2024年4月1日より、トラック運転手の時間外労働時間に上限が設けられるため、
トラック運転手の人材不足が注目されています。
そのため現在求職中の方で、トラック運転手の仕事内容をみて自分に合う場合は、
トラック運転手の就職・転職をめざす方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、トラック運転手の仕事内容についてご紹介するとともに、
トラック運転手に向いている人や体験談について詳しくご紹介します。
トラック運転手の主な仕事内容
トラックの運転手の仕事は、トラックを運転することはもちろんですが、
実は運転以外にもさまざまな仕事を担っていることをご存知でしょうか。
ここでは、トラック運転手の仕事にはどのようなものがあるのか、トラックの種類別にみていきましょう。
小型トラックの場合
一般に「2tトラック」「3tトラック」とよばれる小型トラックは、以下の規格のものをいいます。
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小型トラック運転手の仕事内容には次のようなものがあります。
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小型トラック運転手は、近距離に荷物を運ぶ仕事が中心です。
中型トラック・大型トラックは遠方から運んできた荷物を物流センターで下ろし、
その荷物を近隣に運ぶのが小型トラック運転手の仕事となります。
おもに保冷機能が搭載されている小型トラックはコンビニルート配送や、
スーパーなどへ食料品の納品、個人の宅配などに利用されることが多いです。
また単身世帯や夫婦世帯の引越などにも小型トラックは利用されます。
小型トラックは、中型トラック・大型トラックと比較すると積載できる量は少ないですが、
私たちの身近な生活の物流に関わっているのです。
中型トラックの場合
一般に「4トラック」とよばれる中型トラックは、以下の規格のものをいいます。
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中型トラック運転手のおもな仕事内容は以下の通りです。
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中型トラックは近距離から中距離に荷物を運ぶ仕事が中心です。
大きなスーパーには大量の商品を納品する必要がありますが、
大型トラックではトラックの規格が大きいため、スーパーの納品場所に入ることができないことが多くあります。
そのためスーパーへの納品では中型トラックが使用されることが多いのです。
とくにウイングボディのトラックでは、アルミの荷台部分の両サイドが開くため、
荷台の前方に積まれた荷物も、荷台の一番後ろまで運ばなくても、荷台の横から荷物を下ろすことができます。
荷物がパレットの上に載っている場合は、
ウイングを開けてフォークリフトでパレットごと下ろすことができるため、
トラック運転手の荷下ろしの体力的な負担はありませんし、効率よく荷下ろしが可能です。
大型トラックの場合
一般に「10トラック」とよばれる大型トラックは、以下の規格のものをいいます。
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大型トラック運転手のおもな仕事内容には次のようなものがあります。
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大型トラックは、中距離から長距離に荷物を運ぶ仕事が中心です。
例えばキャベツ畑で収穫された大量のキャベツは、大型トラックに積載され各地方の市場へと運ばれます。
キャベツを大型トラックに積載する際にはパレットの上に積載するのが一般的で、
市場で荷下ろしするときはフォークリフトで荷下ろしをするのです。
このように大型トラックは遠方から各地方の物流センターに荷物を輸送し、
そこで荷下ろしされた荷物が、中型トラック・小型トラックの運転手によって各地域へと輸送されていきます。
トラック仕事の種類については下記の記事でもっと詳しく紹介しておりますのでぜひご覧ください。
トラックの種類別に仕事の内容を紹介!トラック運転手になる方法も併せて紹介!
トラック運転手って仕事きつい??
