車の免許を取得する際に、知っておくべき乗車定員・積載量を学びますが、
詳細までご存知でしょうか。
自分の車であれば乗車定員・積載量を把握できますが、仕事の車やレンタカーなど、
自分の車ではない場合は、それらをきちんと把握しておかなければ
法律違反になってしまいます。
本記事では、自動車・トラックの知っておくべき乗車定員と積載量について、
詳しく解説します。
自動車からトラックまで正しい乗車定員と積載量一覧
自動車からトラックまで
正しい乗車定員と積載量の一覧をまとめておきましたのでご覧ください。
トラックや積載量については、運転ドットコムの下記の記事も役に立ちますので、
合わせて参考になさってください。
小型から大型までのトラック積載量ってどのくらい?過積載の罰則や積載量の計算方法も紹介!
自動車の乗車定員
自動車(乗用車)には、積載量の上限はありませんが、
以下のように乗車定員の制限があります。
以下の定めは、
国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2021.6.9】 第237条(乗車定員及び最大積載量)」
に基づいて決められているのです。
軽自動車 |
小型自動車以上 |
ミニバン |
4人 |
5人 |
7~8名 |
「乗車定員は、運転者席、座席、座席に準ずる装置及び立席の定員の総和とする」
とされています。
子どもの人数のカウントは、
国土交通省「道路運送車両の保安基準【2003.9.26】 第53条(乗車定員及び最大積載量)」に記載されているように、
「12歳未満の子ども1.5人=大人1人として計算します。
トラックの積載量
トラックの乗車定員は2人のものが多く、トラックによっては3人乗り、
ダブルキャブの場合は6人まで乗車可能です。
トラックは以下のように、大きさによって積載量が異なります。
小型トラック
小型トラックについては、以下の通りです。
全長 |
4,700mm以内 |
全幅 |
1,700mm以内 |
全高 |
2,000mm以内 |
最大積載量 |
3,000kg以内 |
車両総重量 |
5,000kg以内 |
荷台サイズ(幅) |
1,600mm~1,890mm |
荷台サイズ(長さ) |
3,100mm~4,350mm |
さらに細かい区分は、以下をみていきましょう。
<軽トラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
最大積載量(kg) |
平ボディ |
3,395 |
1,475 |
350 |
<1tトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
最大積載量(kg) |
平ボディ |
4,280 |
1,680 |
800 |
<2tトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
平ボディ |
4,685 |
1,695 |
- |
2,000 |
箱 |
4,990 |
1,890 |
3,000 |
2,000 |
ロング |
6,460 |
2,190 |
- |
2,000 |
<3tトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
平ボディ |
4,690 |
1,695 |
- |
3,000 |
箱 |
5,005 |
1,890 |
3,090 |
3,000 |
ロング |
7,310 |
2,185 |
- |
3,000 |
中型トラック
中型トラックについては、以下の通りです。
全長 |
12,000mm以内 |
全幅 |
2,500mm以内 |
全高 |
3,800mm以内 |
最大積載量 |
6,500kg以内 |
車両総重量 |
11,000kg以内 |
荷台サイズ(幅) |
2,120mm |
荷台サイズ(長さ) |
5,750mm |
さらに細かい区分をみていきましょう。
<4tトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
平ボディ |
7,600 |
1,790 |
- |
4,000 |
箱 |
8,195 |
2,260 |
3,500 |
4,000 |
ロング |
8,600 |
2,200 |
- |
4,000 |
<6tトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
平ボディ |
7,685 |
2,470 |
- |
6,300 |
大型トラック
大型トラックについては、以下の通りです。
全長 |
12,000mm以内 |
全幅 |
2,500mm以内 |
全高 |
3,800mm以内 |
最大積載量 |
6,500kg以上 |
車両総重量 |
11,000kg以上 |
荷台サイズ(幅) |
2,300mm~2,500mm |
荷台サイズ(長さ) |
5,100mm~10,000mm |
さらに細かい区分は、以下をみていきましょう。
<8tトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
平ボディ |
8,440 |
2,470 |
- |
8,000 |
<10tトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
平ボディ |
11,950 |
2,490 |
- |
10,000 |
箱 |
11,950 |
2,490 |
3,790 |
10,000 |
<20ftコンテナトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
- |
11,480 |
2,438 |
3,796 |
24,000 |
<40ftコンテナトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
- |
16,395 |
2,438 |
3,796 |
30,480 |
<40ftコンテナトラック>
タイプ |
全長(mm) |
全幅(mm) |
高さ(mm) |
最大積載量(kg) |
- |
16,395 |
2,438 |
4,082 |
30,480 |
積載量の決まり方
トラックの積載量には「最大積載量」といって、
荷台に載せることができる重さの上限が定められています。
最大積載量は、車両総重量−車両重量−全乗員重量(定員×55kg)で算出可能です。
トラックは積載量だけではなく、サイズによる制限もあります。
荷台の長さを超えて荷物を載せることもでき、
その長さは車体の1.1倍までというきまりがあるのです。
荷物の大きさは車幅からはみ出してはいけないのが原則ですが、
制限外積載許可を受けると、
車体の幅+1m(全体で3.5m以内)まではみ出すことが認められます。
過積載によるリスクとは?
