センター間輸送ドライバーの仕事はきついと思っている方が多いのではないでしょうか。センター間輸送ドライバーは、工場や倉庫から物流センターへの荷物配送を、1日に複数回行います。長時間の運転やセンターでの待ち時間もあり拘束時間が長いため、仕事がきついというイメージが強いです。本記事では、センター間輸送ドライバーのきつさと解消方法を紹介します。センター間輸送ドライバーに関心がある方や、就職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
センター間輸送ドライバーの仕事内容
センター間輸送ドライバーの仕事は、センター間の荷物運搬や、センターでの荷物の積み下ろし作業です。物流の拠点である物流センターや配送センターから出荷された荷物を、コンビニエンスストアや企業などの倉庫に運びます。ネット通販会社の商品や食品、日用品など、配送する荷物はさまざまです。また、集められた荷物を仕分けし、トラックに積み込みます。大きな設備があるセンターが多いため、手作業での積み込みや荷下ろしと比較して負担が少ないです。通常、10t以上の大型トラックを使用しますが、場合によっては2t車や4t車を使用することもあります。コンビニやスーパーなどの契約店舗に直接荷物を配送するルート配送と異なり、積み荷時間やセンターでの待ち時間があるため、1日の配送件数は少ないです。
センター間輸送ドライバーが「きつい」と感じるポイント
センター間輸送は、ルート配送より負担が少ないといわれています。しかし、1日に何度も長距離運転や積み荷作業を行うため、身体的・精神的にきついと感じることもある仕事です。対策が遅れると注意力の欠如により重大な事故を起こしてしまったり、ストレスの蓄積によって病気に罹ってしまったりする可能性があります。ここでは、センター間輸送ドライバーが「きつい」と感じるポイントを5つ紹介します。
長時間・長距離の運転
1つ目のポイントは、長時間・長距離の運転です。センター間輸送は、長時間・長距離の運転が多いため、疲労が溜まりやすく、集中力や注意力が低下しやすいです。その結果、事故を起こす危険性があるため、適度な休憩が必要です。また、運転中は座ったままの姿勢でいなければなりません。座った体勢を長時間続けると腰痛の原因になり、運転中肩や背が丸くなると首が前に出て上半身に負担がかかります。
睡眠不足
2つ目のポイントは、睡眠不足です。不規則な運行スケジュールや交通渋滞、荷主の都合などにより、生活リズムや勤務時間の乱れが起きやすくなります。また、始業・終業の時間が荷主により異なるため、決まった時間に睡眠を取ることは難しいです。睡眠時間の不足は、疲労やストレスが蓄積し、集中力の低下を招く原因となります。加えて大型トラックは死角が多く、急停止が難しいため、集中力が低下した状態での運転は事故に繋がりやすく非常に危険です。
体力的負担
3つ目のポイントは、体力的負担です。センター間輸送ドライバーは、長距離の運転だけでなく積み荷作業やトラックの整備も行うため、体力が必要になります。1日に数百キロもの距離を何時間もかけて運転し、荷物の積み下ろしも行うため、長時間労働は避けられません。また、事故を防ぐため、トラックの点検や整備も必要です。体力を使用する仕事が多いため、疲労が蓄積しやすく、集中力の低下を招きます。前述の通り事故の危険が高まるため、体力的な負担が大きいドライバーには、適度な休息が必要です。
高い責任感
4つ目のポイントは、高い責任感です。センター間輸送ドライバーは、決められた時間内に荷物を配送する必要があるため、高い責任感を伴います。運送中に荷物が損傷した場合、商品の一部または全額を請求されることがあるため、安全運転への配慮が必要です。荷物の損傷は運送業者や荷主からの信頼を失ってしまうため、納期の厳守はもちろん、荷物の状態保持も重要です。常に緊張感や責任感を持って仕事に取り組む必要があり、精神的にきついと感じます。
独特のストレス
