軽貨物ドライバーの手取りっていくら?かかっている税金や経費、保険についても紹介!

年収・給料

軽貨物トラックで宅配が行なわれている光景をよく目にします。

 

最近ではネットで商品を購入する方が多く、軽貨物ドライバーの人手不足となっているほどです。

 

そのため軽貨物ドライバーに就職・転職をお考えの方がいらっしゃると思いますが、

 

気になるのが軽貨物ドライバーの手取りではないでしょうか。

 

本記事では、軽貨物ドライバーの手取りや、税金、経費、保険について詳しくご紹介します。

 

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軽貨物ドライバーの手取りってどうやって決まるの?

軽貨物ドライバー稼げない

 

軽貨物ドライバーへの就職・転職を考える際に、まず気になるのが手取りです。

 

まず最初に、軽貨物ドライバーの手取りについてみていきましょう。

 

 

軽貨物ドライバーの「手取り」のしくみ

軽貨物ドライバーの手取りのしくみは、以下で挙げる雇用形態により異なります。

 

 

運送会社に就職・転職して「社員」として働く場合

最もイメージがわきやすいのが、運送会社の社員として働いて手取りを得る方法です。

 

社員の場合は「給与額−控除額=手取り」という形で手取りが支給されます。

 

「給与額」は基本給+手当(時間外手当・資格手当等)で算出し、

 

「控除額」は所得税、住民税、社会保険のことをいいます。

 

社員として働くことで月々安定した給与をもらうことが可能です。

 

 

業務委託に登録して「委託ドライバ―」として働く場合

委託ドライバーは、仕事を紹介してくれる委託業者に登録して働くドライバーのことをいいます。

 

委託で軽貨物ドライバーをしている人は、前述の社員のように基本給もなければ控除額もありません。

 

控除に関しては年に1度、自身で確定申告を行なって所得の申告や、税金の納付を行なう必要があります。

 

業務委託の場合は「売上−ロイヤリティ(手数料)−必要経費=手取り」で手取りの計算を行ないます。

 

配送した際に得た売り上げをすべて自分のものにできるのではなく、

 

契約している運送会社にロイヤリティ(手数料)を支払わなければなりません。

 

そこからさらに必要経費を引いたものが手取りとなるのです。

 

ロイヤリティには以下の2種類があります。

 

内容

パーセント型

・売上×〇〇%=手数料を決める方法

・売上が少ない場合は手数料の負担が小さい

・売上が多い場合は手数料の負担が大きい

・運送会社によりパーセンテージが異なるが15~20%程度が相場

固定金額型

・売上金額に関わらず定額の手数料を決める方法

・売上が少ない場合は手数料負担が大きい

・売上が多くなっても手数料は定額のため手取りが多くなる

・運送会社により金額が異なるが5,000~20,000円程度/月が相場

 

 

個人で開業届を提出して「フリーランス」として働く場合

フリーランスドライバーは、自分で開業届を役所に提出し、自身で開業するドライバーのことをいいます。

 

委託ドライバーのように委託をして仕事を得るのではなく、

 

自分で運送会社へ営業に行き、直接取引先を探さなければなりません。

 

案件を請け負うほど手取りは多くなりますので、事業を拡大し、

 

他にドライバーを雇うなどすることで多くの手取りを得ることができます。

 

反対に仕事が獲得できなければ手取りはゼロです。

 

もし急用などで配送ができなくなった場合、代わりのドライバーを自分で探さなければなりません。

 

また契約書などの書類作成を含めたすべての業務を自身でこなさなければなりませんので、

 

軽貨物車を運転するだけが仕事ではないことも知っておく必要があります。

 

 

軽貨物ドライバーの手取り相場を紹介!

軽貨物ドライバー 手取り 相場

 

上記では軽貨物ドライバーの雇用形態について触れましたが、雇用形態別の手取り相場は以下のようになっています。

 

社員ドライバー

約25~45万円/月

委託ドライバー

約20~50万円/月

フリーランスドライバー

約400万円/年

 

社員ドライバーは運送会社の業務を遂行することで手取りを得ることができますし、

 

委託ドライバーも運送会社の仕事を行なうことで収入を得ることができます。

 

フリーランスドライバーは手取り相場が400万円/年となっていますが、

 

自分で取引先を確保しなければ手取りはありませんのでご注意ください。

 

 

軽貨物ドライバーの税金や経費、保険って?いくら?

