教習指導員になるには?資格の取得方法や費用、出題例について紹介!体験談も!

資格

自動車運転免許を取得する際に自動車教習所でお世話になる教習指導員。

 

教習指導員になるには教習所に就職するだけでなく、

 

教習指導員になるための資格を取得しなければなりません。

 

教習指導員の資格試験はどのような内容なのでしょうか。

 

本記事では、教習指導員になるための資格と、資格の取得方法や費用、出題例などを詳しくご紹介します。

 

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教習指導員とは?

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教習指導員とは、自動車教習所で自動車運転免許を取得する人に対して、

 

法律で規定されたカリキュラムに基づいて、自動車運転に必要な技能と知識を伝える人のことをいいます。

 

技能教習では、自動車の基本操作であるハンドル操作、ブレーキ操作、停車位置、右左折の運転、

 

坂道発進、進路変更、駐車など、教習所内や路上教習を通じて教えるのが仕事です。

 

教習指導員は助手席から指導し、教習生が次のステップに進むことができるかを判断します。

 

もし運転技術が基準に満たしていないのであれば運転操作を1対1でおこなっていくのです。

 

学科教習では、運転者の心得、道路交通法、安全運転や危険運転についての知識を講義するだけでなく、

 

動画を利用して指導するときもあります。

 

すべての教習を受け終えた教習生に対しては、技能検定員の資格をもっている教習指導員が技能検定を実施し、

 

一定の基準を満たした教習生に卒業証明書を発行するのも仕事です。

 

教習指導員は毎回同じ教習生を指導するのではなく、異なった教習生を指導するのが一般的で、

 

実車での教習の他に、運転シミュレーターを使っての教習を行ないます。

 

教習指導員の仕事内容については下記の記事で詳しく紹介しているので併せてご覧ください。

 

教習指導員の仕事内容とは?1日の流れやおすすめの点を紹介

 

 

教習指導員になるための方法や条件

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上記で教習指導員の仕事内容についてご理解いただけたでしょう。

 

では教習指導員になるためにはどのような方法や条件があるのかご紹介します。

 

 

教習指導員になるための方法

教習指導員になるためには、自動車教習所に就職するのが一般的です。

 

教習所に勤務しながら指導員候補生として指導員の資格取得を目指していきます。

 

他職では有資格者でなければ就職できないケースが見受けられますが、

 

教習指導員の場合は資格をもっていなくても就職してから資格取得をめざすことができるのです。

 

教習指導員になるためには年に2回実施される「指導員審査」という試験を受けることになります。

 

教習所に入社したあとは「事前教養」といわれる教習を受け、指導員審査を受ける準備をしなければなりません。

 

指導員審査に合格後は「事後教養」の教習を受けることで、教習指導員として認められることになるのです。

 

 

教習指導員になるための条件

前述のように、教習指導員になるためには指導員審査の試験に合格しなければなりません。

 

指導員審査の試験を受験するための条件は、21歳以上で受験する車種の自動車運転免許をもっていれば、

 

運転経歴に関係なく受験することが可能です。

 

試験を受けるにあたって学歴の制限もありませんが、

 

教習所に就職する際には「高卒」「大卒」といった学歴条件を設けているところに従って

 

就職活動を行なう必要があります。

 

高卒や大卒の条件を設けている教習所がありますが、理系や文系、学部・学科にとらわれることはありません。

 

ただ例えば、二種免許の指導員審査を受験する際は、二種免許だけでなく、

 

同じ車種の一種教習指導員資格をもっておく必要があるのです。

 

 

教習指導員に資格は必要?