5つ目のポイントは、独特のストレスです。配送中は1人なため、人と会話をする機会がほとんどありません。人と話すことが好きな人は、長時間1人でいることに孤独感やストレスを感じやすいため、精神的にきつい仕事です。また、納期に間に合うよう配送しなければならないため、時間に追われるプレッシャーがあります。交通渋滞により、休憩や食事の時間を取れない場合があることも、ストレスの原因の1つです。
センター間輸送ドライバーのきつさを和らげる方法
センター間輸送ドライバーのきつさについて解説しました。勤務中に負担を感じる点はありますが、軽減できる方法により、交通事故だけでなく、腰痛や不眠症など病気の予防が可能です。ここでは、センター間輸送ドライバーのきつさを和らげる方法を5つ紹介します。
適度に休憩時間を確保する
1つ目は、適度に休憩時間を確保することです。連続運転時間は4時間が限度と厚生労働省により定められています。4時間以内または経過した直後に、30分以上の休憩が必要です。4時間以内の場合、1時間半運転し10分休憩、のように10分以上に分割して休憩できます。30分以上のまとまった休憩を取り、パーキングエリアで仮眠するのもオススメです。長時間の運転や作業となるため、疲労やストレスが蓄積しないよう定期的な休憩をとりましょう。
ドライビング環境を整える
2つ目は、ドライビング環境を整える方法です。ドライビング環境整備は、疲労やストレスの蓄積予防に繋がります。腰痛対策には、腰をサポートするクッションが効果的です。クッションがない場合は、シートを寝かせすぎず背と頭がヘッドレストに密着するように座ることで、体への負荷を低減できます。また、ハンドルカバーやスピナーの装着もオススメです。ハンドルのフィット感が増し操作の安定性を高めたり、駐車や切り返しなどでのハンドル操作をサポートします。
規則正しい生活を送る
3つ目は、規則正しい生活を送る方法です。勤務や休憩時間が毎日異なるため、生活リズムが不規則になりやすいですが、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。睡眠時間の確保や栄養バランスの整った食事、適度な運動は、健康維持に重要です。起床時間を一定にすることで生活リズムが整い、ホルモンバランスの崩れを予防します。また日光を浴びる時間の増加は、精神安定効果があるホルモンを分泌するため、ストレスの蓄積予防や、昼間の集中力向上に効果的です。
同僚や先輩とコミュニケーションを図る
4つ目は、同僚や先輩とコミュニケーションを図る方法です。10tトラックへの荷物の積み込みは共同作業なため、同僚や先輩後輩とコミュニケーションを取れます。1人で過ごす時間が長いため、悩みや問題を相談できる仲間の存在は孤独感やストレスを軽減し、精神的な負担を緩和できます。ルート配送と異なり多くの人とコミュニケーションを取る必要はなく、適度な距離感を保ちながら会話できる点は魅力的です。
転職をする
5つ目は、仕事がきついと感じる場合に1つの選択肢として転職を検討しましょう。組織や人間関係が自身に合わない場合や、仕事の振り方が悪い場合、根本的な問題の解決に至りません。より良い労働環境や条件の会社への転職は、生活リズムを整え、身体的・精神的な不調の改善に繋がります。トラック業界ではなく、バスやタクシーの運転手など運転技術を活かせる職種や、新たな業界への挑戦もオススメです。
まとめ
今回は、センター間輸送ドライバーがきつさを感じる点と対策について解説しました。センター間輸送ドライバーは、長距離の運転や積み下ろし作業を行うため、体力が必要です。配送中は常に時間や安全に配慮しなければならず、責任感やストレスを感じます。適度に休憩時間を設けることで、集中力の回復やストレスの軽減が可能です。またドライビング環境の整備は、快適な運転に繋がり疲労の蓄積を低減できます。センター間輸送ドライバーに興味がある方は、仕事内容が自身に合っているか参考にしてみてください。