アルバイトでも時給が高めの新聞配達。
しかし、新聞配達はきついと言われるのは、なぜでしょうか。
この記事では、新聞配達が本当にきついのか、給与事情や体験談についても解説します。
新聞配達員の仕事内容
新聞配達と聞くと、ポストに新聞を入れる作業が思い浮かぶでしょう。
実際には配達以外にも、新聞配達員の仕事内容にはさまざまな業務があります。
新聞配達員の主な仕事内容を以下に紹介します。
仕事内容①トラックから新聞を運び込む
新聞配達の仕事は、単に新聞を家庭に届けるだけではなく、新聞販売店での作業も含まれます。
販売店では、印刷所から運ばれてきた新聞をトラックの荷台から下ろし、運び込む作業をします。
新聞は束になった状態で届くためとても重く、束の数も多いです。
そのため、販売店の複数のスタッフで運び込みます。
仕事内容②チラシの折り込み作業
販売店では、配達前の新聞にチラシを挿入する折り込み作業をします。
折り込み作業は販売店によって機械作業の場合もありますが、手作業でおこなう販売店も少なくありません。
また、雨の日には新聞をビニール袋に入れる作業もおこないます。
販売店によっては、折り込み作業だけをする専従のスタッフもいます。
仕事内容③新聞配達業務
配達業務では、販売所が指定した配達エリア内で、定められたコースに沿って新聞を配達します。
配達は、配達用のバイクや電動自転車、または自転車を使用します。
マンションや住宅密集地域では、肩からぶら下げた紐で新聞の束を持ち、徒歩で配達することもあります。
配達をする新聞は、朝刊と夕刊です。
そのため、朝刊と夕刊の2回とも配達を担当する場合、
深夜に起床し朝刊を配達し、昼間は長い休憩をはさみ、夕刊を配達するという働き方をします。
仕事内容④購読料の集金業務
集金業務は契約している家庭などを訪れて、新聞の購読料を回収する仕事です。
口座引き落としやクレジットカード払いが最近では一般的で、購読料の集金は減少しています。
しかし、新聞を購読している人の中には高齢者が多く、
これまでの習慣から集金で支払っている人も少なくありません。
仕事内容⑤新聞契約の営業
新聞配達の営業では、まだ新聞を購読していない家庭などを訪れ、新聞の勧誘をおこない、契約をします。
新規開拓の営業は、販売店が担当しているエリア内でおこなわれます。
新規だけでなく、既存契約の継続をお願いする営業もあります。
すでに新聞を購読している顧客に対して、今後も引き続き新聞を読んでもらうように働きかける営業です。
新聞配達員はバイトでしかできない?正社員は?
新聞配達の仕事は、アルバイトによる雇用をイメージする人が多いのではないでしょうか。
新聞配達員でも、正社員としての雇用があります。
正社員の場合は、月給制であり、会社によっては昇給や賞与、退職金制度などの福利厚生も整っているようです。
ただし、新聞配達の正社員は朝刊と夕刊の配達があるため、
拘束時間が朝と夕方に分かれており、勤務が連続していません。
下記で、新聞配達員の1日のスケジュールを紹介します。
正社員雇用の新聞配達員の1日のスケジュール例
時間帯は基本的に一定ですが、販売店ごとに時間がずれることがあります。
以下は配達スケジュールの一例です。
2:00~5:00 朝刊配達
5:00~13:00 自由時間
13:00~15:00 夕刊準備、配達
15:00~17:00 翌日の朝刊準備
夜中に起床して朝刊の配達をし、昼頃まで自由時間があります。
その後、再び夕刊の仕事と配達をおこなう、1日2回の拘束時間に分かれる働き方が一般的です。
新聞配達員の給与を紹介!
新聞配達の仕事に就きたいと考えている方は、給与事情が気になるところでしょう。
この章では、インディード調べによる新聞配達員の給与を紹介していきます。
参考:インディード「日本での新聞配達スタッフの平均給与」
正社員の場合
正社員は月収制の給与形態です。
他にも、新聞配達の契約社員も月収制で給与をもらっています。
新聞配達の年収と月給換算を以下で紹介します。
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新聞配達の給与は、地域によっても差があるようです。
インディードで紹介している地域別の平均年収を以下にまとめています。
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同一の県でも地域によって差があることが分かります。
アルバイトの場合
アルバイトやパートは、日給や時給の給与形態です。
新聞配達の日給と時給を以下の表で紹介します。
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時給に早朝手当や皆勤手当などを加算する販売店もあるようです。
また、集金業務や配達業務の給与を歩合制にしている販売店もあります。
歩合制の単価は販売店によって異なりますが、
集金では1件当たり150円、配達では1戸あたり月400円で求人しているところがありました。
新聞配達員の給料の詳細については下記の記事でも紹介しておりますので
そちらも合わせてご覧ください。
新聞配達員の平均年収はどれくらい?必要な免許(資格)や業務内容を紹介
新聞配達をするメリット・デメリットを紹介!