軽貨物ドライバー 経費 保険

 

上記で、軽貨物ドライバーは社員または委託・フリーランスに大別しましたが、

 

働き方によって税金や経費、保険はどれくらいかかるのでしょうか。

 

ここでも社員と委託・フリーランスに分けてみていきましょう。

 

 

社員の場合

運送会社に雇用されている軽貨物ドライバーは、

 

経費は運送会社が負担しているためドライバーが支払うことはありませんが、税金・保険を支払う必要があります。

 

具体的にどのような種類の税金・保険があるのか、その金額はいくらなのかについてご紹介します。

 

 

社員が納める税金

社員が納める税金は以下の2種類があります。

 

税金の種類

内容

所得税

・1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課税される税金

・所得によって負担する税率が異なる(累進課税)

・毎月の給与から天引きされる

・天引きされている所得税はあくまで見込みの所得税額

・1年間の給与が確定した際に「年末調整」を行なう

・年末調整で追加徴収や還付が行なわれる

住民税

・都道府県、市区町村それぞれに支払う税金

・住民税は前年の所得に応じて税額が決まる

・所得×おおよそ10%程度で算出する所得割額+均等割額の合計で算出

 

累進課税制度による所得税の税率は、以下の通りです。

 

所得金額

税率

控除額

1,000~1,949,000円

5%

0円

1,950,000~3,290,000円

10%

97,500円

3,300,000~6,949,000円

20%

427,500円

6,950,000~8,999,000円

23%

636,000円

9,000,000~17,999,000円

33%

1,536,000円

18,000,000~39,999,000円

40%

2,796,000円

40,000,000円以上

45%

4,796,000円

 

 

社員が納める保険料

社員が納める保険料は以下の4種類があります。

 

保険料の種類

内容

健康保険料

・病院にかかる際に医療費の負担を軽減してくれる保険料

・健康保険料は給料によって保険料が決まる

・厳密には「標準報酬月額」をベースに納付額が決定する

介護保険料

・40~64歳までの人が納付する保険料

・保険料は給料によって保険料が決まる

厚生年金

保険料

・健康保険料と同じく、標準報酬月額により決まる

・保険料は自身が将来受け取る厚生年金額にも関わる

雇用保険料

・雇用保険料は毎月金額が変動する

・当月の給料+交通費の支給額に対して一定の料率がかけられる

 

 

軽貨物ドライバー社員の手取りのシミュレーション

軽貨物ドライバーの社員の場合は、上記の税金や保険料が天引きされます。

 

ここでは具体的に年収400万円の場合のシミュレーションをみていきましょう。

 

項目

年収

ひと月あたり

年収

4,000,000円

333,333円

ボーナス

0円

0円

厚生年金

373,320円

31,110円

健康保険

204,000円

17,000円

雇用保険

24,000円

2,000円

所得税

83,900円

6,991円

住民税

177,800円

14,816円

手取り収入

3,136,980円

261,415円

 

あくまで試算になりますが、ひと月あたりの手取りがいくらかイメージしやすいでしょう。

 

 

委託・フリーランスの場合

委託・フリーランスの軽貨物ドライバーの場合、税金や保険などの経費を自身で処理していかなければなりません。

 

ここでは経費の種類や具体的に必要な経費の金額についてご紹介します。

 

 

必要経費

まずは委託・フリーランスの軽貨物ドライバーの必要経費をみていきましょう。

 

項目

経費

ガソリン代

約50,000円/月

オイル交換代

約5,000円/月

車検代金

約80,000円/2年

タイヤ交換

約30,000円/2年

自動車保険代金

約10,000円/月

車のローン代金

約20,000円/月

駐車場代

約15,000円/月

通信費

約15,000円/月

資材・備品代金

約10,000円/月

事務用品代

約10,000円/月

 

上記の経費はあくまで概算で、車の保有台数・使用状況など、

 

仕事の請負量や事業の規模により大きく異なります。

 

 

確定申告を行う必要性がある

委託・フリーランスの軽貨物ドライバーで仕事をする際は、

 

毎年2~3月の間に前年の確定申告を行なわなければなりません。

 

確定申告は本人または税理士が行なう必要があります。

 

白色申告または青色申告出申告を行なう他、

 

軽貨物車両やパソコンなどの高額商品を購入した場合は、減価償却の申請も行なってください。

 

 

保険料控除

確定申告の際に、以下の保険料も控除の対象になります。

 

保険の種類

内容

国民年金

・国民年金は16,590円

・年間199,080円が保険料控除として利用可

※2022(令和4)年度時点

国民年金基金

・任意加入の年金基金

・最大月額68,000円まで加入可

国民健康保険

・前年度の年収で翌年の保険料が決まる

・個人事業主は報酬−(経費+保険料控除)分は課税対象

・課税対象分から保険料が算出される

・保険料控除としてい利用可

iDeCo

(個人型確定拠出型年金)

・iDeCoの掛金は全額控除の対象

・掛金の上限は人により異なる

 

軽貨物フリーランスの年収については下記の記事でも詳しく紹介しておりますのでご覧ください。
 

フリーランスの軽貨物ドライバーの年収はどれくらい?開業までの手順も公開

 

 

手取り30万円をもらうには?