過積載の状態でトラックを走行させると、以下のようなリスクが生じます。
ブレーキが効きにくくなる
過積載の状態で走行し、トラックを停止させる際にブレーキをかけると、
思った以上にブレーキが効かないと感じるときがあります。
これは過積載によって制動距離が延びてしまっているのです。
フェード現象や荷崩れが起きる
過積載の状態では、荷崩れが起きやすく、下り坂でフェード現象が、
トレーラーではジャックナイフ現象が起きるなどのリスクが生じます。
重大事故を発生させる他、社会的信用を失墜させることにもなるでしょう。
消耗部品の劣化が激しくなる
重い荷物を積むほどタイヤに負荷がかかり、タイヤの溝の減りが激しくなります。
またブレーキパットの減りも早くなるなど、様々な消耗部品の劣化が激しくなるのです。
燃費が悪くなる
重い荷物を積むと、
トラックを発進させる際にエンジンの回転率をいつも以上に上げなければなりません。
燃費が低下すると給油する回数が増え、運送会社の経営負担も大きくなるのです。
過積載をした場合の罰則
過積載状態で運転すると、以下の罰則が科せられます。
<運転者に対する罰則>
超過割合 |
大型車 |
普通車 |
||
5割未満 |
2点 |
30,000円 |
1点 |
25,000円 |
5割以上10割未満 |
3点 |
40,000円 |
2点 |
30,000円 |
10割以上 |
6点 |
※罰則適用 |
3点 |
35,000円 |
<運送会社への行政処分>
① |
過積載運行を事業者が命じまたは容認していた場合には7日間の事業停止が加算される。 |
② |
過積載運行等の悪質な違反に対しては、重大事故を引き起こした場合と同様に処分日車数が加重される。 |
③ |
過積載違反に係る3回目の車両停止処分を行なう際は、輸送の安全確保命令を併せて発動する。 |
④ |
過積載違反に係る4回目の車両停止処分を行う際は、輸送の安全確保命令(2回目)に加えて特別監査を行うこととする。処分日車数は過積載違反に係る日車数(40日車・80日車・120日車)のほか、輸送の安全確保命令(1回目)違反に係わる日車数および特別監査によって判明した違反事項に係わる日車数を加えたものになる。 |
⑤ |
輸送の安全確保命令を受けた日から、3年以内に同じ命令を受け、かつ、当該命令に従わなかった場合、許可取り消しとなる。 |
(出典)国土交通省「過積載は、荷主にも罰則が適用されます!! 」
過積載は、重大な違反であるという認識をもつことが重要です
まとめ
自動車・トラックの知っておくべき乗車定員と積載量について、
ご理解深まりましたでしょうか。
自動車・トラックには乗車定員が定められていることが分かりました。
また、乗用車については積載量の制限はありませんが、
トラックには積載量の制限がありますので、
自身のトラックの積載量を知っておきましょう。
規定の積載量を超えると「過積載」となり、罰則があるだけでなく、
重大な事故を引き起こす可能性が高まることも意識してください。
本記事を参考に、自動車・トラックの乗車定員・積載量について知っていただき、
安全な走行を心がけましょう。