運送業界に就職する際、経済的に豊かな生活を送るためにも、
少しでも給料が高くあってほしいものです。
大手企業は、平均年収が高い傾向にありますが、
実際のところ、大手企業の平均年収はどれくらいなのでしょうか。
本記事では、運送業界の大手企業の平均年収TOP10をそれぞれ比較し、
運送業界の将来性について詳しく解説します。
運送業界全体での平均年収
運送業界全体の平均年収は、300万円~450万円程度と言われています。
運転する距離が近距離・中距離・長距離によって年収は大きく異なりますし、
運送会社の規模によっても年収は大きく異なります。
月収換算すると約25万円となりますが、
ドライバーは拘束時間が1日あたり平均13時間ですので、
時給換算では900円未満となってしまうのです。
そう考えると、稼げない仕事と思われますが、
冒頭のように大手企業では、平均年収が高い傾向にあります。
運送業界の大手企業の平均年収については、以下でご紹介します。
なお、トラックドライバーの退職金については、運転ドットコムの下記の記事にも
記載していますので、合わせて参考になさってください。
【トラックドライバー必見】退職金制度と企業の社員平均相場も紹介!
運送業界の大手企業の平均年収TOP10をそれぞれ比較!
運送業界の大手企業の平均年収TOP10をみていきましょう。
1位:日本郵船・1,082万円
日本郵船は、物流業界1位の平均年収で、1,000万円の大台を突破しています。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
2兆2,807億円 |
1,082万円 |
35,165人 |
2位:商船三井・1,072万円
物流業界2位の商船三井は、1位の日本郵船と大差ない平均年収を誇っています。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
1兆2,693億円 |
1,072万円 |
8,547人 |
3位:ヤマトホールディングス・1,018万円
ヤマトホールディングスは、海運以外でトップの平均年収となっています。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
1兆7,936億円 |
1,018万円 |
216,873人 |
4位:川崎汽船・990万円
川崎汽船は、海運大手の他社と比較すると平均年収は低いですが、
高水準な平均年収といえるでしょう。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
7,569億円 |
990万円 |
5,158人 |
5位:日立物流・818万円
物流業界大手の中でも高い平均年収の日立物流で、福利厚生が充実していますが、
年功序列制を採用していますので、若年層は高収入が見込めません。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
7,436億円 |
818万円 |
22,918人 |
6位:近鉄エクスプレス・810万円
近鉄エクスプレスは業界上位の平均年収ですが、福利厚生が乏しいことから、
給料以外の収入が見込むことが難しいです。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
9,804億円 |
810万円 |
17,069人 |
7位:日本水産・801万円
日本水産は、水産業界では高い平均年収となっていますが、
物流業界でみると7位となっています。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
6,936億円 |
801万円 |
9,662人 |
8位:日本郵政・798万円
平均年収が8位の日本郵政ですが、従業員数が多い背景には残業時間が短く、
働きやすい環境が実現できているからです。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
2兆7,314億円 |
798万円 |
208,942人 |
9位:三菱倉庫・793万円
平均年収では9位ですが、福利厚生が充実しており、
年功序列制を採っていますが、安定した高収入が期待できます。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
2,572億円 |
793万円 |
4,732人 |
10位:三井倉庫ホールディングス・768万円
平均年収が10位の三井倉庫ホールディングスは、平均年収が高いだけでなく、
大企業ならではの福利厚生も充実しています。
売上高 |
年収 |
従業員数 |
3,010億円 |
768万円 |
8,172人 |
運送業界の将来性は?
物流・運送会社の環境は、世界や日本の経済事情などにより年々大きく変化しています。
ここでは、物流・運送会社の現状と今後の動向についてみていきましょう。
物流・運送会社の現状
国土交通省の「令和3年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」より、
2021年度の宅配便取扱個数は49億5,323万個を超え、
前年度比で2.4%増加となっています。
ネットで商品を購入することができるようになったことに加え、
新型コロナウイルスの感染拡大により、さらに物流量が加速しました。
物流量が増える一方で、人手不足が深刻化しています。
運送会社は求人を出すなど、人材の募集に努めていますが、
労働時間の長さや、労働時間に見合わない給料の低さなど、
様々な理由でドライバーが集められない状況となっているのです。
物流・運送会社の今後の動向
前述のように、物流・運送会社は慢性的な人手不足に陥っています。
若年層は物流・運送の仕事はきつい仕事であると思っていることから
物流・運送会社に就職したいと思わず、就職しても離職する人が多いです。
ドライバーの平均年齢が高く、
退職・離職するタイミングが早いことから人手がどんどん減少しています。
また、2024年4月1日よりドライバーの時間外労働の上限が設けられたことから、
より人手が必要となりました。
今後、物流・運送業界は荷物が増え続ける一方、
人手が少ない中で業務を回していかなければなりませんので、
効率化を重視した運営をしていく必要があるのです。
分散している倉庫を集集約化、作業の自動化、配送ルートの最適化など、
できることから進めていくことで、効率化・省力化が実現できるでしょう。
今後の運送業界の平均年収
荷物の増加により、送料を収入源としている運送業界は、
ドライバーの平均年収は上がると考えられます。
ただ実際は、ドライバーの平均年収は一定のままか、
上昇してもその伸びは非常に緩やかです。
背景として、荷物が増加しても燃料費の高騰やトラック部品の高騰など、
年々支出も多くなっています。
支出が増えたからといって、すぐに送料を上げるわけにはいきません。
つまり、運送会社は増加する支出を我慢している状況が続く限り、
ドライバーの平均年収は上がらないのです。
一方で、各運送会社は人材不足を抱えた状況になっていますので、
人材を確保するために、高い賃金を提示してドライバーを募集している現状もあります。
まとめ
運送業界の大手企業の平均年収TOP10をそれぞれ比較し、
運送業界の将来性について、ご理解深まりましたでしょうか。
大手企業では平均年収が1,000万円を超えているところもありました。
平均年収が高い企業は魅力がありますが、福利厚生が充実しているのか、
残業時間は長くないか、働きやすさについても
十分にリサーチしてから就職活動を行ないましょう。
運送業界の今後についても記載しておきましたので、参考になさってください。
本記事を参考に、物流業界への就職を検討してみてはいかがでしょうか。