新聞配達の仕事は、働き続けやすい仕事なのでしょうか。
ここでは、新聞配達をするメリットとデメリットを紹介します。
新聞配達をするメリット
新聞配達の仕事には多くのメリットがあります。
まずは、新聞配達をするメリットについて紹介します。
プライベートを確保しやすい
新聞配達のアルバイトは、勤務1回の拘束時間が2〜3時間ほどと短く、
自分のスケジュールを取りやすいことがメリットです。
慣れて効率的に配達できるようになれば、さらに自分の時間を増やすことも可能です。
また、求人によっては週に2日から働ける販売店もあるため、プライベートを重視した働き方ができるでしょう。
早起きの習慣がつく
朝刊の配達の場合は、夜中のうちに起床することになります。
そのため、朝刊配達を続けていると、早寝早起きの習慣を身につけられます。
睡眠の質の改善にもつながるでしょう。
体力がつく
新聞配達をすることで、運動不足も解消できます。
配達をしていると予想以上に動き回ることがあります。
効率的に配達するため、自転車やバイクを一旦停め、歩いて配達することも多いからです。
団地やアパートなどでは、階段の昇降でからだを動かすことがさらに増えます。
歩いたり、走ったりする機会が多いため、新聞配達で体力をつけることができるでしょう。
単独で作業ができる
新聞配達中は単独で作業するため、自分のペースで作業を進めることができます。
一定の時間内に仕事を終える必要はありますが、他の人のペースに合わせる必要がありません。
また、販売店で他のスタッフと一緒に過ごす時間が短いため、人間関係に悩むことが少ないでしょう。
未経験者でもできる
多くの新聞配達の求人は、業務経験がなくても採用されやすい傾向にあります。
未経験の方でも、「興味がある」「初めてのアルバイトで新聞配達を試してみたい」といった気持ちで挑戦しやすい業界です。
そのため、これまでアルバイトや仕事の経験がない学生や主婦にも、人気の職業です。
家賃補助などのサポート体制がある
多くの販売店が、寮費や家賃を補助し、住み込みの住宅を提供しています。
また、引っ越しや上京費用のサポートをしている販売店もあります。
家賃補助のサポートは勤務形態に関係なく、正社員とアルバイト両方であるようです。
家賃補助などのサポート体制があることで生活費を抑えられます。
新聞配達の仕事は朝早いため、販売店の近くに住むことは便利でしょう。
稼ぎたい方や貯金をしたい方にとって新聞配達はおすすめの仕事といえます。
時給が高い場合がある
新聞配達は、平均時給が1,223円と高い傾向です。
とくに、早朝手当がつく朝刊の配達はさらに高いことがあります。
短時間で稼ぎたいという方は、朝刊の配達業務がおすすめです。
新聞配達をするデメリット
次に新聞配達員として働くデメリットについて紹介します。
デメリットも把握した上で、新聞配達の仕事に就くことをおすすめします。
天候や季節の影響を受けやすい
新聞配達は屋外での作業であるため、天候や季節の影響を受けやすいです。
厳しい暑さや寒さはもちろんのこと、台風や大雪の際も注意が必要です。
雨天など水濡れが心配な日は、新聞をビニールで包む作業が必要となるため、通常よりも早く出勤しなければいけません。
出勤時間が早い
新聞の販売店舗によって異なりますが、朝刊の配達業務は通常午前2ごろから始まります。
決められた時間に新聞を届けないと顧客からクレームがよせられます。
そのため、遅刻は厳禁です。
早起きが得意でない人にとっては、最初は朝起きることがきついかもしれません。
シフトを変更しにくい
新聞配達はほぼ毎日、顧客に新聞を配らなければいけません。
販売店によっては、急なシフト変更が難しく、休みを取りづらいこともあります。
とくに朝刊の場合は夜中から仕事が始まるため、体調が悪くても代わりを頼むことは難しいです。
営業活動が難しい
新聞の購読者がネットに切り替えており、新規の獲得が難しくなっています。
飛び込みで営業することがほとんどであるため、門前払いされることもあるでしょう。
嫌な顔をされたり、冷たい態度をとられたりすることは、営業のつらい点です。
営業にノルマがある
ノルマにプレッシャーを感じ、営業から離れる人もいます。
ただし、ノルマは勤務する販売所によって異なります。
ノルマがないか、あるいは少ない場合もありますが、厳しいノルマがある販売所もあります。
新聞社にとっては、販売部数を上げることが重要です。
