トラックにはさまざまな大きさがあり、
運ぶものの大きさや重さによって使い分けられています。
また運転免許の種類によって、運転できるトラックの大きさが異なります。
本記事では、4tトラックと10tトラックの最大積載量や寸法、高さについてと、
過積載の場合の罰則について、詳しく解説します。
4tトラックの最大積載量や寸法・高さ・免許の種類について
4tトラックは一般に「中型トラック」とよばれ、以下の規格をしたものをさします。
4tトラックは、トラックの種類の中でも人気のサイズです。
全長 |
12,000mm以内 |
全幅 |
2,500mm以内 |
全高 |
3,800mm以内 |
最大積載量 |
6,500kg以内 |
車両総重量 |
11,000kg以内 |
運転に必要な免許 |
〇2007年6月までに取得した「普通自動車運転免許」 〇2007年6月以降に取得した「中型自動車運転免許」 |
4tトラックは、以下のようにボディの大きさによって規格規格が細分されます。
標準ボディ |
【車両寸法】 [全長]7,600mm・[全幅]2,200mm・[全高]2,680mm 【荷台寸法】 [長さ]6,200mm・[幅]2,130mm・[あおりの高さ]400mm |
ロングボディ |
【車両寸法】 [全長]8,600mm・[全幅]2,200mm・[全高]2,680mm 【荷台寸法】 [長さ]7,200mm・[幅]2,130mm・[あおりの高さ]400mm |
スーパーロングボディ |
【車両寸法】 [全長]9,600mm・[全幅]2,200mm・[全高]2,680mm 【荷台寸法】 [長さ]8,200mm・[幅]2,130mm・[あおりの高さ]400mm |
ワイドボディ |
【車両寸法】 [全長]8,600mm・[全幅]2,490mm・[全高]2,680mm 【荷台寸法】 [長さ]6,200mm・[幅]2,340mm・[あおりの高さ]400mm |
ショートボディ |
【車両寸法】 [全長]6,140mm・[全幅]2,170mm・[全高]4,350mm 【荷台寸法】 [長さ]4,350mm・[幅]2,040mm・[あおりの高さ]400mm |
ロングやショートなどの設定がありますので、日頃の用途を考えながら、
荷台のすスペースが余り過ぎたり、足りないことがないよう、
十分に検討してから購入してください。
10tトラックの最大積載量や寸法・高さ・免許の種類について
続いて、10tトラックについてご紹介します。
10tトラックは、一般に「大型トラック」とよばれ、
以下の規格のトラックのことをいいます。
全長 |
12,000mm以内 |
全幅 |
2,500mm以内 |
全高 |
3,800mm以内 |
最大積載量 |
6,500kg以上 |
車両総重量 |
11,000kg以上25,000kg以下 |
荷台寸法 |
[荷台全長]約5~10m [荷台全幅]約2.3~2.4m [あおりの高さ]約0.5~2.4m ※車種や架装の種類によって異なる |
運転に必要な免許 |
大型自動車運転免許 |
また10tトラックには、以下のように多くの種類が用意されています。
トラックの種類 |
内容 |
バンボディ |
荷台が箱型になっているトラック |
冷蔵・冷凍車 |
バンボディの荷台部分に冷却・冷凍装置を搭載したトラック |
クレーン付き |
荷台にクレーンを搭載したトラック |
ウイングボディ |
アルミの両サイドが開くトラック |
平ボディ |
荷台がフラットで多くの積載を可能としたトラック |
キャリアカー |
車両を運送するためのトラック |
タンクローリー |
石油や天然ガスを運送するためのトラック |
ダンプカー |
荷台を傾斜させる機能があるトラック |
重機運搬車 |
大型建設機械や産業用機材を運搬するためのトラック |
10tトラックは、大きさが大きいものや重量のあるものまで運搬することが可能です。
何を運ぶのかによってトラックの種類が異なりますので、
4tトラックと同様に、十分な検討が必要となります。
4tトラックと10tトラックにおいて過積載した場合の罰則
「4tトラック」「10tトラック」というよび方をしますが、
これらの重さは最大積載量を示しているのではなく、
おおよそその重さまで積載できるというものです。
最大積載量は、車両総重量−(車両重量+乗車定員×0.055t)で
算出することができます。
上記の式を用いて、4tトラックの最大積載量を計算してみます。
4tトラックの車両総重量は、以前の道路交通法で「8t未満」とされていましたので、
