
ゴミ収集車の運転手を目指している方は、以下のような疑問をお持ちではありませんか。
「どのくらいの給料がもらえるのか?高い?安い?」
「どのような仕事をするのか?」
「現在ゴミ収集車の運転手として働いているが自分の給料は高い?低い?」
本記事ではこのような疑問を解決するとともに、ゴミ収集車の運転手という職種について、給料事情や具体的な仕事内容を詳しく解説していきます。
また、運転業務を中心とした作業員の働き方や、収入の目安、未経験からスタートする場合の条件、求人を探す際のポイントなども取り上げます。
これからこの業界に興味を持った方や転職を検討している方に向けて、必要な情報を網羅的にご紹介しますので、参考にしていただければと思います。
ゴミ収集車の運転手の仕事内容とは?
ゴミ収集車の運転手の仕事内容は、ゴミ収集車を運転して指定されたルートを走行し、各エリアで家庭や事業所から出されるゴミを収集することです。
収集されたごみを積載して、処理施設やリサイクルセンターなどへ運ぶのが基本的な流れとなります。
作業には一定の体力も求められ、運転だけでなく荷下ろしなどの作業も担当するため、作業員としての動きも発生します。
必要とされる免許は最低でも普通自動車運転免許ですが、ゴミ収集車の車両の種類や地域によっては中型免許や大型免許の取得が条件となるケースもあります。
求人情報を探す際は、こうした免許の条件や勤務内容もあらかじめ確認しておくと安心です。
また、収集車に乗る人員は運転手と作業員の2人1組で行動することが多く、収集作業はチームで行われます。
未経験からこの職種にチャレンジする方も多く、業界全体では新しい人材を積極的に採用する傾向が見られます。
勤務時間や収入の安定性などが魅力と感じる方も多く、地方や都市部問わず求人が出ているのが特徴です。
なお、ゴミ収集事業は収集するゴミの種類によって大きく2つに分類されます。
「一般廃棄物運搬業」と「産業廃棄物運搬業」の2つです。
ここでは、それぞれの特徴や違いについて詳しく解説していきます。
一般廃棄物運搬業
1つ目は、一般廃棄物運搬業(正式名称:じんかい収集作業)です。
一般廃棄物とは、家庭内や飲食店など日常生活から発生するゴミを指します。
皆さんが街中で目にするゴミ収集車のほとんどは、こうした一般廃棄物を収集する車です。
仕事内容としては、早朝に出勤し、1日に約50件〜100件のゴミステーションを巡回してごみを収集します。
車で移動しながら効率よく各ポイントをまわるため、一定の運転スキルが必要です。
曜日ごとに同じルートで動くことが多く、道を覚えるのが得意な方には向いています。
収集作業が終わった後は、集めたゴミを中間処理業者や最終処分場へ運搬して業務終了となります。
このような作業の流れは比較的安定しており、決まった時間に終業できることも多いため、生活のリズムを大切にしたい人にとっては働きやすい環境といえるでしょう。
産業廃棄物運搬業
2つ目は産業廃棄物運搬業です。
産業廃棄物とは、工場や建設現場、医療施設などから排出されるゴミで、内容物の種類や重量が一般ごみとは異なります。
運搬するごみの性質によって作業内容も変化しやすく、専門知識や運転経験が必要になるケースもあります。
収集の件数は日によって異なり、1日あたり1〜2件の現場を対応することもあれば、40〜50件以上巡回する日もあります。
また、清掃や回収に伴う手作業が含まれる場合もあり、現場での対応力が求められます。
収集後は、一般廃棄物と同様に中間処理施設や最終処分場に運搬する流れとなります。
業界によっては医療系や建築系など特殊な知識が求められる場面もあり、キャリアアップや専門職としての道を目指す人にも選ばれている仕事です。
これらの情報をもとに、自分に合った職種や条件を探すことが、納得のいく働き方につながる第一歩になります。
未経験からスタートしたい方も、まずは仕事内容を把握して、どのような環境でどの程度の収入が得られるのかを把握することが大切です。
ゴミ収集車の運転手の仕事の給料(年収)
ゴミ収集車の運転手として働く際の給料や収入は、雇用主の種類や雇用形態によって大きく異なります。
ゴミ収集業界では、主に「公営(自治体)」と「民営(民間企業)」に分類され、それぞれの勤務条件や待遇、キャリアアップのしやすさなども変わってきます。
雇用形態も多様で、民間企業では正社員、契約社員、派遣社員、アルバイトなど複数の選択肢があり、自分のライフスタイルや生活リズムに合った働き方を選ぶことができます。
この職種を目指す方にとって、事前に給料の相場や雇用形態ごとの違いを知っておくことは大切です。
ここからは、それぞれの働き方における年収や月収の目安を具体的に解説していきます。
公営(公務員)の場合
1つ目は公営、つまり自治体に勤務する公務員としてゴミ収集車を運転する場合です。
公務員の運転手は「技能労務員」という枠で採用され、安定した雇用と比較的高い収入が見込めるため、人気のある選択肢の一つです。
