慢性的な人手不足が続いているトラックドライバ―は、今後も需要が見込まれています。
トラックドライバ―の仕事に就くためには必要な資格や免許を取得していれば、
就職や転職に有利です。
本記事では、トラックドライバ―になるために必要な資格や免許について、
詳しく解説します。
トラックドライバーになるために必要な免許について
トラックにはさまざまな大きさがあり、
免許の種類によって運転できる大きさが決められています。
ここでは、トラックドライバ―に必要な免許についてみていきましょう。
普通免許
普通免許は、以下のように取得した時期によって
運転できるトラックの大きさが異なりますので注意が必要です。
<2017年3月12日以降に取得の場合>
免許の種類 |
車両総重量 |
最大積載量 |
乗車定員 |
受験資格 |
普通免許 |
3.5t未満 |
2.0t未満 |
10人以下 |
18歳以上 |
<2007年6月2日~2017年3月11日の取得の場合>
免許の種類 |
車両総重量 |
最大積載量 |
乗車定員 |
受験資格 |
普通免許 |
5.0t未満 |
3.0t未満 |
10人以下 |
18歳以上 |
<2007年6月1日以前の取得の場合>
免許の種類 |
車両総重量 |
最大積載量 |
乗車定員 |
受験資格 |
準中型(8t)限定免許 |
8.0t未満 |
5.0t未満 |
10人以下 |
18歳以上 |
普通免許の取得方法・費用
普通免許を取得する際は、自動車教習所を卒業し、
運転免許センターまたは運転免許試験場で適性検査と学科試験を受けて
合格すると免許証が交付されます。
取得までにかかる費用は、AT限定車で約29万円、MT車で31万円が必要です。
準中型免許
準中型免許は2017年3月12日に新設された免許で、以下のトラックの運転が可能です。
免許の種類 |
車両総重量 |
最大積載量 |
乗車定員 |
受験資格 |
準中型免許 |
7.5t未満 |
4.5t未満 |
10人以下 |
18歳以上 |
準中型免許の取得方法・費用
準中型免許を取得する際も、自動車教習所に通学するのが基本となります。
取得までにかかる費用は所持免許がない場合は約40万円、
普通車MT免許を所持している場合は約17万円必要です。
中型免許
中型免許は2007年6月2日から制度が開始され、
以下のトラックを運転することができます。
免許の種類 |
車両総重量 |
最大積載量 |
乗車定員 |
受験資格 |
中型免許 |
11t未満 |
6.5t未満 |
29人以下 |
20歳以上 |
中型免許の取得方法・費用
前述と同じく、中型免許を取得する際も教習所に通うのが一般的です。
中型免許取得にかかわる費用は、以下のように所持している免許によって異なります。
所持免許 |
費用 |
普通免許MT |
約21万円 |
普通免許AT |
約24万円 |
8t限定中型免許MT |
約10万円 |
8t限定中型免許AT |
約13万円 |
5t限定準中型免許MT |
約17万円 |
5t限定準中型免許AT |
約21万円 |
準中型免許 |
約15万円 |
大型免許
大型免許では、以下のトラックを運転することが可能です。
免許の種類 |
車両総重量 |
最大積載量 |
乗車定員 |
受験資格 |
大型免許 |
11t以上 |
6.5t以上 |
30人以上 |
21歳以上 |
大型免許を取得する際は、深視力検査を受けなければなりません。
深視力検査については、運転ドットコムの下記の記事に記載していますので、
合わせて参考になさってください。
大型免許取得時に必要な深視力検査とは?検査方法や合格のコツ、トレーニング方法について紹介!