車両総重量は8t、トラックの乗車定員は2人すると、
8t−(4t+2人×0.055t)=3.89tと算出可能です。
同様に10tトラックを最大積載量を計算してみます。
10tトラックの車両総重量は、道路交通法で「25t未満」とされていますので、
車両総重量は25t、トラックの乗車定員は2人すると、
25t−(10t+2人×0.055t)=14.89tと計算できるのです。
過積載の罰則ですが、道路交通法第57条には以下のように規定されています。
過積載10割以上 |
違反点数6点+懲役6か月以下または罰金10万円以下 |
過積載5割以上 |
違反点数3点+反則金4万円 |
過積載5割未満 |
違反点数2点 |
このように過積載の割合によって罰則が異なっているのです。
最大積載量の2倍以上の過積載が確認できた場合は、
即時告発で100万円の罰金となる場合がありますので、
トラックに荷積みをする際は、必ず重さを計算しましょう。
最大積載量以外に重要になる「才数」とは
前述のように、過積載に注意するために最大積載量を意識しますが、
荷物の中には、重量が軽いのに容積が大きいものがあります。
この場合、最大積載量を超えていなくても、荷台に積めないことがあるのです。
そこで知っておいてほしい単位として「才数」があります。
才数は容積の単位で、一辺が約30.3cm(一尺)の立方体のことをさします。
トラックに最大積載量だけが示されているのではなく、
才数が示されることで実際にどれだけの荷物が積めるのかを、
より正確に把握することができるのです。
4tトラックと10tトラックに関するよくある疑問
上記で4tトラックと10tトラックについて詳しくご紹介しました。
ここでは4tトラックと10tトラックに関するよくある質問についてご回答します。
Q.1 パレットはどのくらい詰める?
日本のパレットの標準サイズは1,100mm×1,100mm×144mmです。
4tトラックには、以下の枚数を積載することができます。
標準ボディ |
5枚 |
ロングボディ |
6枚 |
スーパーロングボディ |
7枚 |
ワイドボディ |
10枚 |
ショートボディ |
3枚 |
4tトラックはワイドボディの場合、荷台の幅が2,340mmありますので、
2枚並べてパレットを積載可能です。
ワイドボディ以外は荷台の幅が2,200mm以下ですので、
パレットを2枚並べて積載することができないだけでなく、
荷台のスペースに余りが出てしまうため、
走行中にパレットが動かないよう固定する必要がでてきます。
また10tトラックは、荷台幅が約2.3~2.4mありますので、
パレットを2枚並べて積載することが可能で、
荷台全長が約5~10mであることから、
8~18枚のパレットを積載することができるのです。
Q.2 4tトラック、10tトラック以外の最大積載量はどのくらい?
4tトラックが「中型トラック」、10tトラックが「大型トラック」といわれるように、
2tトラック・3tトラックのことを「小型トラック」といいます。
小型トラックの規格は以下の通りです。
全長 |
4,700mm以内 |
全幅 |
1,700mm以内 |
全高 |
2,000mm以内 |
最大積載量 |
3,000kg以内 |
車両総重量 |
5,000kg以内 |
2tトラック・3トラックの最大積載量を算出します。
2tトラック・3tトラックの車両総重量は、
道路交通法で「5t未満」とされていますので、
車両総重量は5t、トラックの乗車定員は2人すると、
5t−(2.5t+2人×0.055t)=2.39tとなるのです。
小型から大型までのトラックについては、
運転ドットコムの下記の記事にも記載していますので、
合わせて参考になさってください。
小型から大型までのトラック積載量ってどのくらい?過積載の罰則や積載量の計算方法も紹介!
まとめ
4tトラックと10tトラックの最大積載量や寸法、高さについてと、
過積載の場合の罰則について、ご理解深まりましたでしょうか。
トラックにはさまざまな種類があり、
本記事ではとくに4tトラックと10tトラックについて、詳しく解説しました。
過積載についても触れておきましたが、過積載は道路交通法違反になる行為で、
過積載のまま走行することで道路を傷めてしまう要因にもなります。
もちろん過積載には罰則がありますので、過積載にならないよう注意してください。
本記事を参考に、トラックの積載量について知っていただき、
決められた範囲でトラックに荷物を積むようにしましょう。