教習指導員 資格

 

指導員審査は、教習指導員になるための国家資格のことで、各都道府県の公安委員会が実施しています。

 

指導員審査は以下の2つの資格に分類されます。

 

教習指導員

学科教習や技能教習を行なうことができる

技能検定員

修了検定や卒業検定を行なうことができる

 

教習指導員になるためにはこれらの資格をもっておかなければなりません。

 

ここでは教習指導員と技能検定員の資格についてみていきましょう。

 

 

教習指導員の資格

教習指導員になるためには、まず教習指導員の資格を取らなければなりません。

 

教習指導員の指導員審査の試験内容は、筆記審査、運転技能審査、面接審査の3つです。

 

審査種別

教習指導員審査

審査項目

技能

知識

審査細目

教習指導員として必要な自動車の運転技術

技能教習に必要な教習の技能

学科教習に必要な教習の技能

教則の内容となっている事項その他自動車の運転に関する知識

自動車教習所に関する法令についての知識

教習指導員として必要な教育についての知識

審査方法

技能試験に準ずる

実技または面接

論文式、択一式、補完式または正誤式の筆記

面接または論文

合格基準

85%以上

80%以上

論文式85%以上

その他95%以上

80%以上

 

筆記試験は次の7科目が課され、すべてに合格する必要があります。

 

・道路交通法

・教習所関係法令

・教育知識

・交通規則

・交通教則

・安全運転知識

・自動車構造等の科目

 

ただ不合格科目があったとしても、合格した科目は1年間有効ですので、

 

不合格科目のみ受験することで再チャレンジできるのです。

 

2014(平成26)年に実施された教習指導員審査では、受審者7,452人中合格者は4,294人、合格率約57.6%となっています。

 

 

技能検定員の資格

教習指導員の資格を取得し、その後教習所内で教習指導員として経験を積んでいき、

 

技能検定員の資格を取得することになります。

 

技能検定員審査の内容は以下の通りです。

 

審査種別

技能検定員審査

審査項目

技能

知識

審査細目

技能検定員として必要な自動車の運転技術

自動車の運転技能に関する観察および採点の技能

教則の内容となっている事項

自動車教習所に関する法令についての知識

技能検定の実施に関する知識

自動車の運転技能の評価方法に関する知識

審査方法

技能試験に準ずる

実技

論文式、択一式、補完式または正誤式の筆記

面接または論文

合格基準

90%以上

95%以上

論文式85%以上

その他95%以上

95%以上

 

2014(平成26)年に実施された技能検定員審査では、受審者5,188人中合格者は3,049人、合格率約58.8%となっています。

 

 

教習指導員の資格の取り方・流れについて

教習指導員 資格 取り方 流れ

 

教習指導員の資格を取るためには、どのような流れが一般的なのかをみていきましょう。

 

 

①自動車教習所に採用してもらう

教習指導員になるためには、まず教習所に入所します。

 

前述のように、教習所によっては学歴の条件や年齢の制限を設けているところもありますので、

 

入社する条件を確認してください。

 

ただ未経験者や資格をもっていない方でも応募可能な教習所はたくさんあります。

 

まずは教習所のホームページなどで、教習所の採用情報を確認しましょう。

 

 

②指導員審査と資格取得の対策を行う

教習所に就職後、3~6カ月間は受付業務、清掃作業、教習生の送迎などの業務をこなしながら、

 

教習所で90時限以上の事前教養を受けなければなりません。

 

事前教養はどこの教習所も1時限50分の設定ですが、事前教養の時限数は教習所によって異なるのです。

 

また事前教養は、公安委員会が行なっている約10日間の教育研修にも参加する義務があります。

 

教育研修が56時限ですので、審査までに合計146時間の教習を受けることになり、教育研修が終わると指導員審査の受験です。

 

 

③指導員審査を受ける

指導員審査は約2~3日間で、筆記審査・運転技能試験・面接審査を受験します。

 

受験内容については前述を参考になさってください。

 

 

④指導員審査に合格する

指導員審査に合格後は、教習所で事後教養を受けなければなりません。

 

教習原簿の記載方法や管理方法、教習者での実習などについて学びます。

 

事後教養の内容を公安委員会に報告し、管理者から選ばれることで教習指導員として業務を行なうことができるのです。

 

 

教習指導員の資格を取得するのにかかる費用

教習指導員 資格 費用

 

