
私たちの生活でも「シュリンク包装」されているものがたくさんあります。
シュリンク包装は物流業界でも使用されていますが、
具体的にどのような包装なのでしょうか。
本記事では、シュリンク包装の種類やメリット、やり方について詳しく解説します。
物流業界でも使用するシュリンク包装とは
シュリンクには「縮む」「縮小」「収縮」という意味があります。
シュリンク包装とは、熱風で縮むフィルムの性質を生かし、
容器の形に沿ってものを包む包装のことをいいます。
PETボトルのラベル、DVDや化粧品など、多岐に渡って利用されているのです。
物流業界でもシュリンク包装は幅広く利用されています。
物流・運送業界のことは、運転ドットコムの下記の記事にも
記載していますので、合わせて参考になさってください。
運送業が勝ち組と言われる理由3つ!勝ち組になるための方法や特徴なども紹介
【目的別】シュリンク包装の種類について紹介!
シュリンク包装の種類についてみていきましょう。
容器全体を覆うシュリンク
シュリンクフィルムで製品全体を覆うシュリンクには以下のようなものがあります。
うシュンクには以下のようなものがあります。
L型シュリンク包装
L型シュリンクは、製品の角に沿った形で覆う包装です。
箱型のものを包装するのに適しており、箱やポンプボルトなどに用いられます。
ピローシュリンク包装
ピローシュリンクは、枕のように製品を覆う包装です。
デザイン性をもたせることが可能で、カップ麺や紙パックの製品などに用いられます。
容器の一部を覆うシュリンク
続いて、シュリンクフィルムで製品の表面・底面など、
一部を覆うシュリンクについてみていきましょう。
ラベルシュリンク包装
ラベルシュリンクは、キャップ部分以外の側面を覆う包装です。
ラベルの表示範囲を広げることが可能で、PETボトルなどに用いられます。
キャップシュリンク包装
キャップシュリンクは、キャップ部分のみ覆う包装です。
未開封を証明することができ、食品やビンなどに用いられます。
Rシールシュリンク包装
Rシールシュリンクは、容器の底面以外を覆う包装です。
底面のみシュリンクされておらず、食料品などに用いられます。
シュリンク包装のやり方
シュリンク包装のやり方についてみていきましょう。
シュリンク包装
シュリンク包装する際には、シュリンクフィルムを商品に包装する包装機と、フィルムを収縮させるためのシュリンクトンネルが必要です。
包装機には、L型シーラー、ピロー包装機などがあり、これらを用いてシュリンクフィルムに装着します。
シュリンクトンネルは、電熱式とスチーム式の2つがあり、包装機で装着したフィルムを熱風で収縮させ、商品に密着させます。
その他、シュリンクラベラーは、直線式とロータリー式の2種類があり、ラベルやキャップ部分にシュリンクフィルムを装着する際に必要です。
シュリンク包装のやり方
シュリンク包装のやり方は、以下のように進めていきます。
包装するものを熱収縮フィルムで包む
熱収縮フィルムで包んでいる段階では、熱は加えられていませんので、
包装するものとフィルムの間にゆとりがある状態となっています。
加熱する
シュリンクトンネルに熱風を通す作業を行ないます。
フィルムに適した適切な温度で熱を加えていくことで、
フィルムが瞬時に収縮し始めます。
フィルムが収縮する
フィルムが熱収縮することで、 包装するものにフィルムがピッタリとくっつきます。
この状態でシュリンクは終了です。
検査する
検査では、包装するものとフィルムの間に、
異物などが混入されていないかのチェックを行ないます。
もし小さな異物であっても混入されている場合は、
シュリンクをやり直さなければなりません。
シュリンクは包むものに直接影響を与えていなくても、
製品の周りを覆うものですので、
完璧な状態でなければ検品に合格することができないのです。
シュリンク包装のメリット・デメリット
シュリンク包装のメリット・デメリットについてみていきましょう。
メリット
まずは、メリットについてご紹介します。
メリット①デザイン性が優れる
シュリンク包装することで、商品の名前や特徴を示すことができ、
商品PRがしやすいです。
透明感や光沢性があり、鮮やかな多色印刷ができるため、デザイン性に優れます。
メリット②製品を保護できる
シュリンク包装は、耐寒性、耐水性が高くなり、
傷や汚れから製品を守ることが可能です。
一度破いてしまうと復元できないことから、
キャップシュリンクのように、新品・未開封の証明になります。
またシュリンク包装することで、製品の劣化や色あせから保護することもできるのです。
メリット③作業の効率化が図れる
シュリンク包装することで、ペットボトルやヨーグルト容器など、
複数の製品をまとめることができます。
製品の大きさが異なったとしてもまとめることができますので
作業の効率化を図ることができるのです。
尚、シュリンク包装の検品で、少しの異物でも含まれていた場合は、
包装のやり直しになります。
製品の顔となる部分ですので、慎重な検査が行なわれて当然です。
デメリット
続いて、デメリットについてご紹介します。
デメリット①包装材が破損する
シュリンクフィルムは薄いため、衝撃や摩擦に弱いです。
取り扱い方によっては、輸送中に破れたり、穴があく可能性があります。
デメリット②自然収縮・変形
PVC製のフィルムでは、時間が経過したり、温度変化が起こることで収縮します。
商品や包装に影響を与える可能性があるのです。
デメリット③導入コストがかかる
シュリンク包装は、専用の包装機械が必要となります。
そのため導入コストがかかるのです。
環境に優しいシュリンク包装の代替品も紹介
環境に優しいシュリンク包装の代替品についてみていきましょう。
台紙付きシュリンク包装
台紙付きシュリンク包装は、台紙にホットメルトで接着するもので、ブリスターパックに比べて、プラスチック使用量を大幅に削減可能です。
金型が必要ではないため、初期費用を抑えることができます。
ストレッチラップ
ストレッチラップは、均一されていない形の製品にも対応可能で、少量の作業にも適しています。
機械は必要ありませんし、コスパがいいといえるでしょう。
バイオマスフィルム
植物由来の原料であるため、プラスチックの代替として注目を浴びています。
製品によっては、二酸化炭素排出量を削減する効果もあるのです。
シュリンク包装を使用する際の注意点
シュリンク包装を使用する際の注意点についてみていきましょう。
熱に弱い素材への使用は不可
シュリンク包装は、熱を加えてフィルムをの収縮させることから、熱に弱い素材には適していませんのでご注意ください。
シュリンクフィルムの自然収縮と破損
シュリンクフィルムは時間が経過したり、温度変化によって自然収縮したり、薄いフィルムでは外部からの衝撃により破損する可能性が高いですので注意が必要です。
環境に負荷がかかる
シュリンク包装のフィルムはプラスチック製のものが多く、リサイクルが困難なものがあることから、環境に負荷がかかる場合があります。
まとめ
シュリンク包装の種類やメリット、やり方について、ご理解深まりましたでしょうか。
上記でシュリンク包装の種類をご紹介しましたが、製品を保護することができる重要な役割を果たしています。
また、日常生活でシュリンク包装されているものが
たくさんあることをお知りいただけたでしょう。
本記事を参考に、シュリンク包装について知っていただき、
物流の業務などで生かしてみてはいかがでしょうか。