トラック運転手の仕事は「大変」「きつい」と耳にしますが、
トラック運転手の仕事は具体的にどのようなことがきついのでしょうか。
ここではトラック運転手がとくにきついと感じているものについてご紹介します。
荷積み・荷下ろしの手作業
トラック運転手の仕事はトラックを運転するだけとお思いの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
トラック運転手は、自身が運転するトラックの荷物の荷積み・荷下ろしをしなければなりません。
基本的にトラック運転手は手作業で荷積み・荷下ろしをする必要があります。
荷物の種類によっては重たいものもありますし、
中型トラックや大型トラックになるほど荷物の量が多くなるため、肉体的疲労は相当なものです。
荷積みで体力が奪われた後にトラックを運転することになり、
トラックを運転した後に荷下ろしをすることから、トラック運転手の仕事はきつといわれます。
長時間勤務
前述で、小型トラック運転手は近距離への配送が中心で、
中型・大型トラック運転手は中距離・長距離への配送が中心になるとお伝えしました。
トラック運転手は勤務時間が定められているものの、
交通渋滞や事故渋滞で配送時間が遅れるケースはよくあることです。
またスーパーや物流センターといった荷下ろしを行なう場所では、荷待ち時間といって、
自身がトラックから荷物を下ろす際に、先に他のトラックが到着している場合は、
荷物を下ろす順番を待たなければなりません。
渋滞や荷待ち時間は、トラック運転手が自分の力でどうすることもできないことです。
他には、中距離・長距離トラック運転手の場合は、
日帰りで自宅に戻ることができないことがあり、その場合は車中泊で仕事をしなければなりません。
2024年問題にも挙げられているように、トラック運転手の長時間労働は命にも関わる大きな問題です。
2024年4月1日より労働基準法改正により、トラック運転手の時間外労働時間に上限が設けられますが、
依然として長時間労働が続いているのはきつく感じておられます。
交通事故のリスク
トラック運転手は、他の車と並走したり歩行者がいたりと、交通事故に遭遇するリスクが常にともないます。
またトラックは車両が大きいため、死角となる部分が多いことから、交通事故に遭遇リスクが大きくなるのです。
万が一事故を起こした場合は、運送会社に事情聴取や家宅捜査が入ることがありますし、
トラック運転手が逮捕される場合もあります。
前述のように長時間勤務が慢性化し、疲労を背負っている環境の中でのトラックの運転である上に、
神経を尖らせながら運転をしなければならないため、精神的にもきつさを感じる仕事といえるでしょう。
トラック運転手に向いている人・向いていない人の特徴
2024年4月1日からは労働基準法改正により、トラック運転手の時間外労働の上限が制限されることから、
これまでのように同じトラック運転手が長時間働くことができなくなります。
運送会社は人手不足に陥り、従来の荷物量を配送していくためには人手を増やすしかありません。
現在求職中の方や、転職をお考えの方で、トラック運転手をお考えの方もいらっしゃると思います。
そのような方のために、ここでご自身がトラック運転手に向いているか・向いていないかを確認してみましょう。
トラック運転手に向いている人の特徴
まず、トラック運転手に向いている人の特徴についてご紹介します。
□車を運転するのが好きな人
トラック運転手は、勤務時間中のほとんどの時間が運転です。
運転する距離が長くなるほど、運転する時間が長くなります。
運転するのが好きな人は、ストレスなく仕事を進めることができるでしょう。
□単調な仕事でも飽きない人
トラック運転手の仕事は荷積み→配送→荷下ろしといった単調作業になります。
とくにルート配送の仕事は、毎日決められたルートを回りながら配送することから、仕事が単調になりがちです。
このような単調な仕事でも飽きない人がトラック運転手に向いているでしょう。
□1人で仕事をしたい方
トラック運転手の仕事は1人で仕事を行なう時間がほとんどです。
基本的に荷積み・荷下ろしは1人で行ないますし
運転中も横乗りがあるケースは新人教育のときくらいですが、めったにないと思っていいでしょう。
荷積み・荷下ろしの際に、現地にいる職員とコミュニケーションを交わさなければならないことがあるかもしれませんが、
そのときの会話はわずかなものですので、他者とコミュニケーションをとるのが苦手な方もトラック運転手は務まります。
トラック運転手に向いていない人の特徴
次に、トラック運転手に向いていない人の特徴についてみていきましょう。
体調を崩しやすい人
前述のように、トラック運転手は体力仕事であり、精神的にも負担が大きい仕事ですので、
体調を崩しやすい人は仕事が継続できない可能性が高いです。
仕事が長時間労働になることが多く、リズムよく仕事できるわけではありません。
雨の日も雪の日も、屋外で荷積み・荷下ろしをする必要がありますので、
寒さで風邪を引きやすい人などもトラック運転手には向いていないといえます。
短気な人
トラック運転手は勤務時間のほとんどが運転をしている時間ですが、
運転中に他の車から割り込まれたり、
煽り運転をされたりすることで攻撃的な人はトラック運転手には向いていません。
トラック運転手はお客様の大切な荷物を輸送していることが大前提で、
トラックの荷台が空の状態であっても、運送会社の名前を背負ったトラックを運転しています。
何よりもやられたからやり返すことで、事故を発生させてしまうと、前述のように逮捕や家宅捜索が考えられるのです。
責任をもってトラック運転手として務められる人でなければ、トラック運転手の仕事は向いていません。
スケジュール管理ができない人
トラック運転手の仕事は、荷積み・荷下ろし先の時間が指定されることがほとんどです。
指定された時間に到着するためには、何時に物流センターを出発するのか、
指定された時間よりどれくらい前に現地に到着しなければならないのかを考えなければなりません。
また使用する道路の普段の混み具合なども総合的に考えながら、自身でスケジュールを組む必要があるのです。
よってスケジュール管理ができない人は、トラック運転手には向いていません。
未経験でもトラック運転手の仕事はできる?