教習指導員の資格を取得するためには費用がかかります。

 

ここでは和歌山県警察の手数料を例に以下をご覧ください。

 

資格審査等手数料項目

手数料額(円)

技能検定員資格者証交付手数料

1,150

技能検定員審査手数料(大型第一種・中型第一種・準中型)

23,400

技能検定員審査手数料(普通第一種)

19,500

技能検定員審査手数料(特定第一種)

14,700

技能検定員審査手数料(大型第二種・中型第二種・普通第二種)

21,500

教習指導員資格者証交付手数料

1,150

教習指導員審査手数料(大型第一種・中型第一種・準中型)

14,550

教習指導員審査手数料(普通第一種免許)

11,850

教習指導員審査手数料(特定第一種免許)

9,650

教習指導員審査手数料(大型第二種・中型第二種・普通第二種)

12,450

 

また事前審査に関わる費用の一例として、せいりん自動車学校をご紹介します。

 

事前審査の審査料

16,500円

事前審査を受けるための講座の受講料(通学1日・合計2時限)

33,000円

教習指導員養成講座の受講料(通学6~10日・合計30時限)

330,000円

 

上記はあくまで一例ですので、詳細の費用については各警察署や各教習所のサイトを参考になさってください。

 

 

教習指導員の試験内容を紹介!難易度も!

教習指導員 試験内容

 

教習指導員の試験は都道府県によって内容が異なります。

 

ここでは福岡県の教習所を例にご紹介しますので、実際に試験内容について個々で事前確認を行なってください。

 

 

試験の難易度

教習指導員の試験の難易度(合格基準)は以下のようになっています。

 

①教則

85%以上

②関係法令

95%以上

③教育知識

80%以上

④運転技能

85%以上

⑤技能指導法

80%以上

⑥学科指導法

80%以上

 

各試験内容において、試験の合格基準は高いといえるでしょう。

 

なお約10,000円の受験料がかかりますが、勤務先の教習所が負担してくれるケースが多いです。

 

 

試験内容

では次に、教習指導員の試験内容についてご紹介します。

 

 

試験内容①教則

教則は、自動車の運転に関する知識を図るための試験です。

 

試験時間は1時間で、試験内容は記述式で3問程度となっています。

 

例えば過去には「教則第1章・第1節「基本的な心構え」について述べよ」といった問題が出題されています。

 

 

試験内容②関係法令

関係法令は、教習所に関する法令についての知識を図るための試験です。

 

試験時間は1時間で、試験内容は正誤問題で40~50問程度の出題となっています。

 

例えば過去には「教習指導員の資格要件は20歳以上である」といった出題があります。

 

 

試験内容③教育知識

教育知識は、教習指導員として必要な教育知識を図るための試験です。

 

試験時間は1時間で、試験内容は記述式で3問程度の出題となっています。

 

過去には「技能教習の「基本的留意事項」について述べよ」といった問題が出題されています。

 

 

試験内容④運転技能

運転技能は、教習指導員として必要な運転技能を図るための試験です。

 

試験時間は15分で、試験内容はMT車で決められたコースを走行し、運転能力を図られます。

 

走るコースは試験当日に公表され、実際に運転をする際は助手席に試験官が座ります。

 

 

試験内容⑤技能指導法

技能指導法は、技能教習に必要な教習の技能を図るための試験です。

 

教習生役として試験官が運転席に座り、発進・停止、坂道発進、バック、

 

狭路での通行、交差点のいずれかを試験として行ないます。

 

このとき試験官は教習生が行なうような運転を再現。

 

MT車でエンストしてみたり、狭路を走行する際に速い速度で運転してみるなどして、

 

どのような指導を行なうのかを図るのです。

 

 

試験内容⑥学科指導法

学科指導法は、学科教習に必要な教習の技能を図るための試験です。

 

学科教本で扱われている単元から1つ選び、学科教習を実施し、その後約5分の面接があります。

 

面接では「どのような指導員になりたいか」などの質問が出されます。

 

 

教習指導員の求人を見つけるには?

