・資格を取得する
警備員を目指している方は、警備業務の年収が自身の希望に沿っているかを確認し、求人を探してみてください。