ここまで記事をお読みになった方で、トラック運転手を目指そうとお思いの方がいらっしゃるでしょう。
ただ「自分はトラック運転手の仕事は未経験だけど大丈夫かな」と感じている人も多いはず。
ここでは未経験でもトラック運転手の仕事はできるかご紹介します。
トラック運転手になるには?
トラック運転手になるには、運転するトラックに応じた自動車運転免許をもっている必要があります。
小型トラックは「普通自動車運転免許」「準中型自動車運転免許」、
中型トラックは「中型自動車運転免許」、
大型トラックは「大型自動車運転免許」や「牽引免許」などをもっているといいでしょう。
トラック運転手になるには、運送会社の求人をみつけて、
自身が就職したいと思う運送会社の採用面接を受けてください。
採用面接に合格すれば、トラック運転手になることができます。
トラック運転手未経験でも研修があるから大丈夫!
上記でお示しした自動車運転免許をもっていたとしても、実際にトラックを運転をしたことがない人も多いでしょう。
運送会社に就職した後は、運送会社で研修制度を用意していますので、まずは横乗りなどの研修を受けていきます。
研修期間は約1カ月のところが多く、その研修を受けながら1人で運転できるよう慣れていきます。
ほとんどの運送会社でこのような研修制度を設けていますので、
トラック運転手未経験者でも安心して仕事をすることができるのです。
実際のトラック運転手の体験談
最後に、実際のトラック運転手の方の体験談をご紹介します。
~ケース①~ Aさん/50代/男性
コンビニルート配送で、小型トラックを運転しているAさん。
乗用車より小型トラックは大きさが大きいため、
運転に慣れるまでに時間はかかったそうですが、
これまで事故を起こすことなく安全運転で仕事を継続しています。
コンビニルート配送は決められたコンビニを回ることから、
現地のコンビニスタッフともコミュニケーションを採ることもあり、
やりがいを感じながら仕事をしているとのことです。
~ケース②~ Oさん/40代/男性
大型トラックで遠方へ商品を運んでいるOさん。
運転している距離が長いため、毎日自宅に戻ることはできませんが、
普段訪れることがない地域でご当地グルメを堪能したりしながら、仕事をしているそうです。
車内は1人ですので、好きな音楽を聞き、交通ルールを遵守しながらトラックを走らせているとのこと。
大型トラックを運転しているおかげで、運転技術も向上したそうです。
まとめ
トラック運転手の仕事内容について、お知りいただけましたでしょうか。
トラックにはさまざまな大きさがあり、大きさによってトラックの用途は異なりました。
トラック運転手は仕事がきついところもありますが、2024年問題で挙げられているように、
運転手不足が生じていることから、今後もトラック運転手の求人は増えていきます。
トラック運転手を目指す場合は、トラック運転手未経験者でも運転手になれる旨を記載しましたのでご一読ください。
本記事を参考に、トラック運転手に仕事内容について理解を深めていただければ幸いです。