教習指導員 求人 見つけ方

 

ここまで教習指導員について詳細までご紹介しました。

 

本記事をお読みの方の中には、教習指導員を目指そうと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そんな方のために、ここでは教習指導員の求人の見つけ方についてご紹介します。

 

 

求人の見つけ方①求人サイトを利用する

ネットが普及した今、多くの方は求人サイトから教習指導員の求人を見つけます。

 

求人サイトを利用する際は、会員登録をして、求人を出している会社にエントリーするのが一般的です。

 

時間の制約や自分の居場所に関係なく求人を探すことができるので、大変便利です。

 

 

求人の見つけ方②ハローワークを利用する

求人を探す場合に、真っ先に思い浮かぶのがハローワークという方もいらっしゃるでしょう。

 

ハローワークは各地域に設置されている公共職業安定所のことで、

 

職員があなたの条件に合った教習所を見つけてくれます。

 

どのような条件で働きたいかをハローワークの職員に伝えながら、自分に合った教習所探しをしましょう。

 

 

求人の見つけ方③運転ドットコムの求人検索を利用する

運転ドットコムでは、あなたに合った教習所の求人に出会うことができます。

 

また運転ドットコムには教習所にまつわるコラム記事も豊富に掲載されていますので、

 

教習所でのお仕事探しや、教習所の仕事の様子なども丸わかりです。

 

教習所のことを知りながら、あなたに合った教習所の求人を探してみましょう。

 

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現役教習指導員の体験談を紹介!

教習指導員 資格 取得方法

 

最後に、現役の教習指導員の体験談についてご紹介します。

 

リアリティあふれる教習指導員の体験談を参考に、教習指導員の仕事のイメージをわかせてください。

 

 

~ケース①~ Hさん/男性/50代/勤務歴20年目

Hさんは長年教習指導員として勤務しています。

 

先日路上教習の指導をしていた際に、後続の車から煽り運転と思われる行為を受けたそう。

 

そのような中でも、教習生に対して「あなたは法定速度を守って走っているのだから、

 

そのままスピードを守って走りなさい」と声をかけました。

 

Hさんの冷静な言動で焦りを感じていた教習生も、落ち着きを取り戻して運転をしました。

 

このように教習指導員は、冷静に周囲の交通の流れを察知することも大切です。

 

 

~ケース②~ Nさん/女性/20代/勤務歴2年目

Nさんは教習所を経営している会社に入社し、事前教養の勉強をしていました。

 

勉強は家でもできますが、運転の練習は教習所内でしかできないため、

 

勤務時間後に先輩教習指導員からアドバイスをもらったり、同期の人と運転を見合ったりしたそう。

 

また教習生が利用する教習所の送迎車を運転しながら、教習生への声掛けも欠かさなかったそうです。

 

その後Nさんは見事教習指導員となり、現在は教習指導員として活躍しています。

 

 

~ケース③~ Fさん/男性/30代/勤務歴5年目

Fさんは保育士の仕事をしていましたが、教習指導員へ転職しました。

 

Fさんが教習指導員をしていて最も嬉しいことは、教習所の卒業生から

 

「F先生のおかげで卒業することができました!」と言われることだそうです。

 

一方で、教習生に坂道発進を教える際に、Fさん自身がエンストしてしまい恥ずかしい経験をしたとのこと。

 

教習指導員の仕事は色々とありますが、人と接することが好きなFさんにとって

 

教習指導員の仕事はやりがいがある仕事であるとのことです。

 

 

まとめ

教習指導員になるための資格取得について、ご理解が深まりましたでしょうか。

 

資格取得の方法や費用、出題例などもご紹介しましたので、ぜひ参考になさってください。

 

現役の教習指導員の体験談についても記載しましたが、

 

実際の教習指導員のリアルな仕事の様子も確認すると役に立ちます。

 

本記事を参考に、教習指導員の資格を取得してみてはいかがでしょうか。

 

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