交通誘導員を目指している方は以下のような疑問をお持ちではありませんか。
「どれほど給料をもらえるのか。高いのか安いのか」
「現在交通誘導員として働いており、自分の給料は高いのか安いのか」
「給料を上げるためには何をするべきか」
本記事ではこのような疑問を解決するとともに、交通誘導員について仕事内容や給料事情を解説します。
交通誘導員の仕事内容とは?
交通誘導員の仕事内容は、歩行者や車両の混雑を避け安全を確保するために、交通上の誘導を行うことです。具体的な業務の種類は大きく3つに分けられます。
道路での交通誘導
1つ目はです。道路での業務は「一部区間の道路全体を通行止めをする」、「片側の通行止めをする」の2つです。道路全体の交通止めを行う場合は看板の設置を行い、通行止め区間へ侵入する車両へ迂回の説明を行います。片側の通行止めの場合は、渋滞が起こらないように、通行止め区間へ侵入する両方向からの車両を誘導します。
商業施設での交通誘導
2つ目は商業施設での交通誘導です。駐車場内の出入口で歩行者の状況を確認しつつ車両の出入りを誘導し、歩行者と車両の安全を保ちます。駐車場が満車になった際に看板を掲げる業務もあります。
工事現場での交通誘導
3つ目は工事現場での交通誘導です。工事現場の敷地出入り口や敷地内で、周辺の歩行者・車両の安全を守りつつ特殊車両の誘導を行います。
交通誘導員と警備員の違い
交通誘導員と警備員の違いについて解説します。結論からいうと、交通誘導員は警備員の一種です。
警備員は主に以下の4種類に分かれます。
・施設警備業務
・交通誘導警備業務(雑踏警備業務)
・輸送警備業務(貴重品運搬業務)
・身辺警備業務
このうちの一つで主に交通に関わる警備を行うのが交通誘導員です。交通誘導員は輸送警備や身辺警備よりも安全性の高い業務のため、アルバイト・パートとしても働きやすいです。なお、警備員の仕事を包括的に知りたい方はこちらの記事も併せてご覧ください。
交通誘導員の仕事の給料(年収)
ある求人サイトの求人データを参考にすると、交通誘導員の平均年収(正社員)は348万円です。平均年収を月給に換算すると月29万円、手取りを月収額面の80%と考えると約23万円と計算できます。ボーナスの支給有無、支給額は会社によって異なります。以下は株式会社アクティサポートが公開している、交通誘導員の給与明細です。これらの収入は性別や地域、雇用形態により異なるため、それぞれ解説します。
出勤日数 | 支給合計額 | 手取り | |
---|---|---|---|
Aさん | 19日 | 29万5,716円 | 23万4,625円 |
Bさん | 19日 | 31万6,680円 | 25万3,686円 |
Cさん | 21日 | 47万4,909円 | 40万8,652円 |
Dさん | 25日 | 23万3,011円 | 17万3,290円 |
Eさん | 3日 | 2万6,710円 | 1万5,710円 |
男女別
2021年に厚生労働省が公表した賃金構造基本統計調査によると、警備員全体の平均給料は男性の方が高いです。男性の平均年収が約342万円であるのに比べ、女性の平均年収は約286万円です。そのため、警備員の一つである交通誘導員も同じ傾向があると考えられます。理由は男性の方が勤続年数が長い傾向にあり管理職にも就きやすいためです。ただ誘導を行うだけでなく、管理の立場に就くことで給料が増加します。しかし、この数値はあくまで傾向のため、女性も勤続年数を伸ばし管理職に就くことで男性と同程度に稼げます。
地域別
交通誘導員の給料は地域によって異なります。一般的な会社員と同じように、地域の物価に合わせて給料も異なる仕組みです。ある求人サイトでは地域ごとに以下のようなデータが算出されています。
地域 | 年収 |
---|---|
関東 | 335万円 |
中部・北陸 | 315万円 |
近畿 | 313万円 |
中国・四国 | 303万円 |
北海道・東北 | 286万円 |
九州・沖縄 | 285万円 |
雇用形態別
交通誘導員は雇用形態により給料が異なります。
