2024年問題で取り上げられているように、今後トラックドライバ―の人材不足が加速します。
中でも大型ドライバーになるためには、取得する資格の難易度が高いといわれています。
また大型ドライバーとして活躍するためには、自動車運転免許以外に取得したほうがいい資格がたくさんあるのです。
本記事では、大型ドライバーになるために必要な資格と、合わせて取得したほうがいい資格について詳しくご紹介します。
大型ドライバーになるために必ず必要な資格は?
大型ドライバーになるためには「大型自動車運転免許」を取得しなければなりません。
どのような方法・手順で大型自動車運転免許を取得するのかみていきましょう。
大型自動車運転免許の取得条件
大型自動車運転免許を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
<基本条件>
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<身体的条件>
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条件が満たされていれば、次は教習所探しです。
自動車教習所に入所・卒業する
上記の条件を満たしているかを確認した上で、
大型自動車運転免許の教習が受けられる教習所を探して入所しましょう。
教習所では、以下の時間の技能教習・学科教習を受ける必要があります。
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これらの教習を受け終わると、教習所を卒業することができるのです。
教習所卒業後は、各地域に設置されている運転免許試験場で適性検査を受検し、合格すれば免許証交付となります。
一発試験を受験する方法もある!
大型自動車運転免許を取得するために教習所に通うと約25万円、合宿免許であっても約19万円の費用が必要です。
コストを最小限に抑えながら大型自動車運転免許を取得するためには「一発試験」に合格するという方法があり、
一発試験の場合の費用は約4万円程度に抑えることができます。
しかし一発試験の合格はかなりハードルが高いです。
また本試験を受検する前の路上教習では、自動車運転免許保持者に同乗してもらわなければなりません。
一発試験は難易度が高いことも踏まえて、どの方法で大型自動車運転免許を取得するのか考えましょう。
大型ドライバーになるならあったほうがいいオススメ資格
上記の手順・方法で、大型ドライバーになるための免許の取得方法をご理解いただけたでしょう。
大型自動車運転免許を取得すれば大型トラックを運転することはできますが、
大型ドライバーの仕事はトラックを運転するだけではありません。
荷積み・荷下ろしなども業務に入りますが、大型自動車運転免許以外の免許・資格をもっていると、
より仕事の幅が広がりますし、場合によっては資格手当などで給料が高くなる場合もあるのです。
ここでは具体的に大型ドライバーでもっておいたほうがいいオススメの資格についてご紹介します。
オススメ免許①けん引免許
トラックにトレーラーを連結して引っ張りながら走行するために必要な免許が牽引免許です。
トレーラーを連結することで、本来であればトラック1台分の荷物しか輸送できませんが、
2台分の荷物を運搬することができます。
大型トラックだけでもレベルの高い運転技術が必要ですが、
トレーラーを連結することでさらに高い運転技術が必要です。
運送会社は、稼働させるトラックが1台で済むことから、人件費も1人分に抑えられます。
また燃料代や高速代も、トラック1台分よりかは割高になりますが、
トラックを2台稼働させるよりも安価で済ませることが可能です。
トレーラーにはアルミの荷台を搭載するときもあれば、
建築資材など大きなものを運ぶときもあり、運搬するものは多種多様です。
大型自動車運転免許と牽引免許をもっていると運送業界では無敵の存在であり、
運送会社からすると喉から手が出るほどほしい人材として扱われます。
オススメ免許②玉掛作業者
トラックドライバーはトラックを運転するだけでなく、荷積み・荷下ろしも業務の1つです。
トラックの大きさが大きいほど、荷物の大きさが大きくなったり重量が重くなります。
とくに建設資材や鉄鋼資材などの荷下ろしは手作業で行なうことは不可能ですが、
その際に玉掛作業者の資格をもっているとクレーンを使用して荷下ろしすることができるのです。
荷下ろし先によっては、クレーンで荷下ろしする場面もありますので、そこで玉掛作業者の資格を生かすことができます。
オススメ免許③フォークリフト運転技能者
前述で荷積み・荷下ろしも大型ドライバーの業務の1つとお伝えしましたが、
荷物によっては商品がパレットに積載されていることがあります。
例えば野菜が入っている段ボール箱や、
酒類が入っている段ボール箱はパレットに積載されているケースが多く、
パレット上の商品が荷崩れを起こさないように、商品全体をストレッチフィルムが巻かれています。
荷下ろしするときはストレッチフィルムを剝がさずに、
パレットごとフォークリフトで荷下ろしを行なうのです。
スーパーで荷下ろしをしているトラックではフォークリフトが利用されている光景を見受けますが、
フォークリフトで荷下ろししているのは大型ドライバーであることも多々あります。
フォークリフト運転技能者の免許をもっていることでスムーズに荷下ろしすることができることから、
効率よく業務を進めることができるのです。
オススメ免許④危険物取扱者
大型トラックの中にはタンクローリーが含まれるのですが、
タンクローリーはガソリン・軽油・灯油といった油種を運ぶことから、危険物取扱者の資格が求められます。
危険物取扱者をもっていると仕事の幅が広がりますので、もっておいたほうが有利になる資格といえるでしょう。
大型ドライバーの平均年収はどのくらい?
