物流に欠かせないフォークリフトオペレーターの仕事。
フォークリフトオペレーターの仕事にはどのような魅力があるのでしょうか。
一方で、フォークリフトオペレーターの仕事はきついという声を耳にします。
本記事では、フォークリフトオペレーターの仕事や、実際に仕事はきついのかなどを詳しくご紹介します。
フォークリフトオペレーターはきつい?
結論から述べると、フォークリフトオペレーターの仕事はきつい面があります。
そもそもフォークリフトオペレーターの仕事内容についてご存知でしょうか。
フォークリフトオペレーターは「フォークリフト」を操作して、パレットに積載された荷物を移動させる仕事を担います。
工場や倉庫内などの荷物の移動にフォークリフトは欠かせません。
フォークリフトを使用する理由としては、一度にたくさんのものが運べること、
また人の手では運ぶことができない重い荷物を運ぶことができることが挙げられます。
フォークリフトオペレーターの仕事は、フォークリフトを操作するだけでなく、
パレットに載せた荷物のトラックへの荷積み・荷下ろし、パレットに載せた荷物が荷崩れを起こさないように、
荷物をラッピングして固定する作業が含まれるのです。
フォークリフトオペレーターの仕事に就くためには
「フォークリフト運転技能講習修了証」(フォークリフト免許)が必要となります。
フォークリフト免許を有していることで、最大積載荷重1t以上のフォークリフトを操作することが可能です。
フォークリフト免許は更新がないため、一度取得すると一生の資格として利用することができます。
フォークリフトオペレーターがきついと言われる理由
前述ではフォークリフトオペレーターの仕事内容についてみていきましたが、
フォークリフトに乗って荷物を移動させるだけであれば、きつい面はないように思われます。
では実際にフォークリフトオペレーターの仕事がきついと言われる背景についてみていきましょう。
理由①体への負担が大きい
フォークリフトオペレーターは荷物を移動させたり、
トラックへの荷積み・荷下ろしではフォークリフトを使用するため、体への負担はそれほど大きくありません。
しかしパレットに積まれた荷物を移動させたあとは、
パレットに載せられた荷物を手作業で下ろさなければなりません。
またパレットに荷物を載せる作業も、フォークリフトオペレーターが手作業で行ないます。
荷物によっては重たい荷物を手作業で移動させますので、体への負担が大きいのです。
前述でもお伝えしたように、パレットに載せられた荷物が荷崩れを起こさないようにするためには、
荷物全体をストレッチフィルムで巻いて固定するのですが、
この作業もフォークリフトオペレーターの仕事になります。
フォークリフトオペレーターは意外と体への負担が大きい仕事が多いのです。
場合によっては手作業がそれほど含まれないときもありますが、
長時間フォークリフトに座り続けているのも腰に負担がかかります。
また基本的にフォークリフトにはサスペンションが装着されていないため、
地面からの振動を直接体に受けることになるのです。
加えて、ハンドル操作も長時間行なっていると腕や手首への負担が大きくかかります。
このように体への負担の大きさが、フォークリフトオペレーターの仕事がきついと感じるのです。
理由②暑さ・寒さに耐えなければならない
フォークリフトオペレーターの仕事場所は、冷暖房が設備されていない工場内や倉庫内となります。
夏は酷暑に耐え、上記のような体への負担を背負いながら仕事をしなければなりません。
また仕事によっては冷凍庫内での作業がありますが、基本的に冷凍庫内はマイナス18℃程度ですので、
体温調整が難しいのも事実です。
ただ冷凍庫内で作業する会社の場合は防寒着を用意してくれているところもありますので、
就職・転職の際には防寒着貸与のことを確認しておきましょう。
このように仕事場所の環境面においてきついと感じるケースもあるのです。
理由③長時間集中する必要がある
フォークリフトオペレーターが扱う荷物は、お客様の大切な荷物です。
荷物を破損させるのは言語道断ですので、丁寧なフォークリフト操作を行なわなければなりません。
またフォークリフトは荷積み・荷下ろしするトラックのすぐ近くを通ることもしばしば。
フォークリフトとトラックが接触しないように最大限の配慮を払わなければならないのです。
それに合わせて前述でご紹介した体への負担が大きいことを考えると、集中力を途切れさせることができません。
勤務時間が長い中で集中力を継続させることは困難ですが、
ときおり休憩を取るなどの工夫をしながら仕事をする必要があります。
このように精神面でもきついと感じる面もあるのです。
理由④作業が単調で飽きやすい
フォークリフトオペレーターの仕事は、パレットに載せられた荷物を運ぶことがほとんどです。
荷積み・荷下ろし作業やラッピング作業も含まれますが、毎日同じ作業の繰り返しとなりますので、
単調作業が苦でない人にとっては適した仕事かもしれません。
一方で、仕事内容に変化がないことにしんどさを感じたり、
他の人とコミュニケーションがない環境に耐えられない人にとってはきついと感じるでしょう。
フォークリフトオペレーターの魅力を紹介!