【正社員】
先ほど紹介したとおり、正社員の平均年収は348万円です。
【派遣社員の場合】
派遣社員の平均時給は1,300円です。実働8時間で出勤数が22日と考えると以下のように計算できます。
・日当:1万400円
・月給:22万8,800円
・手取り:18万3,040円(月給の80%とする)
・年収:274万5,600円
【アルバイト・パートの場合】
アルバイトの平均時給は1,045円です。実働8時間で出勤数が22日と考えると以下のように計算できます。
・日当:8,360円
・月給:18万3,920円
・手取り:14万7,136円(月給の80%とする)
・年収:220万7,040円
他の警備員との給料の違い
警備員は主に1号〜4号と4つの種類に分けられますが、それぞれ正社員における平均年収の違いは以下のとおりです。
・施設警備員(1号):335万円
・交通誘導員(2号):348万円
・輸送警備員(3号):300万円〜400万円
・身辺警備員(4号):420万円〜550万円
輸送警備員は主に現金輸送を行う仕事であり、業務の危険性や専門性が高いため、施設警備・交通誘導に比べて年収が高いです。さらに、身辺警備員(ボディガード)は輸送警備よりも肉体的・精神的な強さが必要であり大きな責任が伴うため給料が高くなります。
交通誘導員の運転手の給料の上げ方
交通誘導員が給料を上げるためには主に以下の方法があります。
・雇用形態を変える
・勤続年数を上げる
・転職する
・資格を取得する
ここからそれぞれ解説します。
雇用主や雇用形態を変える
1つ目は雇用形態を変えることです。一般的に交通誘導員は正社員、派遣社員、アルバイト・パートの順に給料が高いです。特に正社員でない方については、正社員に雇用形態を変えるだけで給料は大きく変わります。なお、交通誘導員の雇用主は民間企業であり、公務員として働くことはできません。公務員として交通誘導を行うことは、警察の業務である「交通整理」を行うことを指します。そのため、警察官として国家公務員試験に合格しなければなりません。なお、交通整理は法的拘束力の点で交通誘導と異なります。
勤続年数を上げる
2つ目は勤続年数を上げることです。交通誘導員は、正社員であれば年齢や勤続年数が増えるほど給料(年収)が上がる傾向にあります。なぜなら、経験年数が豊富なベテランの方がスキルがあり、会社から信頼されやすいためです。
転職する
3つ目は転職することです。規模が大きな会社は基本給が高く賞与額も大きい傾向にあります。また、地方よりも都市部の方が給料は高いため、働く場所を選べる場合は都市部に近い会社を探すことをおすすめします。
高速道路の交通誘導員を担当する
また、交通誘導員のなかでも高速道路の誘導員は、一般的な誘導員よりも給料が高い傾向にあります。なぜなら、一般道よりも交通車両の速度が速く危険性が高いためです。さらに、高速道路の誘導員は深夜手当や時間外手当などの割り増し制度がついているケースもあります。なお、役立つ資格はありますが、必須資格はありません。
資格を取得する
4つ目は資格を取得することです。交通誘導員に役立つ資格は「交通誘導警備業務検定(1・2級)」です。高速道路で交通誘導を行う際は、こちらの資格を持った人員を必ず1人配置しなければなりません。資格を取得していると会社から優遇され、給料が上がりやすいです。
取得方法は2つあります。
・都道府県公安委員会の直接検定に合格する
・特別講習指定期間の講習を受講し修了する
なお、1級の検定を取得するためには、2級を取得後に1年以上交通誘導員として業務を経験している必要があります。1級と2級の違いは、1級保持者は2級ではできないお客様との直接の打ち合わせに参加可能です。
まとめ
交通誘導員の仕事内容や給料について解説しました。
交通誘導員の仕事は大きく以下の3つの場所で行われます。
・道路
・商業施設
・工事現場
平均年収は348万円であり、月給は約29万円、手取り換算すると約23万円です。交通誘導員を目指している方は、仕事内容や給料の相場を理解した上で、自身にあう会社を探してみてください。