そのため、部数が十分でない販売所に対して、高いノルマを設けているのです。
新聞配達が向いている人と向いていない人の特徴
特別なスキルを必要としない新聞配達ですが、向いている人と向いていない人がいます。
以下で、それぞれの特徴について紹介します。
新聞配達が向いている人の特徴
ここでは新聞配達員に向いている人の特徴をあげています。
自分にはいくつ当てはまるか、チェックしてみましょう。
⬜︎1人で仕事をすることが好きな人
新聞配達は毎日、配達先が固定されています。
担当エリアに慣れれば、届ける順番も覚えられます。
1人で黙々と仕事をこなすことが好きな人には最適な仕事でしょう。
⬜︎責任感がある人
新聞配達は毎日、確実に新聞を届けるという責任が求められます。
無断欠勤や頻繁な遅刻は避け、時間を厳守する責任感が必要です。
⬜︎体力がある人
新聞配達は、階段を上り降りし、郵便ポストに投函することもあります。
また、バイクの荷台に新聞を積み込む作業もあり、体力が必要です。
⬜︎早起きが得意な人
朝刊の配達であれば、深夜から働き始めます。
朝の1時や2時ごろに起きなければいけません。
時間を守り、朝早くから働ける人が求められます。
⬜︎お金を貯めたい人
住み込みで働くことで、家賃や光熱費を抑えることができます。
家賃が無料という職場もあるため、お金を貯めたい人には向いているでしょう。
⬜︎丁寧に仕事ができる人
配達先ごとに異なるポストの位置や新聞の置き場所を気にしながら配達します。
細かな配慮も求められ、記憶力や気配りも重要です。
⬜︎原付バイクを運転できる人
自転車や徒歩でも新聞配達は可能です。
しかし、原付バイクを運転できると、より効率よく配達できるでしょう。
⬜︎副業をしたい人
朝刊配達は朝早くに勤務が終了します。
昼間に時間がつくれるため、副業しやすいでしょう。
学生の場合も学業に支障をきたしにくいです。
新聞配達が向いていない人の特徴
つぎに、新聞配達が向いていない人の特徴について紹介します。
早起きが苦手な人
早起きが苦手な人にとっては、新聞配達の仕事はきついです。
朝刊を配達する場合、早起きは必須です。
朝刊の配達時間が限られているため、遅刻はもちろん厳禁です。
早起きに慣れていない人や、生活リズムが乱れている人は新聞配達は向かないでしょう。
体力に自信がない人
新聞配達では自転車やバイクを使いますが、配達先によっては歩いたり、走ったりしなければいけません。
とくに、アパートなどでは階段の昇降もあります。
体力がないと、新聞配達を長く続けることは難しいでしょう。
マイペースな人
新聞配達は一人で黙々と作業できる仕事ですが、時間はしっかりと守らなければなりません。
配達に指定時間がある家庭もあります。
また、時間までに全区間の配達を終えると決まっている職場もあります。
マイペースで配達を続けると、クレームがよせられたり、周りの人に迷惑をかけてしまうでしょう。
実際に新聞配達をしたことがある人の体験談
ここまで、新聞配達のメリットやデメリットなどを紹介してきました。
新聞配達は本当にきつい仕事なのでしょうか。
この章では実際に働いている新聞配達員の体験談を紹介しましょう。
~ケース①~ Mさん/男性20代
朝刊の配達は朝が早いのできついです。
しかし、早い時間に仕事が終わるため、日中を自分の好きな時間に当てられます。
昼間に他のアルバイトをすることも可能です。
そのため、Wワークしたい人におすすめです。
~ケース②~ Aさん/男性/30代
最初は配達する家を覚えるのが大変でした。
覚えるまではとても時間がかかり、残業することもありました。
しかし覚えてしまうとスムーズに仕事を終わらせることができます。
今では効率よく仕事をこなせています。
~ケース③~ Gさん/男性/50代
雨の日の新聞配達は、いつもより気を使わなければいけません。
新聞が濡れるとクレームを言われてしまうからです。
天気が悪い日はビニール袋に詰めたり、できるだけ雨に濡れない場所に置いたりなど、
いろんな工夫をしなければいけなく、大変でした。
まとめ
新聞配達はきついと言われることもありますが、メリットも多くあります。
黙々と一人で仕事をすることが好きな人やお金を貯めたい人には向いているでしょう。
また、自然と早寝早起きの規則正しい生活リズムも身につきます。
新聞配達の仕事は未経験者でも採用される仕事です。
正社員やアルバイトなど雇用形態も選べるため、自分にあった働き方ができるでしょう。