公務員として働くゴミ収集車の運転手の平均年収は、約550万円〜600万円です。
これを月収に換算すると45万円〜50万円ほどで、手取りとしては月収の8割にあたる36万円〜40万円が目安になります。
この収入水準は、他の現場系職種や同業種の中でも高い部類に入りますが、各自治体が独自の給与体系を採用しているため、地域によって差が出る点には注意が必要です。
また、基本給は高めに設定されている一方、管理職という立場が存在しないため、昇給ペースが緩やかになりがちです。
公務員として働くには、各自治体が実施する公務員試験に合格する必要があり、年齢制限や受験条件も自治体ごとに異なります。
そのため、事前に募集要項や試験内容をよく確認し、自分に合った募集を探すことが大切です。
民営の場合
2つ目は、民営、つまり民間企業に勤めるケースです。
民間で働くゴミ収集車の運転手は、雇用形態によって給料の差が大きく、経験やスキルによって収入が変動することもあります。
ある求人情報サイトの調査によると、雇用形態ごとの平均的な年収・月収・手取り額は次のとおりです。
雇用形態 | 年収 | 月収 | 手取り(月収の80%) |
---|---|---|---|
正社員 | 337万円 | 28万円 | 22万円 |
契約社員 | 264万円 | 22万円 | 18万円 |
アルバイト | 210万円 | 18万円 | 14万円 |
正社員は比較的安定した待遇で、ボーナスや各種手当がある場合もあります。
契約社員やアルバイトの場合は時給制が多く、エリアによって1,200円〜1,800円前後が相場となっており、勤務日数や時間により月収が変動します。
民間企業では、運転業務に加えて現場での作業や顧客対応なども担当することがあり、幅広い経験を積める環境です。
また、正社員登用制度がある企業も多いため、アルバイトや契約社員からステップアップを目指すことも可能です。
民間のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
・中間管理職などを目指せることでキャリアアップしやすく、昇給も狙える
・仕事時間に融通が利きやすく、家庭との両立がしやすい
・学歴や年齢よりも実務経験ややる気が重視される傾向にあり、未経験からでも挑戦しやすい
また、勤務先によってはシフト制を採用しており、休暇の取りやすさや働きやすい環境づくりに力を入れている企業もあります。
勤務地の地域性によっても時給や待遇に違いがあるため、情報収集をしっかり行い、希望条件に合う職場を探すことがポイントです。
ゴミ収集車の運転手で年収1000万円を目指せるか
結論から言うと、ゴミ収集車の運転手のみで年収1,000万円を目指すのは非常に難しいのが現実です。
たとえば、公務員として長年勤務し60代で昇給を重ねた場合でも、年収は800万円〜900万円程度が上限とされています。
民間勤務ではさらに収入の上限が低くなる傾向があります。
しかし、ゴミ収集業務は基本的に早朝に始まり、夕方前には業務が終わることが多いため、空いた時間を活用して副業を行うことで、合計収入を増やすことは十分に可能です。
近年は副業を認める企業も増えており、配達や軽貨物ドライバー、清掃業務などを掛け持つ人も少なくありません。
このように、収入を増やすための方法として「本業+副業」のスタイルを取ることは現実的であり、将来的に目標とする年収を達成したい方にとっては一つの有力な選択肢となります。
収入アップを目指す場合は、まず現在の業務経験をしっかり積みながら、生活スタイルに無理のない範囲で副業を検討するのがおすすめです。
各業種の勤務条件や相場を知っておくことで、自分にとって最適な働き方が見えてくるでしょう。
ゴミ収集車の運転手の給料の上げ方
ゴミ収集車の運転手は、成果報酬やインセンティブ制度が少ない職種のため、他業界に比べて収入を劇的に上げるのは簡単ではありません。
しかし、工夫次第で給与を上げていく方法はいくつかあります。
ここでは、実際に働いている方やこれからこの仕事を目指す方が参考にできる、給料アップの具体的な方法をご紹介します。
現在の待遇に不満がある場合や、将来的な収入を考慮して職場や働き方を見直したいときには、以下のような選択肢を検討するとよいでしょう。
雇用主や雇用形態を変える
最も手堅く給料を上げやすいのが、雇用主や雇用形態を変更する方法です。
ゴミ収集車の運転手として働く場合、もっとも平均年収が高いのは自治体が運営する「公営」の職員、いわゆる公務員です。
公務員として働くには、各自治体が実施する採用試験に合格する必要があります。
まずはその自治体でゴミ収集業務を直営で行っているかを確認し、そのうえで応募条件や試験情報を探してみてください。
自治体によっては受験資格に年齢や居住地の制限があることもあるため、条件をしっかり確認することが重要です。
一方で、公務員の採用試験は競争率が高く、倍率が高い傾向にあります。