上記ではフォークリフトオペレーターの仕事のきつい部分についてご紹介しました。
もちろんフォークリフトオペレーターの仕事はきつい面だけでなく、メリットとなる面もあります。
ここではフォークリフトオペレーターの魅力についてみていきましょう。
魅力①求人が豊富
フォークリフトオペレーターは需要が高いことから、常に求人が豊富にあります。
転職したいときもフォークリフトオペレーターの仕事であれば、仕事がみつけやすいでしょう。
正社員に絞ることなく、まずは派遣社員やアルバイトからの応募から始めると、採用の幅が広がります。
派遣社員やアルバイトから始めた場合でも、仕事の成果が認められれば正社員に登用される可能性もあるのです。
正社員として就職すると社会保険への加入はもちろんのこと、ボーナスが支給されたり、昇給の可能性もあります。
安定した収入をお考えの場合は、正社員を目指すといいでしょう。
以下は求人ボックス「フォークリフトの仕事の年収・時給・給料」に
掲載されている雇用形態別の平均収入ですので、参考になさってください。
|
|
|
|
|
|
一般に、派遣社員の時給のボリュームゾーンは時給1,089~1,234円であることを考えると、
フォークリフトオペレーターは比較的時給が高い仕事といえます。
下記の記事ではフォークリフトオペレーターの給与についてさらに詳しく紹介しているので合わせご覧ください。
フォークリフトオペレーターの平均年収はどれくらい?必要な免許(資格)や業務内容を紹介
魅力②腕力はそれほど必要ない
フォークリフトオペレーターの仕事は基本的にフォークリフトで荷物を運ぶことです。
前述ではフォークリフトオペレーターの仕事には手作業が含まれるとお伝えしましたが、
基本的に持ち上げられない荷物については、手作業ではなくフォークリフトを使用します。
この点から、フォークリフトオペレーターの仕事は体力や年齢に関係なく働くことができるのです。
もちろんフォークリフト操作に腕力は必要ありません。
性別も問わない仕事といえるでしょう。
魅力③未経験でも働くことができる
フォークリフトオペレーターの仕事ではフォークリフト免許が必要ですが、
これまでフォークリフトを操作したことがない方でも採用される可能性が高いです。
フォークリフト免許をもっていなくても、フォークリフト免許は数日間の講習を受けることで取得はできますし、
正社員募集の場合はフォークリフト免許の取得費用を会社が負担してくれるケースもあります。
フォークリフト操作が未経験の場合は、研修制度が充実している会社を選ぶと安心です。
フォークリフトオペレーターが向いている人・向いていない人の特徴
フォークリフトオペレーターの仕事の仕事は、フォークリフト免許をもっていることで操作できることが分かりました。
ただ免許をもっていてもフォークリフトオペレーターに向いている・向いていないの適性があるのです。
ここではフォークリフトオペレーターに向いている・向いていないの適性についてご紹介します。
フォークリフトオペレーターが向いている人の特徴
以下のような特徴のある方は、フォークリフトオペレーターが向いているといえるでしょう。
特徴①運転が好き
フォークリフトオペレーターは、1日中フォークリフトを操作しなければなりません。
運転や操作が好きな人にとっては、長時間のフォークリフト操作は苦ではないでしょう。
運転や操作に興味がある人は、フォークリフト操作の上達も早い傾向にあることから、
フォークリフトオペレーターに向いているといえます。
特徴②注意力がある
フォークリフトを操作しているときは、車の運転と同様に、周囲に注意を払わなければなりません。
フォークリフトの周りには、お客様の大切な荷物がありますし、
荷積み・荷下ろしの際はトラックが停車していますので、それらと接触すると弁償する必要があります。
ましてや周囲にいる人と接触してしまうと大けがを負わせることになってしまうのです。
周囲との接触を起こさないためには、フォークリフト操作中は最大限の注意を払う必要があります。
周囲への注意力があるほど丁寧な運転を心がける傾向がありますので、
フォークリフトオペレーターに向いているといえるでしょう。
特徴③危険予測ができる人
危険予測ができる人は、前述でお伝えしたような事故を起こす可能性は低くなります。
またフォークリフトの調子がいつもと違ったり、異音がしていることに気づくのも危険予測の1つです。
