警備員の仕事をしているのは男性のイメージが強いですが、
実は女性警備員の数が増えていることをご存知でしょうか。
女性の警備員の需要は高く重宝されているため、働き口がたくさんあるのです。
本記事では女性が警備員として働くメリットや注意点、体験談について詳しくご紹介します。
女性が警備員になれる??
結論から述べると、女性は警備員になれますし、むしろ女性警備員は多くの警備会社から求められています。
後述しますが、女性が警備員として働くのはメリットが豊富であることから重宝されているのです。
警備会社は女性警備員が在籍していることで、柔軟な対応が期待でき、
威圧感を生み出さないことから、クレームやトラブルが起こりにくい効果があります。
また女性客の対応は、男性警備員より女性警備員のほうが身体検査などを円滑に行なうことが可能です。
このような背景から、女性が警備員になれる機会は十分にあります。
警備員の詳細や給料については下記で詳しく紹介しておりますので
そちらも合わせてご覧ください。
施設警備員の平均年収はどれくらい?給料を上げる方法や業務内容を紹介
女性警備員は年々増加!増加理由は?
前述で女性警備員になれる機会があることをお伝えしましたが、
ここでは実際に女性警備員は増加しているのかみていきましょう。
女性警備員の割合!増加している!?
警察庁生活安全局生活安全企画課「2022(令和4)年における警備業の概況」によると、
警備員数は2022(令和4)年12月末現在、582,114人で前年より7,824人(1.3%)減少しています。
一方、女性警備員は2022(令和4)年12月末現在で39,371人となっており、
2020(令和2)年時の39,532人と比較するとおおよそ横倍です。
ただ2020(令和2)年の女性警備員数は、2019(令和元)年より5,000人近く増加しています。
2020(令和2)年から女性警備員数が横倍であったり、警備員数全体数が減少したのは、
2019(令和元)年12月より感染拡大した新型コロナウイルスの影響が背景にあると考えられます。
コロナ禍ではさまざまな会社企業で採用控えが行なわれ、また会社の経営不振にともない、
やむを得ず離職せざるを得ない人も多くいました。
厚生労働省・文部科学省調べ「大卒就職率の推移」をみてもわかるように、
新型コロナウイルス感染拡大が始まると、大卒の就職率も低下しています。
2023(令和5)年5月8日より、新型コロナウイルスは5類へ移項され、
その後はコロナ禍前に日常が取り戻されつつあり、就職率も回復傾向にありますので、
今後は以前と同じように女性警備員数は増加していくでしょう。
女性警備員が増加している理由
女性警備員が増加している理由は次で詳細をお伝えしますが、
大きな理由としては女性警備員を求めている警備会社が多いことです。
また「安全を守りたい」「誰かの役に立ちたい」という志しと、
強い責任感をもった女性が警備員の仕事に就職をめざしています。
これらの状況が相まって、女性警備員数が増加していることが背景にあるのです。
女性警備員が重宝されている理由
前述でお伝えしたように、女性警備員はさまざまな面で重宝されることが多くなっています。
ここでは具体的にどのような理由で重宝されているのかみていきましょう。
コミュニケーションがとりやすい
警備員は警備をするのがおもな仕事ですが、警備だけでなく、
ときには通行人や施設利用者とコミュニケーションを図る場合があります。
女性警備員だと通行人や施設利用者も、何かあったときに話しかけやすいでしょう。
また女性や子ども、高齢者も女性の警備員だと安心して接することができます。
女性への対応がやすやすい
異常事態が発生したときに、場合によっては女性に対して身体検査や持ち物検査を行なう必要があります。
男性警備員が女性に対して身体検査や持ち物検査は行ないにくいものです。
そのときに女性警備員がいると、円滑に異常事態に対応することができます。
女性が警備員になるメリット・デメリット
前述で女性警備員は重宝されるとお伝えしましたが、
それと合わせてここでは女性が警備員になるメリット・デメリットについてみていきましょう。
メリット
まずメリットからご紹介します。
メリット①採用される可能性がかなり高い
女性警備員は重宝されることから、採用される可能性が高いです。
場合によっては即日採用や即日勤務の可能性もありますので、
就職・転職をお考えの方は求人に応募してみるのもいいでしょう。
メリット②継続的に仕事がある
女性警備員は施設の警備を行なうだけでなく、
男性警備員が立ち入ることができない女性トイレや授乳室の巡回業務もあることから、
