コストコのような量販店では、
スタッフがハンドパレットトラックを使って商品を運んでいる姿をみかけます。
ハンドパレットトラックを使用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
本記事では、ハンドパレットトラックの使用方法や、
メリット・デメリットについて詳しく解説します。
ハンドパレットトラックとは
ハンドパレットトラックとは、荷物を積んだパレットに差し込み、
パレットごと荷物を昇降・移動させることができる荷役運搬用車両のことをいいます。
ハンドパレットトラックは別名、「パレットジャッキ」「ハンドリフト」ともいいます。
パレットに積まれた荷物を人力で動かすのは不可能ですが、
ハンドパレットトラックを使用することで荷物を移動させられますし、
作業効率を上げることも可能です。
フォークリフトの簡易版がハンドパレットトラックと考えていただいていいでしょう。
ハンドパレットトラックの使用方法
ハンドパレットトラックの使用方法は難しくありません。
以下の方法でハンドパレットトラックを使用してください。
使用方法①ツメをパレットに挿す
パレットを動かすために、ハンドパレットトラックのツメをパレットに挿します。
ツメをパレットに挿す場合は、
ツメを下ろしている状態(地面と平行にしている状態)でなければ
ツメが最後まで挿さりません。
ツメを下ろす場合は、
ハンドパレットトラックのハンドルについているレバーを数回引きます。
ハンドパレットトラックをパレットに挿す場合は、
少し勢いをつけて挿したほうが、パレットの一番奥まで挿さりやすくなります。
使用方法②パレットを上昇させる
ハンドパレットトラックがパレットにきちんと挿されば、次にパレットを上昇させます。
自転車のブレーキのようなレバーがありますので、
そのレバーを上昇ポジションに移動させます。
ただ上昇ポジションについては、
ハンドパレットトラックによって場所が異なりますのでご注意ください。
レバーを上昇ポジションに合わせた後は、
ハンドルを前後に合わせることでパレットが上昇するしくみになっているのです。
ハンドルを前後に動かす際は、油圧の力でパレットが上昇しますので、
力を入れる必要は一切ありません。
使用方法③パレットを移動させる
前述でご紹介したレバーをニュートラルポジションにすることで、
ハンドリングが楽になります。
次にパレットを引きますが、荷崩れを起こさないようゆっくり引くのがポイントです。
基本的にハンドパレットトラックは押して移動させるのではなく、引いて移動させます。
押して移動させると前方が見えなくなるため事故になる可能性がありますが、
引いて移動させることで進行方向の視界が確保できるため安全です。
万が一、ハンドパレットトラックを急停止させなければならない場合は、
ハンドルレバーを複数回引くことで移動を止めることができます。
ただ急ブレーキは荷崩れを起こす要因になりますので、
本当に緊急時以外は急ブレーキをかけるのは避けましょう。
使用方法④パレットを降下させる
パレットを降下させる際は、レバーを複数回引くことで
パレットを下ろすことが可能です。
完全にパレットがハンドパレットトラックから離れれば、
あとはハンドパレットトラックを引き抜くことで荷物の移動は完了となります。
ハンドパレットトラックを使用するメリット・デメリット
ここでは、ハンドパレットトラックを使用する際に
メリット・デメリットについてご紹介します。
ハンドパレットトラックを使用するメリット
まずメリットについてみていきましょう。
メリット①作業効率が上がる
ハンドパレットトラックを使用することで、
パレットの上に載せた荷物を迅速に動かすことが可能です。
フォークリフトでは移動できない狭いスペースでも
スムーズに移動させることができます。
またフォークリフトと比較すると小回りも効きますので、
操作性には優れているといえます。
メリット②費用対効果が高い
フォークリフトのような重機を購入することを考えると、
ハンドパレットトラックは安価で購入することが可能です。
さらにハンドパレットトラックは手動で燃料やバッテリーが不要なため、
出費が抑えられるのもメリットといえるでしょう。
メリット③スペースの有効活用
ハンドパレットトラックはフォークリフトの比較するとコンパクトです。
倉庫内などにフォークリフトを置いておくとスペースを取りますが、
ハンドパレットトラックの場合は最小限のスペースで保管することができます。
ハンドパレットトラックを使用するデメリット
続いて、デメリットについてみていきましょう。
デメリット①荷物移動に力が必要
ハンドパレットトラックは狭いスペースでも荷物の移動は可能ですが、
手動で荷物を動かすため、ある程度の引っ張る力が必要です。
積載する荷物の量を調整しながら、
自分で引っ張っていけるようにしなければなりません。
デメリット②使用場所が制限される
ハンドパレットトラックは平らな面で使用することを前提に設計されています。
凹凸のある面で使用すると荷物がバランスを崩したり、
ハンドパレットトラックを損傷する可能性があるため危険をともないます。
デメリット③トレーニングが必要
ハンドパレットトラックはとくに資格をもっていなくても操作することが可能です。
ただハンドパレットトラックの操作方法を踏まえたトレーニングを積んでおかなければ
事故を起こす可能性が高まります。
ハンドパレットトラックに関するよくある質問
最後に、ハンドパレットトラックに関する
よくある質問についての回答をみていきましょう。
ハンドパレットトラックな何キロまで使用可能?
ハンドパレットトラックの最大積載荷重(kg)は、
800kg、1,000kg、1,100kg、1,200kg、1,500kg、2,000kg、2,500kg、3,000kgといったように、
さまざまな最大積載荷重のものがあります。
最大積載荷重が大きいほど、操作のトレーニングを重ねる必要があります。
運ぶものによって仕事に合った大きさのハンドパレットトラックを選びましょう。
電動ハンドパレットトラックは免許は必要?
ハンドパレットトラックには手動タイプや電動タイプがありますが、
操作するために免許や資格は必要ありません。
しかし実際に荷物を積載してハンドパレットトラックを操作するためには、
十分なトレーニングを積まなければ、荷崩れや転倒など、
大きな事故を発生させてしまうことになります。
職場で初めてハンドパレットトラックを使うことになった場合も、
会社の指示を受けながら適切な操作ができるよう訓練を積み重ねてください。
まとめ
ハンドパレットトラックの使用方法や、メリット・デメリットについて、
ご理解深まりましたでしょうか。
ハンドパレットトラックはフォークリフトにはないメリットがある一方で、
デメリットがあることもご紹介しました。
操作には免許や資格は必要ありませんが、
実際に操作する際は訓練を重ねた上で安全に操作してください。
ハンドパレットトラックのように物流で使用される専門用語については、
運転ドットコムの下記の記事でも紹介していますので、
合わせて参考になさってください。
本記事を参考に、ハンドパレットトラックを使用する職場に巡り合った際には、
使用方法やメリット・デメリットをご理解の上、業務にあたっていただけると幸いです。