上記で大型ドライバーに必要な免許や資格をお伝えしました。
実際に免許・資格を取得し、大型ドライバーとして就職する際に気になるのが年収です。
ここでは大型ドライバーの年収事情について詳しくみていきます。
トラックドライバーの平均年収
トラックドライバ―の平均年収は38.6万円となっています。
年功序列制を採用している日本では、50~54歳が平均給与が最高額で、その後の平均給与は減少傾向です。
日本人の平均給与は年461万円(男性567万円、女性280万円)となっており、月に換算すると38.4万円です。
つまりトラックドライバ―の給与は日本全体の平均給与と比較しても悪いものではありません。
2020年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(概要版抜粋)では、
大型ドライバーの平均年収は以下のようになっています。
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性別により年平均年収は異なっています。
手取りは、給与から社会保険などの天引きされる分を差し引いた金額で、実際に振り込まれる(手元にくる)金額です。
けん引免許を持っている場合の平均年収
牽引免許ドライバーの場合は、以下のように大型ドライバーよりさらに平均年収は高くなります。
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他の免許・資格も同様に、大型自動車運転免許以外の免許・資格をもっていると
上記のように給与がアップするケースがほとんどです。
大型ドライバーの年収の決まり方
前述で、大型ドライバーの平均年収についてご紹介しました。
大型ドライバーの中には平均年収以上の年収を得ている人もいれば、そうでない人もいます。
ここでは大型ドライバーの年収の決まり方についてみていきましょう。
運転する距離によって決まる
小型ドライバーは近距離、中型ドライバーは近距離から中距離、
大型ドライバーは中距離から長距離を運転するのが一般的です。
大型ドライバーのほうが平均給与が高い理由として、
大型ドライバーは長距離を運転することから勤務時間が長くなり、
残業手当がつく傾向があるため平均給与が高くなります。
ただここで知っておいてほしいのは、運送会社によっては残業手当は固定となっている点です。
大型ドライバーは1日の勤務時間が明確ではないため、残業手当が固定になっている場合が少なくありません。
優良な運送会社はトラックドライバ―の勤怠管理をきちんとしていますが、
ドライバー自身も勤務時間を記録しておくなどして、正確な残業手当が支給されるように管理しましょう。
トラックの大きさによって決まる
トラックは小型・中型・大型の区分があり、トラックが大きいほど給与は高いです。
小型トラックであれば普通免許で運転できますが、
中型トラックは中型免許、大型トラックは大型免許が必要であることがその理由と考えられます。
大型ドライバーはトレーラーを牽引する機会もあり、
牽引免許をもっていると給与が高くなる傾向があるのです。
手当によって決まる
大型ドライバーにはさまざまなて手当が設けられており、手当の支給によって年収をあげることができます。
大型ドライバーに支給される手当としては、以下のようなものがあるのです。
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無事故手当と皆勤手当については、支給の有無や支給金額は運送会社により異なりますので、
就職や転職のときに確認することをオススメします。
大型ドライバーの仕事はどこで探す?
上記で大型ドライバーの労働環境についてご理解いただけたことでしょう。
では実際に大型ドライバーの仕事をどのように探すとよいのかご紹介します。
求人サイトを利用する
就職先・転職先をお探しの方の多くはネットを利用されています。
ネットではたくさんの求人サイトが運営されており、大型ドライバーの求人も豊富に掲載されているのです。
求人サイトは自身の希望条件を細かく設定できるため、希望する運送会社に出会うことができます。
ハローワークを利用する
ネットでの求人検索が普及する前から、求人の際に頼りになるのがハローワークです。
最近ではハローワークの求人をネットで閲覧することもできますし、
最終的にはハローワークに出向いてハローワークの職員が運送会社と条件を確認しながら、面接・採用まで進みます。
運転ドットコムで探す
運転ドットコムの求人サイトでは全国のドライバーの求人を検索することが可能です。
運転ドットコムは、ドライバー職に特化した求人を検索することができますので、
大型ドライバーを始めとして、トラックの車種ごとに細かく求人情報を得ることができます。
ドライバーの求人を検索する際は、ぜひ運転ドットコムを活用してください。
実際の大型ドライバーの体験談
最後に、実際に大型ドライバーとして活躍されている方の体験談についてご紹介します。
~ケース①~ Nさん/40代/男性
Nさんが勤務する運送会社は小型トラックから大型トラックまでを扱っています。
同じ社員でも大型ドライバーのほうが勤務時間が長いのはいうまでもありません。
その分、大型ドライバーのほうが給料は良く、
大型ドライバーは小型・中型ドライバーより年収で50~100万円程高いそうです。
大型自動車運転免許の資格をもち、大型ドライバーとして仕事をすると給料が高いことがわかります。
~ケース②~ Mさん/30代/男性
Mさんは青果物を運送する仕事をしており、
段ボールに入っている青果物はパレットに載せられている状態です。
そのため荷積み・荷下ろしは手作業ではなくフォークリフトを使用するため体力的な負担はありません。
ただフォークリフト運転技能者の資格をもっていてフォークリフトを操作できたとしても、
とくにプラスになる手当はついていないそうです。
このように資格手当は運送会社によって支給の有無が変わります。
~ケース③~ Sさん/50代/男性
Sさんは大型自動車運転免許をもっていますが、普段運転するのは小型トラックです。
Sさんが勤務する運送会社では、実際に運転するトラックの種類によって決まるため、
大型自動車運転免許をもっていたとしても、大型自動車運転免許をもっていない人と給料の差はありません。
資格の有無ではなく、実際の労働内容で給料を決めている運送会社もあるとのことです。
上記の体験談以外にも女性の大型ドライバーの体験談や女性の大型ドライバーについては
下記で詳しく紹介していますのでそちらも合わせてごらんください。
女性でも大型ドライバ―になれる!給与事情や向いている人について紹介!体験談も!
まとめ
大型ドライバーになるために必要な資格をお知りいただけたでしょうか。
大型自動車運転免許だけでなく、本記事でご紹介した免許・資格をもっていると、
より活躍の範囲が広まりますし、給料もアップされる可能性もあります。
記載した大型ドライバーの体験談では、大型ドライバーの実情が深く理解できますので、
ぜひ参考になさってください。
本記事を参考に、大型ドライバーに就職・転職してみてはいかがでしょうか。