女性警備員は継続的に仕事があるのです。
また女性や子ども、高齢者は女性警備員の優しい対応が適しているときが多く、安心感を与えることができます。
メリット③簡単な警備現場に配属される
男性警備員と女性警備員では、配属される現場が大きく異なります。
例えば男性警備員の場合、真夏で灼熱の交通誘導や高速道路に配属されることが多いですが、
女性警備員の場合は、施設警備や駐輪場警備といった比較的簡単な警備現場に配属されることが多いです。
メリット④警備会社によっては昇給が早い
警備会社によっては毎年警備員の査定を行ない、
査定結果によっては昇給をさせる「昇給制度」を設けているところがあります。
女性警備員は、男性警備員では活躍できないところで活躍できるため、
査定結果が良い可能性が高く、毎年の昇給もめずらしくありません。
メリット⑤高い日給で安定した生活ができる
警備員は他の職業と比較すると、高い日給が設定されています。
シングルマザー、定年退職後など、さまざまな事情をおもちの女性であっても、
高い日給を得ることができますので、安定した生活を送ることができるのです。
警備会社によっては日払い、週払いなどの給与支払制度を設けていますので
「給料支給日がひと月ごとは厳しい!」といった場合も、柔軟に対応してもらえることがあります。
デメリット
次に、デメリットについてみていきましょう。
デメリット①現場で低位にみられる場合がある
あってはならいことですが、警備員が「女性」だからといって低位にみてくる人も少なくありません。
中には暴言を吐いたり、横柄な態度で接してくる人もいるでしょう。
そのような人が現れた場合も、毅然とした態度で接するようにし、
警備会社のマニュアルに沿った方法で対応する必要があります。
デメリット②男性警備員に迫られる可能性がある
警備員の男女比では、男性のほうが圧倒的に人数が多いです。
男性警備員が節度ある言動を取っているのであれば問題ありませんが、
女性警備員であるあなた自身が不快に感じた場合は、
すぐに警備会社の相談窓口や上司に相談するようにしてください。
デメリット③体力的・精神的負担が大きいときがある
前述で「簡単な警備現場に配属される」とお伝えしましたが、
場合によっては体力的・精神的に負担がかかる現場に配属されるときがあります。
体力向上や日頃のストレスを解消するためにも、
日頃から体力づくりや有酸素運動をするなどして、対応する必要があるでしょう。
女性が活躍しやすい警備員の仕事内容や業務場所は?
前述で、女性の警備現場のお話をしましたが、
具体的に女性が活躍しやすい仕事内容や業務場所についてご紹介します。
商業施設の「施設警備」
施設警備では、施設内の警備・巡回だけでなく、案内業務を担うこともあります。
商業施設を利用するお客様にとって、困ったときは女性のほうが話しかけやすいという声もあり、
とくに子どもや女性、高齢者は男性警備員より女性警備員のほうが話しかけやすい傾向が強いです。
またお客様に声掛けをする際に、柔らかな口調で話しかけることが大切ですので、
女性警備員が動員されるケースが多くあります。
男性警備員は立ち入ることができない授乳室や女性トイレで異常事態が発生した場合も、
対応するのは女性警備員であることから、施設警備で女性警備員は活躍できるのです。
住宅街の「交通誘導警備」
住宅街の工事現場などでも警備員が配置されますが、
女性警備員のほうが住民に安心感をもたらすという観点から、女性警備員が配置されることも少なくありません。
交通誘導は車を誘導することはもちろんのこと、人や自転車を誘導することも多く、
その際に直接声掛けすることもよくあります。
そのような状況では、女性警備員のほうが優しいイメージを与えることから、
通行人や住民が安心するということが背景にあるのです。
交通誘導の場でも、女性警備員は活躍できることがご理解いただけるでしょう。
女性で警備員になりたい人が仕事を探すときのポイント
女性警備員を目指される方に、仕事を探すときのポイントについてご紹介します。
社会保険完備であるか
社会保険が完備されている警備会社かは、将来のことを考えると非常に重要なポイントになります。
社会保険が完備されていると、育児休暇手当や出産手当などを給付される対象になりますので、
社会保険が完備されており、加入できる警備会社がおすすめです。
時短勤務をさせてくれるか
正社員の場合は、一般的に勤務時間は8時間の設定となっていますが、
非正社員の場合は時短勤務をさせてくれる警備会社もあります。
午前勤務・午後勤務といった区分を設けているなど、設定の仕方は警備会社によりますが、