手取り 30万円

 

運送会社の社員の場合は月々安定した手取りがありますが、

 

社員以外の場合は働き方によって手取りが変わってきます。

 

ここでは手取りを30万円もらうにはどれくらいの働きが必要なのか、

 

合わせて20万円、10万円の手取りを得るための働き方についてみていきましょう。

 

 

月の手取り30万円の場合

月の手取りで30万円を得るためには、売り上げ45万円を目指す必要があります。

 

委託の場合は稼ぐほどロイヤリティが高くなりますので、手取りが大幅に増えにくいです。

 

一例として以下の試算を参考にしてください。

 

荷物単価

150円/個

配達個数

150個/日

稼働日数

20日/月

1日の売上

22,500円(150円×150個)

1カ月の売上

450,000円(22,500円/日×20日)

 

手取りを増やすためには配達個数や稼働日数を増やす必要がありますが、

 

稼働するほどガソリン代などの経費が必要となります。

 

また荷物単価が上記の例より安くなると、配達個数を増やすか、

 

稼働日数を増やすかして売り上げを上げなければなりません。

 

ただ稼ぐほどロイヤリティが高くなることから、

 

手取り30万円を得るためには上記のような試算で働く必要があるのです。

 

 

月の手取り20万円の場合

続いて月の手取り20万円を得るためには、売り上げ30万円を目指すといいでしょう。

 

ここでも一例の試算をみていきます。

 

荷物単価

150円/個

配達個数

100個/日

稼働日数

20日/月

1日の売上

150,000円(150円×100個)

1カ月の売上

300,000円(150,000円/日×20日)

 

月の手取り20万円の場合は、手取り30万円と比較すると稼働の負担は軽くなります。

 

言い換えると、月の手取りを増やしたい場合は、効率よく配達することが求められるのです。

 

 

月の手取り10万円

最後に手取り10万円を得るためには、以下のように売り上げ15万円を目指す必要があります。

 

荷物単価

150円/個

配達個数

100個/日

稼働日数

10日/月

1日の売上

15,000円(150円×100個)

1カ月の売上

150,000円(15,000円/日×10日)

 

月の手取り10万円となると、稼働日数が月の3分の1程度で済みます。

 

1日の配達個数が少なかった場合は、稼働日数を増やすことで補うことはできますが、

 

効率よく仕事をすることで、稼働日数は少なく抑えられます。

 

 

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上記では、軽貨物ドライバーの手取りについてご紹介しました。

 

荷物単価は運送会社や委託先によりますが、配達個数が多いほど手取りが増えることは間違いありません。

 

配達個数を増やすためには、効率よく配達する必要があります。

 

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あなたにピッタリの仕事がきっとみつかるでしょう。

 

 

実際の軽貨物ドライバーの体験談

軽貨物ドライバー 手取り

 

最後に、実際に軽貨物ドライバーの体験談をお読みになり、ドライバーの実情をお知りになってください。

 

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~ケース①~ Kさん/20代/男性

社員として軽貨物ドライバーの仕事をしていたKさんは、都心のエリアを担当していました。

 

都心では結婚式が挙げられるホテルがあり、式が行なわれる前に引き出物を運んだり、

 

オフィスビルに荷物を運んでいたそうです。

 

軽貨物車で運ぶ荷物は、基本的には軽いものが多いですが、

 

運ぶ個数が多いと台車を使って運ぶこともありますし、配達する荷物が多いと小走りで配達していたとのこと。

 

時間指定の荷物もあり時間に追われる日々ですが、Kさんはやりがいを感じながら仕事をしていました。

 

 

~ケース②~ Aさん/40代/男性

委託で軽貨物ドライバーの仕事を請け負っていたAさんは、百貨店の商品配達の仕事を委託されていました。

 

基本的には社員やアルバイトが商品の配達を行なっていましたが、Aさんも繁忙期は配達に回っていたとのこと。

 

日常では商品管理や経費の計算などを担うことが多いそうで、

 

委託で軽貨物ドライバーは配達から経営管理までしなければいけないとおっしゃっていました。

 

社員の軽貨物ドライバーとは違った忙しさはありますが、Aさんはさまざまなところに目配りをして仕事をしていました。

 

 

まとめ

軽貨物ドライバーの手取りについて理解が深まりましたでしょうか。

 

軽貨物ドライバーは今後不足するといわれているため、

 

運送会社に就職し社員として働く他、委託・フリーランスの軽貨物ドライバーで仕事をする選択肢がありました。

 

社員の軽貨物ドライバーは、月々決まった手取りを受け取ることで収入を得ることができます。

 

一方、委託・フリーランスの軽貨物ドライバーは、自身で荷物を配達するだけでなく、

 

経理なども行なわなければなりません。

 

社員の軽貨物ドライバーと、

 

委託・フリーランスの軽貨物ドライバーの手取り、経費、保険などについて詳しく紹介しましたのでご一読ください。

 

体験談では、社員と委託の軽貨物ドライバーに携わっていた方の話しを記載しています。

 

本記事を参考に、軽貨物ドライバーに仕事に就職・転職してみてはいかがでしょうか。

 

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