パレットに載せている荷物が荷崩れを起こしそうではないかというのも危険予測になります。
危険予測は「危機予知トレーニング」という訓練を受けることで養うことができますので、
興味がある方は参考になさってください。
フォークリフトオペレーターが向いていない人の特徴
では次に、フォークリフトオペレーターに向いていないといえます。
単純作業が苦手な人
フォークリフトオペレーターは、1日中限られた範囲の中でフォークリフトを操作しており、
それが毎日続く短銃作業となります。
フォークリフトオペレーターになったときは気持ちも新鮮であることから、
楽しさを感じるかもしれませんが、日がたつにつれて新鮮さはなくなります。
フォークリフトオペレーターの他の仕事は、ピッキング作業、ライン仕事、検品作業がありますが、
基本的には単純作業といえるでしょう。
仕事に飽きてくるとやりがいを感じられなくなったり、稼ぐことの意欲もなくなる可能性もありますので、
単純作業が苦手な人はフォークリフトオペレーターの仕事には向いていないでしょう。
体を動かした仕事がしたい人
フォークリフトオペレーターの仕事は、フォークリフトに座ったままで操縦しますので、
体を動かした仕事をしたい人には向いていません。
ピッキング作業、ライン仕事、検品作業では体を動かすといえますが、活動量はほんのわずかしかないといえます。
大雑把な人
大雑把な人はフォークリフトの操作に雑さが出てしまい、事故を起こす可能性が高いです。
荷物を載せるパレットは、整理するときに積み上げて保管するのですが、
綺麗に積み上げなければ崩れてきてしまい、周囲に人がいた場合は大惨事となってしまいます。
このような背景から、大雑把な人はフォークリフトオペレーターの仕事には向いていないといえるでしょう。
現役フォークリフトオペレーターに聞いた!体験談
では最後に、フォークリフトオペレーターの仕事をされている方の体験談をご紹介します。
~ケース①~ Sさん/男性/30代/勤務歴13年目
Sさんは倉庫でフォークリフトオペレーターの仕事をしています。
仕事内容は倉庫作業、清掃、軽作業で、フォークリフトに乗って商品の入出庫をされています。
Sさんはお客様に喜ばれるために、商品を積む際は丁寧に積み、
荷崩れが起きないようにするなどの工夫を行なっているとのことです。
フォークリフトオペレーターの仕事は長時間集中しなければならない面がきついと挙げましたが、
Sさんはそのきつさを感じながらも「お客様に喜ばれることを第一」に仕事を行なっています。
~ケース②~ Oさん/男性/40代/勤務歴25年目
Oさんはフォークリフトオペレーターとして、コンテナの搬出入を行なっています。
作業工程は決まっているとのことですが、当日の進行状況によって前後するため、
それに伴って退勤時間もかわります。
フォークリフトは死角となる部分が多いため、周囲に十分配慮しながら操作を行なっているとのことです。
本記事では、フォークリフトオペレーターのきついところとして「仕事が単調で飽きる」とお伝えしましたが、
運ぶ荷物は日によって異なりますし、
予定通り作業を進めることができたときの達成感はやりがいにつながるとのことでした。
~ケース③~ Nさん/男性/40代/勤務歴12年目
Nさんは他の人とコミュニケーションをとるのが苦手だったため、
フォークリフトオペレーターの仕事は適していると感じておられます。
フォークリフトオペレーターの仕事に就く前は営業職をされており、
他の人とコミュニケーションをとらなければ成り立たない仕事であったことから、
フォークリフトオペレーターに転職してよかったとのことです。
ただフォークリフトオペレーターとして働いていた会社とうまくいかず、
再び転職することになりましたが、次の仕事もフォークリフトオペレーターに就かれています。
本記事でご紹介した「フォークリフトオペレーターの魅力」の中で「求人が豊富」であることをお伝えしました。
Nさんのようにフォークリフトオペレーターの経験者は、次の雇い入れ先も見つかりやすいといえるでしょう。
まとめ
フォークリフトオペレーターの仕事にはきつい面があることをご理解いただけましたでしょうか。
実際に仕事面できついところはありますが、魅力が感じられる点も複数ありました。
フォークリフトオペレーターの体験談では、リアルな仕事事情について知ることができますのでご一読ください。
本記事を参考に、フォークリフトオペレーターに就職・転職してみてはいかがでしょうか。