短時間での勤務を希望している方は、時短勤務制度を採用している警備会社を選ぶといいでしょう。
現場に出れない場合に警備以外の仕事があるか
警備員として採用された後、例えば子どもがいてフルで仕事ができないような状況に遭遇するかもしれません。
警備の仕事ができない=「離職」ではなく、
警備会社によっては一般的な事務や清掃などの仕事を警備員採用の方に依頼することもあります。
このように警備の仕事ができなくなった場合の対応をしてくれる警備会社に勤めることで、
長く安定することができるでしょう。
女性警備員が仕事するときの注意点
女性警備員が仕事をするときは、以下のような注意点について留意する必要があるでしょう。
体力維持に努める
警備員の仕事はおもに立ち仕事であり、1日に何千歩・何万歩歩くのが一般的です。
長時間立っている状態・歩いている状態に耐えられる体力を維持するためにも、
日頃から健康管理だけでなく、体力向上にむけた食生活を送る必要があります。
また警備員の仕事は日勤だけでなく夜勤に配属される場合もありますので、生活リズムが一定でない可能性があるのです。
生活リズムが一定でない状況が続いたときに、体調を崩してしまっていては警備員の仕事は務まりません。
女性の方が警備員の仕事をされる際は、まず体調面について十分に配慮してください。
研修制度が整備されている警備会社に勤める
日本国内でも警備会社は複数あり、待遇は警備会社によってさまざまです。
日本は安全な国といわれていますが、それは警備員が日頃警備を行なっているからこそ安全が実現されているのです。
安全・安心な環境を継続させるためには、警備員が日々の訓練や研修を重ねる必要があります。
訓練や研修制度が行なわれているかは、警備会社によってさまざまですので、
自身のためにも訓練や研修制度が充実している警備会社に勤めるのがいいでしょう。
現役女性警備員の体験談を紹介!
最後に現役女性警備員の体験談についてご紹介します。
実際に働いている方の体験談をお読みになり、女性警備員に就職したときのイメージをわかせてください。
~ケース①~ Aさん/20代/女性
女性警備員として1年3カ月ほど勤務したAさん。
第2号警備業務(雑踏警備業業務・交通誘導警備業務)をされており、月14~20万円程度の収入があったそうです。
工事現場の警備や花火大会の警備をされており、1日10時間、週5回の勤務がベースだったとのこと。
やりがいは感じていたものの、夏の日焼けや冬の極寒の中での警備は辛かったようです。
~ケース②~ Cさん/20代/女性
友人の誘いで女性警備員となったCさん。
これまでさまざまなアルバイトをしてきたCさんですが、警備員の仕事は過酷さを感じました。
朝8時からの出勤で片側通行の道路の警備にあたっていたCさんですが、
17時まで夏の炎天下で立ちっぱなしだったそうです。
実際に警備員の仕事を経験したCさんは、
女性警備員に向いている方は1人での仕事が苦痛でない方とおっしゃっていました。
警備員の仕事は基本的に1人で警備業務にあたりますので、
勤務時間中に誰かと話しをする機会はほとんどありません。
あまり他の人と関わることなく仕事をしたい方には、警備員の仕事は向いているとのことでした。
~ケース②~ Oさん/50代/女性
Oさんにはお子さんがおられ、子育てしながら警備員の仕事をされています。
子どもがいると、子どもが体調不良になった際に急遽会社を休まなければならないときもありますが、
Oさんが勤める警備会社は急な欠勤でも融通をきかせてくれたそうです。
警備員の仕事は、女性の働きにくさがイメージされるときがありますが、
男女関係なく仕事できますし、むしろ女性が在籍していることで、現場の雰囲気が和んだりすることもしばしば。
Oさんは、女性がいることで現場の雰囲気は明るくなったと感謝されたこともあったようです。
まとめ
女性警備員について、ご理解が深まりましたでしょうか。
「警備員」と聞くと、男性職のイメージが強いですが、
女性警備員はさまざまなところで必要とされ、重宝されていることがわかりました。
授乳室や女性トイレなど、施設内には男性警備員が立ち入ることができない範囲がたくさんあります。
また女性警備員だからこそ、子どもや女性、高齢者が安心して話しかけることができたり、施設を利用できるのです。
女性警備員にはメリットがたくさんあることも本記事で掲載しておきました。
女性警備員の体験談について記載しましたので、実際に働いている方の声を聞いて、
女性警備員の仕事のイメージをわかせてください。
本記事を参考に、女性警備員の仕事内容や現状について知っていただき、
あなたも女性警備員に就職・転職してみてはいかがでしょうか。