大型免許の取得方法・費用
大型免許も教習所を卒業することで取得することが一般的です。
中型免許と同様に、所持している免許によって
取得にかかる費用が以下のように異なります。
所持免許 |
費用 |
普通免許MT |
約35万円 |
普通免許AT |
約40万円 |
8t限定中型免許MT |
約28万円 |
8t限定中型免許AT |
約35万円 |
5t限定準中型免許MT |
約28万円 |
5t限定準中型免許AT |
約35万円 |
中型免許 |
約23万円 |
トラックドライバーになるために必要な資格について
上記でトラックドライバ―になるために必要な免許についてご紹介しました。
上記の免許を取得することでトラックドライバ―になることはできますが、
以下の免許・資格をもっていることで、より仕事の幅が広がり、
採用される可能性が高くなるでしょう。
けん引免許
けん引免許は、トレーラーを引っ張る際に必要な免許です。
トレーラーをけん引することで2台分の荷物を輸送することができるため、
効率よくものを運ぶことができます。
運送会社もドライバー1人分の人件費でたくさんの荷物を輸送できることから、
けん引免許保持者は喉から手が出るほどほしがるものです。
フォークリフト運転技能者
トラックに積む荷物を一括で動かすためには、
荷物をパレットに積んで輸送することが多々あります。
パレットに積まれた荷物を動かす際は、
フォークリフトを使用することが一般的です。
パレットに荷物を積むことで、トラックへの荷積み・荷下ろしを
迅速に行なうことができます。
トラックへの荷積み・荷下ろしはトラックドライバ―が行なうことも多いですので、
フォークリフトの資格を所持していることで、仕事の幅が広がるでしょう。
玉掛作業者
玉掛作業者は、建設資材・鉄鋼資材をクレーンで荷下ろしするための資格です。
建築資材・鉄鋼資材は手作業で荷積み・荷下ろしできませんので、
必ずクレーンで作業しなければなりません。
トラックドライバ―の免許とともに、玉掛作業者の免許をもっていると、
仕事の幅が広がるだけでなく、給料アップもねらえるでしょう。
危険物取扱者
危険物取扱者は、消防法で決められた危険物の取扱う際に必要な資格です。
トラックドライバ―でも、燃料や薬品を運ぶ場合は
危険物取扱者の資格が必要となります。
危険物取扱者の資格を所持していると、資格手当などの給料アップが見込めるでしょう。
運行管理者
運行責任者は、トラックドライバ―の乗務記録の管理、シフト作成、
休憩所の管理、安全意識をもたせるための教育指導などを行ないます。
またトラックドライバ―の点呼を行なったり、健康状態などの管理も行なうのです。
いわば管理職の立場となる資格資格ですので、
トラックに乗る機会は少ないですが、所持しておくと幅広い業務に対応できるでしょう。
現役トラックドライバーの体験談3つ
最後に、現役トラックドライバ―の体験談を3つご紹介します。
Sさん・40代男性・勤務歴5年
Sさんが勤務する運送会社は小型トラックから大型トラックまでを保有しています。
Sさんは大型トラックに乗務していますが、大型トラックドライバ―の給料は
小型・中型トラックドライバ―より年収で50万円以上高いです。
普通免許・中型免許より、大型免許を所持してトラックドライバ―をすることで
給料は高くなります。
Mさん・30代男性・勤務歴12年
Mさんは青果物を輸送する仕事をしています。
段ボールに入っている青果物はパレットに載せられているため、
フォークリフトに乗りながら荷積み・荷下ろしをしています。
ただMさんの会社はフォークリフトの資格をもっていても、
とくにプラスになる手当はつきません。
このように資格手当は運送会社によって支給されるかはさまざまです。
Sさん・50代男性・勤務歴8年
Sさんは大型免許をもっていますが、普段は小型トラックを運転しています。
Sさんが勤務する運送会社では、大型自動車運転免許をもっていたとしても、
小型トラックを担当するときもあるのです。
Sさんの運送会社は担当するトラックの大きさは関係なく、
給料は大差なく支給されます。
まとめ
トラックドライバ―になるために必要な資格や免許について、
ご理解深まりましたでしょうか。
トラックドライバ―になるためには、
普通免許・中型免許より大型免許をもっているほうが仕事の幅が広がります。
また運転免許以外に、フォークリフトなどの資格をもっていると、
さらに仕事の幅が広がるでしょう。
さまざまな免許・資格をもっていることで仕事の幅が広がるだけでなく、
給料アップも見込むことも可能です。
本記事を参考に、1つでも多くの免許・資格を所持して、
トラックドライバ―をめざしてみてはいかがでしょうか。