工事現場を出入りしているダンプ、港でよく見かけるトレーラー。
どちらも働く車ですが、ダンプやトレーラーはどのような働きをしているのでしょうか。
またダンプやトレーラーのドライバーになるには、
どのような資格・免許が必要なのか気になるところです。
本記事では、ダンプやトレーラーのドライバーになるために
必要な資格や免許について、詳しく解説します。
ダンプとトレーラーについて
業務にのために使われるダンプやトレーラーは、ものを運ぶために使用されています。
まず、ダンプやトレーラーがどのような車両であるのかみていきましょう。
ダンプとは
ダンプは、荷台に土砂を積んで、指定された場所に運ぶ役割を果たしています。
ダンプに土砂を積む際は、ショベルカーで何度も土砂をくみ取って積んでいきます。
土砂を下ろす際、ダンプの荷台は可動式で上下に動くようになっているため、
荷台に傾斜をつけることで、土砂が滑り落ちていくしくみになっているのです。
ダンプの荷台に荷物を積むことも可能ですが、
そもそも荷物を積む構造にはなっていないことから、
荷物を輸送するために用いられることはありません。
ダンプはおもに10tトラックが多く使用されています。
トレーラーとは
トレーラーは、荷物を運ぶ専用の大型車両です。
トラックはエンジンが搭載されている部分と、
荷台がつながって1つの車両になっているものもありますが、
トレーラーはエンジンが搭載されている部分と
荷台部分が切り離せる構造になっています。
港に到着するコンテナ船には、荷物がたくさん格納されていますが、
そのコンテナをエンジンが搭載されている部分と接続することで、
港での荷積み・荷下ろしをする必要がありません。
日本国内ではトラックの台数が圧倒的に多いですが、
トレーラーはトラックよりもたくさんの荷物を輸送することができるため、
陸上輸送に必要不可欠なものになっているのです。
ダンプとトレーラーの違いについて
前述のように、ダンプは土砂を運ぶための車両で、
荷物を輸送するための車両ではありません。
一方、トレーラーは、荷物を輸送するための車両で、
荷物の輸送以外に用いられることはないのです。
またダンプは、エンジンが搭載されている部分と
荷台部分が切り離せない構造になっているのに対して、
トレーラーは、エンジンが搭載されている部分と荷台部分を切り離すことができます。
荷台部分だけがコンテナ船に載せられて輸送に用いられているのです。
ダンプとトレーラーの運転に必要な資格や免許について
ダンプもトレーラーも車両が大きく、特殊な構造をしていますが、
このような車両については普通免許では運転できません。
ここでは、ダンプとトレーラーの運転に必要な資格や免許についてご紹介します。
免許の種類・区分については、運転ドットコムの下記の記事でもご紹介していますので、
合わせて参考になさってください。
ダンプの運転に必要な資格や免許
ダンプは基本的に車両総重量が10tを超えることから、
普通免許では運転することができず、大型免許が必要となります。
もしダンプが車両総重量が7,500kg以上で最大積載量が4,500kg以上、
6,500kg以下の車両の場合は、中型免許でも運転可能です。
前述のように、ダンプは荷台部分が可動式になっていますが、
可動式を操作する際にはとくに免許は必要ではありません。
よってダンプを運転するためには、大型免許または中型免許が必要となります。
トレーラーの運転に必要な資格や免許
ダンプのように、トレーラーも車両総重量に適した免許が必要です。
トレーラーの場合は、ほとんどの車両が大型車ですので、
大型免許がなければ運転することができないと考えましょう。
またトレーラーは、荷台部分のコンテナを引っ張って運転することになりますので
「けん引免許」を取得しなければなりません。
けん引免許は、運転免許の中でもとくに取得するのが難しい免許と言われています。
そのため、トレーラーの運転手は給料が高いのが一般的です。
よってトレーラーを運転するためには、大型免許とけん引免許が必要となります。
ダンプやトレーラーのドライバーはきついのか?
ダンプやトレーラーを運転するためには、高度な運転技術が求められます。
また仕事の内容はきついのでしょうか。
ここでは、ダンプやトレーラーのドライバーはきついのかについてご紹介します。
ダンプドライバーはきついのか?
ダンプは貨物トラックと車両の大きさは大差ありませんが、
ダンプは荷台部分から土砂を搬出することから、
基本的にバックモニターを装着することができません。
バックモニターがないと、
後方確認を目視とサイドミラーだけで行なわなければなりません。
ダンプは決められた場所に停車して、土砂の搬出入を行なわなければなりませんが、
トラックのように、後方に荷台部分が長いわけではありませんので、
慣れてくると後方の距離感もつかめてくるでしょう。
ダンプの仕事は、土砂の積載はショベルカーで行ないますので、
肉体労働にはならないものの、
土砂を積んでもらうまでの待機時間が長い場合があります。
また積載した土砂を搬出した後、再び土砂の積載所に戻って土砂を積んでもらい、
その後、土砂を搬出するという作業を繰り返し行なう場合があるのです。
場合によっては、工事現場の作業時間に合わせて土砂を搬出入しなければならないため、
勤務が早朝や深夜になることもあります。
このような勤務がしんどいと感じる方にとっては、きつい仕事を感じるかもしれません。
ダンプの仕事については、運転ドットコムの下記の記事に
記載していますので、合わせて参考になさってください。
【ドライバー必見】ダンプ運転手はきつい?ダンプ運転手の不安や悩みの解決方法
トレーラードライバーはきついのか?
トレーラーは、エンジンが搭載されている部分と荷台部分が切り離されていることから、
運転操作が非常に難しいです。
とくにバックで右左折する際は、
コンテナの動きを予測しながら操作しなければなりません。
トレーラーは、コンテナ部分が切り離されてコンテナ船に積まれることから、
バックモニターが装着できない上に、コンテナの全長は20m程度ありますので、
目視やサイドミラーでの確認も困難です。
トレーラーをうまく操作するためには、とにかくたくさんの時間を乗務し、
体で感覚を身につけるしかありません。
トレーラーの仕事は、大量の荷物を近距離に運ぶ場合もありますが、
遠方に運ぶ場合は、車中泊を繰り返しながら長距離を運転する必要があります。
前述のように、運転操作が難しい車両を長距離運転するとなると、
疲労度は計り知れないものになるでしょう。
またコンテナを切り離しや、コンテナの搭載をしてもらうために、
待ち時間が発生するのは避けて通れません。
ダンプと同様に、トレーラードライバーも
このような勤務形態であることを理解した上で仕事に就かなければ、
きついと感じるでしょう。
まとめ
ダンプやトレーラーのドライバーになるために必要な資格や免許について、
ご理解深まりましたでしょうか。
ダンプもトレーラーも、車両が大きいがゆえに、運転は簡単ではありません。
加えて、ダンプもトレーラーの仕事がきついのかついても
記載しましたのでご一読ください。
本記事を参考に、ダンプやトレーラーを運転する際に必要な免許を確認していただき、
ドライバーを目指してみてはいかがでしょうか。