就職のハードルを感じる方は、民間企業のなかで給料が比較的高めに設定されている正社員などの雇用形態を選ぶとよいでしょう。
雇用形態ごとの平均年収は以下のような順番で高くなる傾向があります。
正社員 > 契約・派遣社員 > アルバイト
求人サイトやハローワークなどで求人情報を探し、条件に合った勤務先に応募することが第一歩です。
民間企業の採用試験は公務員と比べると比較的受かりやすいため、業界未経験からスタートしたい方にもおすすめです。
勤続年数を上げる
2つ目は、勤続年数を重ねることによる給料アップです。
ごみ収集の業界では年功序列を重んじる会社も多く、長く同じ会社に勤めることで定期的な昇給が期待できます。
また、同じ職場にこだわらず他社に転職した際にも「経験年数」や「勤続実績」は評価対象になります。
長年業界で働いてきた経験がある人は、待遇が良い会社へ転職した際に初年度から高めの給与で採用される可能性も高まります。
給与が上がりやすい環境を探すためにも、求人票に記載されている昇給制度や評価方法、定着率などの情報を確認することがポイントです。
転職する
3つ目は、より好条件の会社へ転職する方法です。
民間企業であれば、基本給や賞与の水準が高い企業への転職によって年収アップを目指すことができます。
転職を成功させるためには自分のスキルや経験を確認し、企業ごとの給与水準や待遇を比較することが大切です。
また、公務員として働いている場合は、別の自治体へ転籍することで給料を上げるという選択肢もあります。
ただし、現在の制度では自治体間の転籍は簡単ではありません。
しかし、総務省は2023年を目標に「共通資格」制度の導入を検討しており、将来的には自治体間での転籍がしやすくなる可能性があります。
この制度が実現すれば、公務員でもより条件の良い地域へ移ることが現実的になります。
資格を取得する
4つ目は、資格の取得によって給与を引き上げる方法です。
特に産業廃棄物運搬業の分野では資格を持っていると管理職に昇進しやすくなり、それに伴い給料も上がりやすくなります。
具体的におすすめの資格は次のとおりです。
特別管理産業廃棄物管理責任者
毒性や爆発性のある産業廃棄物を安全に取り扱うための責任者資格。
日本産業廃棄物処理振興センターが実施しており、1日の講習と試験合格で取得できます(一部、自治体ごとに実施条件あり)。
廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物処理施設を正しく稼働させるための管理者となる資格 特別管理産業廃棄物管理責任者の資格は日本産業廃棄物処理振興センターで1日の講習を受け、試験に合格すると取得可能です。(詳細は各自治体による)
廃棄物処理施設技術管理者の資格は財団法人日本環境衛生センターで講習を受け、試験に合格すると取得できます。
これらの資格を持っていると現場での役割が広がり、責任のあるポジションに就くことで収入アップにつながります。
さらに、専門知識を持った人材として企業からの評価も高くなり、業界内でのキャリアアップにも効果的です。
給料を上げるためには、単に昇給を待つだけでなく自分から動いて働き方を見直す姿勢が求められます。
どの方法を選ぶにしても、まずは現在の状況を正しく把握し、自分に合ったルートを見極めていくことが大切です。
給与だけでなく、勤務条件や将来性、職場の雰囲気なども含めて、総合的に働きやすい環境を探してみましょう。
まとめ
ここまで、ゴミ収集車の運転手という職種について、仕事内容や給料事情を中心にご紹介してきました。
ゴミ収集車の運転手は、指定されたルートを車で巡回し、エリア内の家庭や施設から出されるゴミを回収する仕事です。
日常生活を支える大切な役割であり、社会的にも必要とされる存在として多くの人に求められています。
業務に必要な資格としては、基本的には普通自動車運転免許があれば始めることができますが、勤務先や車両の種類によっては中型免許や大型免許が条件となることもあります。
未経験からでも挑戦できるため、キャリアチェンジを考えている方にもおすすめの職種の一つです。
給料については、勤務先によって大きく異なります。
公営、つまり公務員として働く場合の平均年収は550万円〜600万円ほどであり、安定した収入が見込まれます。
一方、民間企業に正社員として勤務する場合の平均年収は337万円前後が相場とされており、契約社員やアルバイトになるとさらに収入は下がります。
しかし、勤務時間の柔軟さや学歴を問われにくい点など、条件次第では民間勤務にもメリットがあります。
また、資格の取得や経験年数の蓄積によって収入アップも目指せるため、働きながらキャリアを積んでいくことも可能です。
この仕事を目指す際は、収入のほかにも雇用形態や待遇、勤務地域といった条件を含めて総合的に判断し、自分にとって無理なく続けられる職場を探すことが大切です。
求人サイトやハローワークなどを活用して、希望に合った情報を収集し、納得できる働き方を見つけてみてください。